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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 菅政権の行政改革は“年金制度廃止”の布石!?
週刊誌スクープ大賞

菅政権が進めるデジタル庁や縦割り行政廃止は“年金制度廃止”の布石だった!?

 今回の6人の学術会議会員予定者の任命拒否にもよく表れている。

 「小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)は9月29日に事務局から連絡を受けた。2015年7月、安全保障法制の国会審議で野党推薦の公述人として『違憲』の立場で見解を述べたことがある。小沢教授は毎日新聞の取材に『それが理由なら到底承服しがたい。政府方針と違っても言うべきことは言う。学術会議はそういう組織だ』と憤った。

 松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)は17年、改正組織犯罪処罰法に関する参院法務委員会の参考人質疑で同法を厳しく批判した。とはいえ、『共謀罪』創設に反対した学者は少なくなかった。松宮教授は取材に『形式上の任命権は首相にあるが、学術会議の会員推薦は学問の業績に基づく。これは学問の自由に対する介入だ』と語った。

 岡田正則・早稲田大教授も行政法学を専門とする立場から、国が被告になった行政訴訟などで国に批判的見解を述べる機会は多い。だが、『(任命拒否の理由として)思い当たる節はないか? そう考えさせることで、そんたくさせる仕組みになっている。研究業績に秀でた人を推薦する日本学術会議法の趣旨に反した人事だ』と反発した」(毎日新聞10月1日付)

 菅という男の本性を早くも現したということである。

 この男に、イデオロギーや、その人間が主張している内容など関係ないのだ。政府に楯突くヤツは許さんという傲慢さがあるだけなのだ。安倍だってやらなかったあからさまな介入を、一片の説明もなしに問答無用で斬り捨てる。無学だからでも田舎者だからでもない。

 ただ派閥の思惑で、そこにいたからという理由だけで首相に据えられただけなのに、自分の能力だ、力だと錯覚して、後先を考えずにやってしまったのだろう。学問の自由を侵害するなとか、政治介入だと騒ぐつもりはない。菅にそんなことは理解できるまい。ひと言。自分のわからないことに首を突っ込むんじゃない。

 10月初め、2日に分けて、菅が官邸記者クラブに加盟している記者を呼んで、朝食を食べながら「オフレコ懇談会」を催すといいだした。元共同通信の人間を補佐官にし、今度は、官邸記者たちをポチ化しようというのだ。自分にすり寄るマスゴミには手厚くするが、批判する連中に対しては容赦ない。

 就任早々、こんなことを許していては、取り返しがつかないことになる。オフレコ懇談会にどの社が欠席するのか注目ししていたが、早速、朝日新聞と東京新聞が出席しないことを発表した。当然だが、出席した社は、なぜ出たのかを説明する責任がある。

ところで、文庫本で『したたか』(講談社)が売れているようだ。「総理大臣・菅義偉の野望と人生」とサブがついている。筆者はノンフィクション・ライターの松田賢弥。この本は松田が2016年に出した『影の権力者 内閣官房長官菅義偉』(講談社+α文庫)をタイトル変更したものだろう。

 菅のインタビューもしっかり入っていて、読み物としても面白い。やや筆者が、菅に肩入れし過ぎているのが気になるが、当時、菅が総理になるなんぞ想定外のことだから、致し方あるまい。松田は岩手県の出身だから、話が合うところがあったのではないか。

 今、一読の価値がある一冊である。(文中敬称略)

【巻末付録】

今週はポストだけ。

「透き通る『神肌』白石聖――連ドラ主演女優に昇りつめた4年間の成長の記録」

「女優・アイドルグッズ秘宝大図鑑/名女優・アイドルが輝きを放つお宝写真集」

袋とじは「アンジャッシュ渡部建も誘った謎の美人占い師・滝川恵理『全裸ヌード占い』」。不可解なヌードである。なぜこれをやるのか、私にはわからない。

「七菜乃、誰にも見せたことのない女の顔」「なをん。/妻の名は塔子――私の知らない女」。あの塔子が帰ってきた、ちょっと大人になって。やはりいいな塔子は。

「黒木綾乃、豊満ビキニのお嬢様-国民的美少女コンテスト出身!学習院大卒」。学習院と聞くとときめくのはなぜだろう。「秦瑞穂、今が旬!三十路の女は艶が好い-ベテラングラドルの新境地」

 合併号520円に見合う総力特集といっていいだろう。だが高いな。

 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/10/05 22:05
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