『アメトーーク』と『しゃべくり007』手腕に差が出る──ラランド・サーヤ、ヒコロヒー、3時のヒロイン…テレビは“女性芸人”をどう映すのか
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ヒコロヒーの辛辣な「オセロ松嶋評」
ユージ 今回の『アメトーーク』には出てなかったですが、注目が集まってる女性芸人といえばヒコロヒーもいます。めっちゃざっくり言ってしまうと、ヒコロヒーとサーヤがほぼ同時期に出てきたことで女性芸人界に新しい風が吹いてる感が一気に出たじゃないですか。『ゴッドタン』(テレビ東京)にも立て続けに呼ばれて。
タカ ヒコロヒーとAマッソ・加納のYouTubeラジオ「レイコーラジオ」聞いたけど、ヒコロヒーは全然物言いを濁してなくて良いんですよね。今のところ#6まであがってるけど、#3が特に良かった。「大物司会者の横に立つ芸人」っていう話の中で、『きらきらアフロ』(テレビ大阪系)のオセロ松嶋について「お世話になってる先輩やけど、あんな頭悪い人、腹立つもん。普通」って言っててめちゃくちゃ笑ってしまった。それは「(横にいるのが)鶴瓶師匠くらいのおじいさんやから『可愛いなぁ』って(なる)」って話だったんだけど。
ユージ あのくだり、おもしろかったですね(笑)。「女同士でもアホなやつにはアホって言おう!」っていう。
タカ 容姿いじりがしにくくなっている風潮という話で、ライブで誰かほかの女性芸人が「ブス!」って言われたらソデから走っていって「呼んだ?」って言うのはどう? っていうのも笑ったな。
ユージ 「レイコーラジオ」聞くと、ヒコロヒーが突っ走るからか、加納がなだめ役に回ってる感じがありましたね。バランス取ろうとするタイプなのは意外でした。それこそ「女芸人はデブとブスしか求められてない」ってはっきりテレビで言ったの、彼女は早かったじゃないですか(『ゴッドタン』2018年2月)。だからか、お笑いとジェンダーみたいなところにもっと切り込んでいくことを期待してる人もいたと思うんですよね。
タカ ヒコロヒーは自覚的にフェミニズムをネタに取り入れて、佐久間(宣行/テレビ東京『ゴッドタン』プロデューサー)さんに「面白い」って認められたけど、加納はそっちの道は選ばなかったんだと思うんですよね。むしろ「ギリギリのこと言うのがおもろい」みたいな、男社会のチキンレースに乗っかることもあるのかなと。ヒコロヒーとかサーヤは振り切ってるから、男の悪口もサラッと言うしネタにも昇華できてて、だから観ててしんどくないんだけど、加納はまだいい子であろうとする部分と抗おうとする部分がアンバランスに感じるんですよね。
ユージ 内心で考えてることとか真面目な話をすること自体、彼女のお笑い観みたいなものにあんまり合わないのかもしれないですね。
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