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日刊サイゾー トップ > 海外  > 女性の権利を訴え続けたギンズバーグの死去

米最高裁判事ギンズバーグが死去 女性の権利を訴え続け…トランプ政権ますます保守派偏重に懸念も

逃したかもしれない引退のタイミング 生き続けることがトランプ大統領への抵抗

 たらればの話をしても始まらないが、もし2016年の米大統領選でヒラリー・クリントン氏が勝利していれば、RBGことギンズバーグ最高裁判事は転移性膵臓がんという自らの健康状態を鑑み、早めの引退を大統領に申し出て、後任選びの道を開いていたかもしれない。保守派ながら、先に初の女性として最高裁入りしたオコナー判事は共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領(子)政権時代の2006年1月に引退している。

 とはいえ、2014年の中間選挙で、共和党が上院の過半数を奪還して以降の状況は変わっていない。ギンズバーグ氏の後任にリベラル派の判事が指名されても上院で確実に承認される保証はなかった。結局、ギンズバーグ氏が心置きなく引退を決意できる環境は民主党大統領下で民主党が上院の過半数を握っている時のみだった。病魔と闘いながら、一日でも長く生き延び、トランプ大統領に新たな保守派の判事を指名させないことが、彼女が「詐欺師」とこき下ろしたトランプ氏に対して、できる精一杯の抵抗だったのかもしれない。

本田路晴(ジャーナリスト)

連邦海外腐敗行為防止法 (FCPA) に関する調査、ホワイトカラー犯罪の訴訟における証拠収集やアセットトレーシングなどの調査・分析を手掛ける米調査会社の日本代表を経て現在は独立系コンサルタント。新聞社特派員として1997年8月から2002年7月までカンボジア・プノンペンとインドネシア・ジャカルタに駐在。その後もラオス、シンガポール、ベトナムで暮らす。東南アジア滞在歴は足掛け10年。

ほんだみちはる

最終更新:2021/02/04 13:18
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