安倍元首相「400万人雇用創生」のカラクリ 実はパートタイマーばかり…新型コロナで完全失業者数が7カ月連続増加
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厚生労働省が9月30日に発表した2019 年の雇用動向調査で安倍晋三・前首相が進めた「働き方改革」により、雇用の歪みが鮮明になった。
同調査によると別表1のとおり、19年の入職者数は 約845万人、これに対して離職者数は約786万人となり、入職者が離職者を約58万人上回った。この結果、年初の常用労働者数に対する入職率は16.7%、離職率は15.6%となり、入職超過率は1.1 ポイントとなった。
18年の入職者数は 約767万人、離職者数は約742万人、入職率は15.4%、離職率は14.6%で入職超過率が0.8ポイントだったことから、入職者数、入職率、入職超過率とも改善している。
だが、一般労働者とパートタイム労働者の内訳を見れば、雇用の歪みは明らかだ。19年の一般労働者は入職者数約435万人、離職者数 約417万人で入職者が約18万人上回った。一方、パートタイム労働者は入職者数約409万人、離職者数約369万人で入職者が約40万人上回っている。パートタイム労働者の入職者数は一般労働者の2倍以上だ。
つまり、労働者数は増加しているが、一般労働者入職者が約18万人に対して、パートタイム労働者入職者が約40万人と、パートタイム労働者が大幅に増加しているのが実態だ。入職率を見ても、一般労働者が11.9%なのに対して、パートタイム労働者29.2%と2倍以上であることを見ても明らかだ。入職超過率も一般労働者の0.5ポイントに対して、パートタイム労働者は2.8ポイントと5倍以上高い。
そして、前年比で見た場合、一般労働者の入職者が約10万人の増加に対して、パートタイム労働者の入職者は約67万人の増加と6倍以上になっている。前年比の入職率は一般労働者0.3%に対して、パートタイム労働者3.1%と10倍以上高い。
より問題なのは、別表2のように雇用形態の差だろう。入職者数のうち、一般労働者では「雇用期間の定めなし」が約310万人、「雇用期間の定めあり」が約125万人なのに対して、パートタイム労働者では「雇用期間の定めなし」が約183万人、「雇用期間の定めあり」が約225万人だ。
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