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BTSビルボード首位の快挙も、迫る“入隊”のカウントダウン…K-POPの未来を左右する「兵役延期」改正法の論点

BTSビルボード首位の快挙も、迫る入隊のカウントダウン…K-POPの未来を左右する「兵役延期」改正法の論点の画像1
BTS

 男性K-POPアイドルや韓流スター(以下、韓国芸能人)と切っても切れぬ話題のひとつが、「兵役」だ。

 韓国の男性は、芸能人やスーパースターといえども、必ず兵役義務をまっとうしなければならない。現在、大学(満24歳まで)・大学院(碩士課程は満27歳、博士課程は満28歳まで)での就学状況、またスポーツ分野での功績などにより前後するが、いずれにせよ原則的に満28歳までに入隊することが厳しく義務付けられている。2018年5月に改正された韓国の兵役法によれば、病気や心臓疾患、家族の死亡など不可抗力的な特別な事情がある際にのみ、入隊を延期することができるとされている。

 実は数年前まで、韓国芸能人に対する兵役法の原則には特例があり、比較的“ゆるく”運用されていた。韓流に寄与する海外活動を前提に、文化体育観光部と兵務庁の許可があれば、満30歳まで2年間の延期猶予が与えられていたのだ。

 ただ昨今では、兵役義務の平等という観点から運用が厳格化。満28歳という入隊期限を厳守するよう締めつけが図られている。これに従い、満28までに入隊する韓国芸能人が徐々に増え始めている。

 変遷する韓国の兵役事情と相まって、世界的アイドルグループとなったBTSのメンバーの去就に注目が集まっている。アメリカのビルボードメインシングルチャートで1位を獲得する快挙が報じられ、旋風は続いているが、彼らの活動にも兵役の問題が付いて回っている。今年、メンバーで1992年生まれのJINが満28歳となる年を迎えることになり、兵役までのタイムリミットが迫っている。なお、EXOのベッキョン、Block Bのジコなども1992年生まれである。

 さて、そんななかで兵役法に関する新たな動きがあった。韓国与党「共に民主党」のチョン・ヨンギ議員が、韓国の文化や国威を世界に向け発信するアーティストやeスポーツ選手などを対象に、30歳まで兵役(=入隊)を延期できる法案を発議するというのだ。チョン議員のこの発議は、文化体育観光部の要請に沿ったものと本人は説明している。

 法改正の動きに対して、韓国国内からはBTSやEXOなどアイドルたちに対する“兵役免除の特別扱い”ではないかという疑問の声が挙がっているが……。現地記者R氏は言う。

「BTSやEXO、また彼らの所属事務所に国の法律を左右できるだけの力もコネクションもありません。また免除ではなく、あくまで延期です。最終的には兵役を免れることはできません。今回の発議に関しては、時代遅れとならず、スポーツや芸能以外にも20代の若者たちが活躍する産業群を保護・育成するため、延期措置の特例を幅広く適用できるようにしようというのが本来の目的。eスポーツ選手などがその好例しょう。

 根本的に、兵役という制度自体が時代遅れじゃないかという議論もあるかと思いますが……。文在寅政権下での若者世代と職業の課題、また国威発揚を総合的に考えた結果としての法改正への動きという捉え方が妥当でしょう」

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