ドコモ口座不正引き出し事件は安倍政権のキャッシュレス政策が引き起こした負の遺産
#ドコモ
電子決済サービスを不正利用して他人の口座から預金を引き出すという事件が発生し、社会問題となっている。この事件、第一義的には電子決済サービスを提供する企業のセキュリティ対策の甘さに原因があるのだが、その遠因には安倍晋三政権のキャッシュレス政策がある。
発端はNTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」で、他人の口座から預金が引き出されたことが発覚したことだった。
「ドコモ口座」はドコモの顧客ID「dアカウント」に登録すれば作れる。dアカウントは本人確認がないため、メールアドレスだけで登録が可能だ。もちろん、氏名もメールアドレスも虚偽のもので大丈夫。ドコモユーザーじゃなくても登録できる。
dアカウントが出来れば、ドコモ口座の開設が可能。ドコモ口座も本人確認がなく、メールアドレスだけで開設できる。問題は銀行口座とドコモ口座を連携すること。このためには、銀行口座の口座番号と口座名義人の氏名、4ケタの暗証番号が必要になる。
では、どのように他人の預金口座とドコモ口座を連携させたのか。「それは何等かの方法で氏名、生年月日といった基本的な個人情報があればできる」(ITジャーナリスト)という。
例えば、「銀行の暗証番号は何度か入力を間違えると使えなくなるが、口座番号の照会は何度失敗しても大丈夫。そこで、生年月日を暗証番号として口座番号を片っ端から照会する。すると口座番号がわかってしまう」(同)。こうした他人の口座へのアクセス方法にはいくつかのやり方があり、今回の事件でどの方法が行われたのかは判明していない。
問題となったのは、その他人の口座から資金を移すための「ドコモ口座」のセキュリティの甘さだ。メールアレスだけで口座が開設できたことで悪用されたと批判されている。NTTドコモの丸山誠治副社長も10日の記者会見で「口座作成にあたって本人確認が不十分だった」とセキュリティの甘さを認めている。
NTTドコモはドコモ口座と取引をしている地銀など35行について、新規登録を全面停止した。ところが、この電子決済サービスを使って他人の口座から預金引き出すという不正行為はドコモ口座に留まらず、スマホ決済サービスの「PayPay」などでも同様の不正行為が見つかった。
もはや、問題は電子決済サービス全体に“飛び火”し始め、NTTドコモだけの問題ではなくなった。そこで指摘しておきたいのは、電子決済サービス不正利用の背景には、安倍晋三政権による「急速なキャッシュレス化の推進」があるという点だ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事