人種差別横行していたハリウッドに変化 アジア人モノマネに大きな批判の声も…アジア系大御所コメディアンのもがき
#Netflix #スタンダップコメディ #Saku Yanagawa
5年前のセーフが通じなくなるショービズ界
ここで難しいのはこうしたジョークが「適切かどうか」という問題に対する明確なルールブックがないということ。だからこそコメディアン自身がリスクを背負いながらギリギリのラインを見極めていくしかないのである。5年前にはセーフだったこと、極端に言えば昨日まではセーフだったことが今日にはアウトに変わってそのひとことのジョークのために全ての仕事が「キャンセル」されても誰も文句は言えないのだ。
もちろんロブ自身もそうした状況は誰よりも理解している。それゆえ、自身を「アジア系」と括りながら同じ「アジア系」をジョークにするというスタンスを強調させネタを展開した狙いが見える。そこには以前の破天荒でむき出しのステレオタイプからロブ自身が必死にアップデートを図っている姿勢が確かにみて取れた。
今確かに変わりゆくアメリカのエンタメ。ひとりの大御所がその波に揉まれながらも必死にアップデートを試みるべく舞台に帰ってきた姿は今後ハリウッドが目指す指針を垣間見せてくれたかもしれない。
<ロブ・シュナイダー>
サンフランシスコ出身のコメディアン、俳優、脚本家。1990年に人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にレギュラー出演を果たすとハリウッド映画やTVのシットコムに立て続けに出演。『ホームアローン2』やアダム・サンドラーの作品では強烈な脇役としても印象を残す。『ホットチック』では主演のほか脚本も担当し高い評価を得た。
<『ママはアジアン、子はメキシカン』>
ロブ・シュナイダー初のNetflixスタンダップ・スペシャル。およそ30年ぶりに舞台に帰ってきた意欲作。50代を迎えた彼が語る人生観や、男女の恋愛観の違い、また自身の3度目となる結婚生活など人間の「真理」を笑いで紡ぐ45分。最後には娘のエル・キングもサプライズ出演しデュエットを披露。
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