『家、ついて行ってイイですか?』一度は絶縁した男女が同居する事情「今の感じがちょうど良いのかも」
#家、ついて行ってイイですか?
【松戸】「付き合っていない」と強調する男女が同居する事情
スタッフが松戸駅で声を掛けたのは中華料理店勤務の男女。仕事帰りのようだ。男性は46歳でお店の店長、女性は57歳でアルバイトだという。そして、なんと2人は同居しているらしい。ということは、2人は付き合っているのか?
「同居人というかルームメイトというか。結婚もしてないし、今は付き合ってるわけでもない。昔付き合って、別れて、(それでも)別居しなかった」(男性)
2人の同居歴は10年以上にも及ぶ。なのに、「今は付き合ってるわけではない」と断言するのはなぜか? 傍から見ると微妙な関係性だ。
家に着く前にコンビニへ寄り、好きなものを買ってもらった。男性が購入したのはウイスキーや缶チューハイなどお酒ばかりだ。
「その(仕事終わりの一杯)ためだけに生きている」(男性)
2人はよく晩酌をするし、2人で旅行に行ったりもする。でも、付き合ってるわけではない。
女性 「行くとことかも一緒なんだけど、付き合ってるって感じじゃないよね」
男性 「今はそういう関係ではない」
女性 「だから、ラフな関係。気も遣わないし」
――友達?
女性 「友達以上恋人未満。ハハハハ!」
かつて、女性は別の男性と結婚していたそうだ。しかし、当時の夫が風俗嬢にハマってしまい、「その女性と結婚する」と別れを切り出された。
スタッフが女性から話を聞いている間、ずっとお酒を飲んでいた男性はいつの間にか泥酔していた。「危うく酔っ払うところだった」と本人は言っているが、どう見てもとっくにでき上がっている。
「こういう方なんで、酔っ払うと大変だから私みたいなのがいないとダメ」(女性)
掃除も洗濯も、家のことは女性に任せっきり。男性が女性の優しさに甘えているように見える。男性が1人になったら……と考えると不安だ。
ちなみに、2人の収入は両者合わせて約30万円。正直、低いと思う。生活するだけで大変なのではないか?
実は2人が付き合っていた頃、男性は女性に結婚を申し込んでいた。しかし、女性は異常なヤキモチ妬きだった。すると、男性の友人が女性の性格を面白がり、彼女にあることないことを吹き込んだそうだ。それを信じ切った女性は自分の枕に包丁を刺し、メチャメチャにして大爆発した。火のないところに煙を立たせられた男性はキレてしまい、2人は絶縁する。つまり、“嘘の浮気”が別れの理由だったのだ。でも、今、2人は一緒に住んでいる。なぜなのか?
男性 「(女性が)ホームレスになっちゃうから(同居を)誘った」
女性 「ですね。ホームレスになると困るから……もう母もいないし父もいなくて、それを心配して」
男性 「あと(彼女の)年齢で仕事探してもないし。ウチのお店が人がいないので『とりあえず手伝ってくれ』って」
元恋人の境遇を心配し、男性は仕事と同居を誘ったのだった。寝室を覗くと、2人の布団は仲良く並べて敷いてあった。
「家族みたいなものなので、私が母親みたいな」(女性)
「付き合ってるわけではない」と強調する2人だが、本当に何の関係もないのだろうかと勘ぐってしまいそうな布団の並べ方だ。
「(お金の管理は)全部、彼が握ってます。私の給料とか。食費とかのお金は彼が全部出してくれます。全部管理してます。本当はめんどうくさいなと思うときが多いです。でも結局、お世話になっちゃってるんで感謝してるし。優しいし、信じてるから。こんな人って本当いないなって思ってます」
なんだかんだ、女性は男性のことが好きなのだと思う。
女性 「今もちょっとはヤキモチは妬きますけど、今は結構楽」
――今後、不安なことはありますか?
女性 「ありますよ、やっぱり。この方、モテない訳じゃないので。この性格だからモテない訳じゃないんですよ。この人が本当に好きな人ができちゃったらそっちに一途になっちゃうので、それがこの先あったら不安だなって思う。でも、それはそれで仕方ないと自分に言い聞かせています。付き合ってる訳じゃないし」
――ご結婚されたらその不安がなくなるんじゃないですか?
女性 「でも本当に、その気持ちがお互いに無いので」
――どうしてですか?
女性 「わかんないですけど……私にも無いし、彼は(私を)上回るほど無いんで」
――将来の夢はありますか?
女性 「今も楽しくやってるので、今後も本当に喧嘩もせず、ずっと仲良く、幸せにやっていけたらなと思います。今の感じがちょうど良いのかも」
昔付き合っていて別れたけど、お互いがお互いを思い合って今の形に落ち着いた。ただ、和解しても復縁したわけではない。話を聞くほど、好きの気持ちを抑えて女性が強がっているのが分かる。
そしてもう1つ、他に行く場所がないという事情もある。だから、付き合っていないのに同居をし、男性が女性を雇いながらお互いを支え合う。確かに、これは素敵な愛の形だ。だけれども、令和の日本を象徴している気がして少し不安にもなった。
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