『紅白歌合戦』無観客開催でどう変わる?「事前収録」による特別演出に期待も、ネックとなるのは制作費か
#NHK紅白歌合戦
毎年大晦日に、NHKホールで開催される『NHK紅白歌合戦』。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同会場から無観客で放送されることが発表された。さらに、出演者やスタッフの感染防止のため、密になることを極力避けた形での演出がなされるという。
「いま注目されているのは、出演者のパフォーマンスを生で行うのか、それとも事前収録にするかです。例年、演者だけでも40組以上いますし、マネージャーやヘアメイク、そしてNHKのスタッフを合わせたら、数百人レベルが出入りする現場になるので、観客を入れないだけでは、密を避けることは不可能。本当の意味での感染対策をするには、当日NHKホールにいる人数を最小限にしなければならないわけです。そうなると、一部の出場者に関してパフォーマンスを事前収録にするという可能性も十分あります」(テレビ局関係者)
事前収録にしたほうが、生でパフォーマンスするよりも、幅広い演出が可能となり、その点でもメリットは大きい。
「事前収録ならば、CGを駆使することもできるし、あるいはドラマ風にすることもできる。時間をかけて、映像を制作することもできるので、より凝ったものになるはず。これまでにはない紅白を目指すのであれば、事前収録に挑む価値は充分にあります。無観客でパフォーマンスをするくらいなら、こだわり尽くした“映像作品”を紅白で披露したいというアーティストも少なくないでしょうしね。それこそ、生出演を拒み続けているアーティストに出場してもらうチャンスにもなる」(同)
しかし、事前収録となった場合、ネックになるのが制作費だ。
「紅白の場合、衣装は出場者の自前というルールがあります。かつての小林幸子の大掛かりな衣装も小林本人の自前でした。“衣装”という形で出場者に予算の一部を負担させることで、より豪華なステージ演出が可能となっていたわけです。でも、これが事前収録となった場合、これまでの“衣装”のように出場者に負担させるのはちょっと難しくなんじゃないかという懸念がある。また、凝ったことをやろうと思えば、専門のスタッフも必要になるし、NHKとしてはこれまで以上に予算を割かなくてはならないので、事前収録にはあまり積極的ではないなんて話も聞こえてきます」(音楽業界関係者)
コロナ禍で変化が求められる紅白歌合戦。さまざまな懸念事項はありそうだが、積極的な変革に踏み込む好機であることも間違いないだろう。
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