オードリー若林が語る「セカンドの7番」論と“ダウンタウン病”から蘇生した芸人たち「全員負けてから始まる」
#ダウンタウン #東野幸治 #若林正恭 #テレビ日記
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(9月20~27日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
若林正恭「いるんですよ、セカンドの7番っていう役割が世の中には」
以前、笑福亭鶴瓶が日本には俳優や芸人が8万人ぐらいいて、そのうちテレビで活躍しているのは500人ぐらいだと語っていたことがある(『チマタの噺』テレビ東京系、2020年4月15日)。その数字がどれだけ正確なのかはわからないけれど、仮に計算するとテレビで私たちが目にするのは0.6%に過ぎない。分母のとり方によっては、もっと少ないかもしれない。
もちろん、テレビに出ることだけが成功ではない。一発屋芸人はしばしば“落伍者”のように扱われるけれど、営業や副業などで経済的に安定していることも少なくないと聞く。コウメ太夫は「チクショー!」と叫んで得たお金を不動産投資している。
YouTubeなどウェブメディアで稼働できる余地が広がった今では、テレビに出続けなければならない理由は以前より少なくなっているだろう。“お笑い第7世代”に括られるような若い芸人、たとえばEXITの兼近大樹とかフワちゃんなどは、いつか本当にスパッと日本のテレビから自主的に姿を消してしまいそうな雰囲気がある。
そんな中、22日の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で、オードリーが視聴者からの質問に答えるというコーナーがあった。質問のひとつは、「ずっと真面目に生きてきたが、ヤンキーが実は優しいなどのギャップによる好感度には敵わないのかなと感じる。今年はもっと自分の好きなように振る舞おうかと思っているが、どう思いますか?」というような内容だった。
この問いかけに対し、「なんで俺たちに聞きたいんだよ」と一旦ツッコみつつ、若林は「分かるなぁ」と受け止めた。そして、次のように語り始めた。
「いるんですよ、セカンドの7番っていう役割が世の中には。セカンドで守備めちゃくちゃ上手いんですよ。でも守備が上手いって褒める人いない。ただ、エラーしたらめちゃ叩かれるんすよ」
どんな組織にも、目立ちにくいところで割に合わない大切な仕事をしている人がいる。そんな内容を若林は野球にたとえる。なお、「セカンド」は二塁手、「7番」は7番打者のこと。どちらも職人的な渋い仕事をする人の比喩だ。
「俺はその役回りをね、コンプレックスだし、コンプレックスだったけど、もう腹括ってる。セカンド7番で死んでいくっていうのは。これがスターの素振りしちゃうとイタいことになる。小学校からセカンド7番なんだから、俺たちは」
自分は“スター”と呼ばれるような芸能人とは異なり、世間から理解されにくく褒められにくい役回りをテレビの中で担っている。そのことについて、若林はこの番組やラジオなどでたびたび語ってきた。今回のトークもそのひとつだが、「セカンドの7番」というたとえが絶妙だ。このたとえを含んだ一連の回答自体が「セカンドの7番」的かもしれない。
もちろん、ここはテレビのバラエティ。若林はただただ人生訓を垂れるだけではなく、最後にこう付け加えた。
「で、春日は打率の低い4番だから」
0.6%をくぐり抜けた「セカンドの7番」は、一連のトークに渋いオチをつけた。
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