“日本アカデミー賞監督”藤井道人「清原果耶さんはシャーマンのよう」「コロナ禍の映画界を変える」
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藤井監督が上の世代から信頼される理由
ーー桃井かおりさんはホームレスふうのおばあちゃん。桃井さんはかつて舞台の演出家を降板させたなどの女傑伝説で知られています。
藤井 僕もその噂を聞いたことあります。「大変な人だよ」とも言われました。桃井さんはLAで暮らしているので、撮影前日の衣装合わせまではずっとスカイプで打ち合わせをしていたんです。桃井さんと話していて分かったんですが、桃井さんが周囲から厳しい人と思われている部分は僕がこだわっている部分と近いなと。妥協したくない、自分が納得できないことはやらない、という人なんです。自分をよく見せたいとかじゃなくて、どうすれば作品がよくなるかをすごく考えている人だなと思いました。
ーー世代的に近いかどうかではなく、映画をつくる上で求めているものが同じかどうかが重要なんですね。
藤井 僕はエライ人に対して「はい、分かりました」と振舞うことができないんです。『新聞記者』の河村プロデューサーに対しても、そう。彼が間違った方向に暴走しようとしているときは「違う」とはっきり言うようにしています。年上の人にはっきりと意見を言うことで、信頼されているのかもしれません。クラゲと戯れるシーンでは桃井さんは自分で考えた「クラゲダンス」を踊ってくれました。本当、すごく楽しい撮影現場でしたね。
ーー『デイアントナイト』のヒロインだった清原果耶が、『宇宙でいちばん』では主役に。
藤井 『デイアントナイト』の時は15歳、『宇宙でいちばん』は17歳でした。ひとつひとつの台詞を大切に扱い、ちゃんと自分の感情に落とし込んでからお芝居をする女優です。しかも、それが一発で決まる。シャーマンみたいな存在です。演技ではなく、劇中のキャラクターそのものに見えてしまう。年齢は僕よりずいぶん下ですが、信頼できる女優です。
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