安倍元首相「400万人雇用創生」のカラクリ 実はパートタイマーばかり…新型コロナで完全失業者数が7カ月連続増加
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新型コロナで完全失業率が3%超え
雇用期間の定めのあるなしが、一般労働者とパートタイム労働者では逆転しており、パートタイム労働者は「雇用期間の定めあり」の状態で働いている人がはるかに多い。「雇用期間の定めあり」の入職者数は、一般労働者の場合には前年比で約3万人減少している半面、パートタイム労働者では同約22万人も増加している。
パートタイム労働者の入職者数約409万人のうち、半数以上の約225万人が「雇用期間の定めあり」状態で働いており、パートタイム労働者で「雇用期間の定めあり」で働いている人が年々増加しているのだ。
安倍前首相は8月28日の辞意を表明の際に、自らの功績のひとつとして「400万人の雇用を生み出した」ことを上げている。しかし、生み出された雇用の多くは非正規雇用であり、その多くはパートタイム労働者だった。そして、格差の拡大が大きな社会問題となった。
今回の19年の調査は、新型コロナウイルスによる雇用への影響はほとんど受けていない。新型コロナの影響はすでに雇用に悪影響を与えており、今後、一段と雇用は厳しい状況を迎えるだろう。
10月2日に総務省が発表した8月の労働力調査では、完全失業者数は7カ月連続の増加となり、完全失業率は3.0%に上昇した。完全失業率が3.0%となるのは、17年5月以来の3年3カ月ぶりだ。就業者数と雇用者数は5カ月連続で減少し、就業率は60.3%に低下した。10人に4人が働いていない状態だ。同日に厚労省が発表した8月の有効求人倍率も1.04倍と8カ月連続で低下した。
厚労省が発表している「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響」では、9月25日現在、雇用調整の可能性がある事業所数は増加を続けており、9万9889事業所に上る。解雇等見込み労働者数も増加を続け、6万923人となっている。このうち2万9632人は非正規雇用労働者となっている。
安倍政権によって歪められた雇用実態は、新型コロナによって“大きなツケ”を払わされることになるだろう。
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