ビジョンなき菅首相がすがる金融、経済、医療、外交の怪しい人脈
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すでに見え始めた菅政権の怪しい人脈
さて、菅義偉政権をひと言でいい表わせば「陰険」である。
安倍首相は拙いながらも、自分の言葉で国民に説明しようという努力はしたように思う。もちろん、ごまかしや偽りのデータを交えてではあったが。
菅は、それさえしようとしない。日本学術会議が推薦した105人のうち6人を任命拒否したのに、なぜ拒否したのかという理由について明らかにしないのがその証左である。
予想外に批判が高まったため、慌てて会見をしたが、「総合的俯瞰的に判断」などと訳のわからない言葉を、不快感を露わにしながら吐き捨てただけであった。
総裁選の中でも、「私ども(政治家は)選挙で選ばれている。何をやるという方向を決定したのに、(官僚が=筆者注)反対するのであれば異動してもらう」といい放った。
今回の学術の6人を拒否したのも、政府に楯突くヤツは切るという意志を、周囲の人間たちに見せつけたかったのだろうが、政権発足直後に、浅はかなことをやったものである。
菅の泣き所は、周辺に人材がいないことだろう。今週の文春、新潮が彼の怪しい人脈を取材している。
まず文春によれば、菅が熱心に取り組む観光政策のブレーンは、英国人アナリストのデービッド・アトキンソンだという。ゴールドマン・サックス出身で、11年からは国宝などの補修を手掛ける「小西美術工藝社」社長。彼が15年に上梓した『新・観光立国論』を菅が読み、会いに行き傾倒していったようだ。
文春は、ここ数年アトキンスの会社が売り上げを伸ばしているが、そこが手がけた日光東照宮の「陽明門」が、約4年、総工費約12億円(うち55%は国の補助金)もかけたのに、純白の獅子にカビが浮かび、塗装も無残に剥がれ落ちていると報じている。
アトキンスは文春に対して、伝統工法で修復しているのでカビや剥落はつきもので、「正しく修理されているかどうかが基準なのです」と反論している。いい分には頷けないこともないが、この会社の会長を務める和田誠一の存在に「危険だ」(経産省中枢)という声があるという。
和田は消費者金融の武富士や医療法人徳洲会の資金調達で名をはせた国際金融ブローカーで、下村博文元政調会長と近いそうだが、具体的に何が危険なのかは触れていない。
もっとも不安視される外交では、前回の大統領選でトランプ当選を予測したといわれる国際政治アナリスト・渡瀬裕哉を頼りにしているそうだ。38歳と若いが、彼には宗教団体「幸福の科学」との関係が取り沙汰されているという。
ここの公式YouTubeチャンネルに、釈量子党首と対談している動画が複数アップされているそうだ。本人は信者ではないといっているが。
医療分野のブレーンは、あの「不倫カップル」(文春)だ。菅の周囲には医療の専門家がいないため、内閣官房健康・医療戦略室次長の和泉洋人首相補佐官と、大坪寛子に頼り切っているというのである。
そんな連中だから、健康被害も不透明な海外の製薬会社からワクチンの提供を受けて、全国民に無償で配布しようという、拙速で、国民を生命の危険にさらしかねない政策が出てくるのだろう。
今週の第1位は、新潮の菅の怪しい人脈の極め付け報道である。これは怪しい。
新潮は、「令和の政商」といわれる人間が、菅を抱き込もうとしていると報じている。それは政治系シンクタンク『大樹グループ』を率いる矢島義也会長(59)で、政官財界から芸能界まで幅広い人脈を持っているそうである。
年に数回「大樹会」という会合を催し、そこにはテレビ局、新聞、週刊誌記者などが招かれるそうだ。そのマスコミ側の中心人物が、先日首相補佐官に起用された柿崎明二前共同通信論説副委員長(59)だったという。
だがこの矢島、30代後半に芸能界を揺るがす騒動を引き起こしているそうだ。当時のFOCUSによれば、有名俳優やアイドルたちを呼んで、マンションの一室で週1回、乱交パーティをやっていたが、その主催者が矢島だったというのである。菅は矢島の前歴を知らなかったのだろうか。だとすればあまりにも脇が甘いのではないか。
矢島は、ネット証券「SBIホールディングス」の北尾吉孝社長も菅に引き合わせていたそうだ。
北尾は、菅が唱えるいくつかの重要な政策にも深く関わっている。香港から「国際金融センター」を日本に持ってこようという計画。それも東京にではなく、大阪か福岡にというのである。
地銀再編もそうだという。菅は総裁選の時から、「地方の銀行は数が多すぎる」「再編も一つの選択肢」と発言している。北尾は、昨年9月に島根銀行と資本提携したのを皮切りに、経営不振の地銀株を底値で買い叩いているという。
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