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メビウス21年には590円に? またも「たばこ税」増税… 販売本数は減っても税収は2兆円のカラクリ

メビウス21年には590円に?  またも「たばこ税」増税… 販売本数は減っても税収は2兆円のカラクリの画像1
写真/Matt Cardy 「GettyImages」より

 10月1日から「たばこ税」が増税される。受動喫煙などにより、健康被害の悪役として“狙い撃ち”されている感のあるたばこ。だが、今後、増税はたばこだけで済むのだろうか。

 2020年4月1日から改正健康増進法が施行され、屋内では原則全面禁煙となった。さらに新型コロナコロナウイルスの感染拡大対策として、さまざまな場所で喫煙所の閉鎖が相次いでいる。

 喫煙者(愛煙家)には厳しい時代を迎えているが、追い打ちをかけるように「たばこ税」が増税される。10月1日からの増税では、紙巻きたばこの多くの銘柄が一気に、50円の値上げとなる。その上、加熱式たばことリトルシガーも増税され、値上がりすることになる。

 実は「たばこ税」の値上げは、今回だけではない。21年も実施される予定だ。というよりも、紙巻たばこは18年、20年、21年と3年にわたって、加熱式たばこは18年、19年、20年、21年と4年にわたって、リトルシガーは20年、21年と2年にわたって値上げすることが決まっているのだ。

 例えば、紙巻たばこの場合には、1本当たり1円の増税が3年続けて行われることが決まっており、19年は消費税率の引き上げがあったから、実質的には4年連続の値上げとなる。リトルシガーも3年連続の値上げ、加熱式たばこは4年連続の値上げに加え、19年は値上げと消費税引き上げの“ダブルパンチ”を受けたことになる。

 たばこは前述の通り、健康被害キャンペーンにより大幅に販売本数が減少している。紙巻たばこでは、96年の3483億本をピークに、18年には1300億本と62.7%も減少。たばこ販売小売店は03年の30万7000店をピークに19年には24万3000店と20.8%減少。たばこ自動販売機は02年の62万9000台をピークに19年には13万1000台と79.2%も減少した。

 ところが、販売本数が6割以上も減少しているにもかかわらず、この間のたばこ税等の税収はほぼ2兆円で推移している。つまり、販売本数の減少(=喫煙者の減少)を増税することでカバーし、税収を維持している構図だ。減少し続ける愛煙家の中で、たばこを止められない喫煙者が、ひたすらに税金を払っていることになる。

 では、果たしてこの構図がいつまで続くのだろうか。そこで、紙巻たばこの値上げ(たばこ税の増税)による販売本数の減少を見ると、以下のようになる。なお、10月1日の値上げ実施が多いため、値上げ翌年の販売本数の減少も出した。

<たばこ値上げによる販売本数の減少>
1998年たばこ特別税創設で0.82円/本値上げ
 1998年3366億本→1999年3322億本=44億本(1.3%)の減少
 1999年3322億本→2000年3245億本=77億本(2.3%)の減少
2003年たばこ税引き上げで0.82円/本値上げ
 2003年2994億本→2004年2926億本=68億本(2.3%)の減少
2004年2926億本→2005年2852億本=74億本(2.5%)の減少
2010年たばこ税引き上げで3.5円/本値上げ
 2010年2102億本→2011年1975億本=127億本(6.0%)の減少
 2011年1975億本→2012年1951億本=24億本(1.2%)の減少

 1本当たり3.5円の値上げとなった10年は127億本の減少となっているが、平均は1本当たり1円程度の値上げであれば70億本程度の販売減少になっている。ところが、たばこ税の増税以上に販売の減少につながっているのが、消費増税だ。

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