コロナの影響で、冷食の売上高が20%増 ローソンがねらうビストロシリーズはどれが買いか
#コンビニ #ローソン #ビストロシリーズ
1年間に5000品超の新商品が並んでいる日本のコンビニエンスストア。本コラムでは、流通アナリスト・渡辺広明氏と主夫リーマン・テキパキオ氏がコンビニの新商品を独断と偏見でチェックし、そのポテンシャルを予測する。
渡辺広明(以下渡辺):ビーフストロガノフって作ったことある?
テキパキオ(以下パキオ):ないです。フツーの家庭にたっぷりのサワークリームなんて置いてないし、作るとしてもハヤシライスにしちゃいますね。
渡辺:ちょっと待って。ビーフストロガノフとハヤシライスって近い料理なの!?
パキオ:厳密に言うとビーフストロガノフはロシア料理でサワークリームを加えて煮込みます。一方、ハッシュドビーフをご飯にかけたハヤシライスはほぼ〝日本食〟なんですよ。でも、主婦が家庭で作る手順だけでいったらカレーやビーフシチューと変わりませんよ。
渡辺:そうなんだ。じゃあラザニアは作る?
パキオ:作りません! ラザニアっておいしいけど、ビーフストロガノフより手間がかかりますから、それこそ「お店で食べる料理」です。
渡辺:なるほど。ローソンの冷凍食品新商品の狙いがようやくわかってきた気がする。実は今週22日から「ビストロシリーズ」という冷食が発売されたんだけど、そのラインナップが「ビーフストロガノフ」「5層仕立てのラザニア」「ベーコンとほうれん草のキッシュ」「黒トリュフソースで食べるローストビーフ」(すべて税込み399円)の4つなんだ。
パキオ:へぇ~。ローストビーフ以外は女性が好きそうなメニューですね。キッシュなんて特にそうですよ。それにしても何でビストロシリーズなんて発売されたんでしょうか?
渡辺:Withコロナになって家庭で食事をする機会が増えたことが大きいと思う。ローソンだと4月以降は冷凍食品カテゴリーの売上高が前年比20%で伸長しているそう。なかでも焼売や焼き餃子などの総菜はおつまみニーズもあって前年比130%なんだとか。
パキオ:スーパーの冷食とコンビニの冷食って求められる要素が違いますよね。
渡辺:鋭い指摘だね。コンビニ各社も冷凍ケースの拡充を図っているとはいえ、種類の豊富さ、価格の安さではスーパーにかなわないからね。
パキオ:だから、あえてちょっとぜいたくな気分が味わえるビストロシリーズというわけですね。さっそくローストビーフから食べてみましょう。
渡辺:いや、まだ凍っているかもしれないからローストビーフは最後にしよう。冷蔵庫で4時間自然解凍するってなかなか手間だよね。
パキオ:はい。やろうと思えば電子レンジでも解凍できるんでしょうが、お肉の色が変わっちゃうんですよ。それじゃ、ビーフストロガノフからいただきます。牛もも肉が柔らかくておいしいですね。
渡辺:うん。全体的に味が濃厚で高級な感じがします。小分けトレーになってるのはちょこっとずつ食べたいニーズに応えているのかもしれないね。
パキオ:5層仕立てのラザニアも同じサイズのトレーですね。腹ペコ男性がメインで食べるには小さすぎるけど、おつまみならこれくらいがちょうどいいです。
渡辺:ラザニアもフツーにおいしい。
パキオ:おいしいことは認めますけど、ラザニアはスーパーだともっと安く買えるのでビーフストロガノフより僕の評価は下です。キッシュはしっかりバターが香っていて文句なし。レンジ加熱後にオーブントースターに入れるとよりおいしくなるでしょうね。
渡辺:やっぱり手間とおいしさはトレードオフなんですね。
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