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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ナイツが語るYMOと“テクノ漫才”

ナイツ・塙が語る“テクノ漫才”と、その効用「途中でなんで笑ってるのかわかんなくなってくるっていう」

島田珠代「タ・マ・ヨ、パンティーテックス!」

 音楽と笑いの融合といえば、15日の『相席食堂』(朝日放送)の島田珠代に笑った。

 彼女がロケで訪れたのは、京都にある嵐山モンキーパークいわたやま。ニホンザルの餌付けが体験できる、山腹の野外施設だ。VTRのオープニングで「フー!」と小躍りしながら登場すると、彼女はいきなりこの日一番のインパクトを残したギャグを炸裂させる。

「タ・マ・ヨ、パンティーテックス! タ・マ・ヨ、パンティーテックス! パンティー、パンティー、パンティーテックス!」

 小気味良いリズムと切れの良いダンスでイントロもなく繰り出されるギャグに、否応なしに笑わされてしまう。もちろん意味はわからない。「タ・マ・ヨ」はもちろん珠代。しかし「パンティーテックス」、特に「テックス」とは何か。いや、考えてはいけない。そのリズムに身を委ねよう。テクノならぬテックス・ミュージック。なお、「タ・マ・ヨ、パンティーテックス」のリズムは、「イ・ノ・キ、ボンバイエ」と同じだ。

 その後も珠代のギャグは続く。猿の餌付けができるのは山の頂上。そこに至る山道を登りつつ、下ネタを基調としたギャグは止まらない。”相席”というコンセプトをよそに、VTRは珠代のワンマンライブの様相を呈する。ロケは珠代1人だけ。吉本新喜劇のようにツッコミ役の小籔千豊もいなければ、ぶつけられるセットの壁もない。彼女の下ネタ登山を止めるものは何もないのだ。

 披露されたギャグは盛りだくさんだったのだけれど、ここではあと1箇所だけ引用しよう。珠代は山腹で唐突に「ちょっとなんなん。もうアカンわアカンわアカン、キツい、おっぱいがキツい」と言い始める。それを導入にギャグが始まる。

「あーー、ボインボインボイン、ハイ! 珠代です、珠代です、ウッヒョ、ウッヒョ~! ハーイ! ボインボ~イン、ボ~インボ~イン、ボインボ~イン、ボ~インボイン、こーこはシークレッツ。ハイ! 珠代のおっぱい、チョモランマ~。ハイ! マウンテ~ン、チュチュルチュルチュチュ、マウンテ~ン、チュチュルチュルチュチュ、マウンテ~ン、マウンテ~ンは、山! 山! ハイ! 山あり谷あり、沼地あり~。ハイ! 沼地あり~。ハイ! 沼地にハマって出られない、よいしょ、沼地にハマって出られない、よいしょ、よいしょよいしょよいしょ」

 もう、珠代の下ネタミュージカル。対義語は阿佐ヶ谷姉妹のおばさまコーラス。転調を挟みながらつなげられていく持ちギャグとアドリブの連鎖が、聴く者をトランス状態に追い込んでいく。ステージは山林。一定のリズムで鳴り響くセミの鳴き声が珠代の旋律を支え、底抜けのユーモアにペーソスを添える。なるほど、「どんどん気持ちよくなってきて、途中でなんで笑ってるのかわかんなくなってくる」とはこういうことだったのか。

 なお、上に引用したギャグの途中、千鳥の2人はたまらず何度も「ちょっと待てぃ!!」ボタンを押している。その数5回。ボタンが押されるたびに少し映像が巻き戻されて再生されるものだから、同じギャグを何度も繰り返し見る羽目になる。その反復がグルーヴを起こし、笑いを増幅する。珠代のVTRをすべて見終えた大悟が自問自答する。

「ワシって何がおもろいんやろ? なんもおもろないわ、ワシ。あんなの1個もできんもん」

 実のところ、『よしもと新喜劇NEXT~小籔千豊には怒られたくない~』(毎日放送)や『かまいたちの机上の空論城』(関西テレビ)など、関西の深夜番組では最近になって彼女がしばしば出演し、そのたびに大きな笑いをかっさらっている。予告によると25日の『机上の空論城』では、珠代の「秋の新作ダンス」披露があるらしい。

 吉本新喜劇という舞台でロングラン公演を続けてきた島田珠代のミュージカルが、ここに来て大きな盛り上がりを見せている。

飲用てれび(テレビウォッチャー)

関西在住のテレビウォッチャー。

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いんようてれび

最終更新:2021/09/21 11:09
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