トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ  > クリス・ロック「バイデンは老いぼれ」
スタンダップコメディを通して見えてくるアメリカの社会【12】

クリス・ロック「バイデンは老いぼれ」 アメリカ大統領選でコメディアンに寄る風刺が加熱!

貧富の格差を推し進めるかのようなアメリカの政治に立ち向かう

 

クリス・ロック「バイデンは老いぼれ」 アメリカ大統領選でコメディアンに寄る風刺が加熱!の画像2
皮肉たっぷり。

 現在アメリカでは上位1%の超富裕層が国全体の40%の富を独占していると言われている。そうした状況の中でトランプは彼らに対して1兆5000億ドルもの減税を行ない、経済格差はさらに広がった。クリス自身は疑いようのない「成功者」で、富裕層であることに疑念はない。しかし、その彼が代弁する庶民の「声」に会場は大きな拍手を送った。

「だからこそ投票に行こう! マジにならなきゃ。奴らは僕らに投票して欲しくないんだ。だから投票日を火曜日に設定してる。この番組ももし、土曜じゃなく火曜の晩に放送してたら、一年と持たずに終わってたさ」

 そして、最後に小説家、ジェームズ・ボールドウィンの引用で締めくくった。

「すべての困難を変えることはできないが、立ち向かわなければ何も変えることはできない」

 ジェームズ・ボールドウィンは50年代に文壇に登場すると、黒人でゲイという立場から60年代の公民権運動にも積極的に参加した。彼のことばは60年経った今もなお、リアリティをもって突き刺さる。アメリカが2020年、立ち向かわなければならない壁は恐ろしく高く険しいが、ひとりのスタンダップコメディアンの言葉で、誰かが立ち向かう勇気を持てるとすればまだまだ捨てたもんじゃないだろう。

<クリス・ロック>
1965年サウスカロライナ州生まれ。1990年に『サタデー・ナイト・ライブ』のキャストに抜擢されると以後映画やTVで活躍。エミー賞、グラミー賞をそれぞれ3回受賞。オスカーの司会もこなすなどアメリカを代表するコメディアン。

Saku Yanagawa(コメディアン)

アメリカ、シカゴを拠点に活動するスタンダップコメディアン。これまでヨーロッパ、アフリカなど10カ国以上で公演を行う。シアトルやボストン、ロサンゼルスのコメディ大会に出場し、日本人初の入賞を果たしたほか、全米でヘッドライナーとしてツアー公演。日本ではフジロックにも出演。2021年フォーブス・アジアの選ぶ「世界を変える30歳以下の30人」に選出。アメリカの新聞で“Rising Star of Comedy”と称される。大阪大学文学部、演劇学・音楽学専修卒業。自著『Get Up Stand Up! たたかうために立ち上がれ!』(産業編集センター)が発売中。

Instagram:@saku_yanagawa

【Saku YanagawaのYouTubeチャンネル】

さくやながわ

最終更新:2023/02/08 13:21
12
ページ上部へ戻る

配給映画