安倍突然辞任の裏から透けて見えてくる“政敵”石破茂に対する執念とも思える憎悪
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
さて、今週最大の話題である「安倍辞任」について。
8月4日発売のFLASHが、安倍首相が嘔吐していたと報じた。
その時は、大きな話題にはならなかったが、じわじわ「安倍体調不安説」が広がり、ついには辞任を発表することになるのである。
残念ながら文春も新潮も、「安倍晋三<13年前の悪夢再び>潰瘍性大腸炎が再発した」(文春)「『安倍退陣』の瀬戸際」(新潮)と報じているが、退陣か? というところまでで、締め切りになってしまった。
会見前日の様子から、会見の様子、これからの問題などを、私なりに見て、読んでいたことを交えて、お伝えしたいと思う。
8月27日。安倍首相の病状と退陣するかしないかの話題でもちきりである。
朝、『とくダネ!』(フジテレビ系)に安倍のポチといわれる政治評論家の田崎史郎が出ていた。
明日、28日に安倍が会見をするが、どう見ているかと問われて、興味深い発言をしていた。
これまで同様、安倍の病状は大したことはない、続投するはずだと答えると思っていたら違った。彼は、安倍の持病は相当悪いことを認めたうえで、治療を続けながらしばらくこのままでいくか、退陣表明、入院して臨時代理を置くかの3通りだと答えた。
いつも安倍の代理人ではないかと思う発言に終始することが多い彼でさえ、安倍の病状は深刻で、続投という選択はかなり難しいのではないかと見ているようだ。
朝日新聞の朝刊では、この問題をほとんど扱っていないが、かえって、総力を挙げて退陣か続投かを探っていることをうかがわせる。
各紙が慎重な中、スポニチが安倍が続投する意志を固めたと報じた。
「健康不安による辞任説がささやかれる中、安倍晋三首相が、続投の意思を固めたことが26日分かった。首相に近い関係者が『体調も良くなっており、続投を決めたと聞いています』と話した。首相は28日に、通常国会閉会翌日の6月18日以来となる記者会見を首相官邸で開き、自らの病状を説明した上で、9月の早い段階で内閣改造を行う考えを表明するとみられる」
私も、明日退陣発表の可能性は低い気がするが、病状を考え、気力の衰えも加味すると、大叔父・佐藤栄作の記録を超えた区切りで、辞めるといい出す可能性もなくはないと思う。
翌8月28日。
安倍首相が辞任した。私が知ったのは朝日新聞DIGITAL(8月28日 14時50分)の速報だった。
朝、新聞各紙を買って、安倍が首相の座に残るのか、辞任するのかについて、どう報じているのかを見てみた。だが、「ワクチン全国民分確保へ」(読売新聞1面)など、コロナ対策が発表されるとは書いてあっても、「首相、きょう会見 健康状態・コロナ対策を説明か」(朝日新聞)としか書いていない。
私が読んだ限りでは、昨日のスポニチだけが「首相続投」と書いただけだった。この不気味な沈黙が何を意味するのか、私には計りかねた。
朝の『とくダネ!』(フジテレビ系)に出た産経新聞政治記者が、入院という選択肢はないが、持病を抑えながら続投するか、退陣の可能性もあるのではないかと、口ごもりながらいっていたのを聞いて、安倍首相は退陣に傾いているのかと思った。
安倍首相に近い読売新聞と産経新聞は、続投ならば1面トップでやってくるはずだからだ。
安倍一強を倒したのは、野党でもメディアでも世論でもなく、第一次政権と同じ自らの内なる病だった。
私のオフィスには金子兜太の筆になる「アベ政治を許さない」のコピーが貼ってある。ここでも散々安倍の悪口を書き連ねてきた。
長いだけで、何のレガシーも残さず、疑惑ばかりをばら撒き続けてきた安倍政権の罪は、これから様々なメディアで検証されるだろうが、一抹の寂しさを感じないといえば、嘘になる。
決して、安倍を懐かしむわけではない。体調不良を押し隠して職務を遂行してきたことを賞賛する気もない。モリ・カケ問題や「桜を見る会」疑惑をなかったことにする気はさらさらない。
数々の疑惑を国会で追及されても、質問には答えず、逆に恫喝する憎々しいまでの増上慢ぶりが消え、弱弱しい病人になってしまったことが、私には、何かやりきれないものを感じるのだ。
最後まで居丈高でいてほしかった。
会見を見ていてまず思ったのは、「大叔父の佐藤栄作に似てきたな」ということだった。両頬のタレ具合がそっくりだ。
佐藤は辞任の記者会見の時、新聞や民放を追い出し、NHKのカメラだけを残して、それに向かってしゃべり続けた。
国民に語り掛けたのではない。自分の身勝手な主張を延々と話し続ける姿は、独裁者の成れの果てだと、テレビを見ていてそう思った。
安倍は、プロンプターも使わず、原稿に目を落とすこともなく、読売が報じたように、直前にまとめたコロナ対策について語り、その後、辞任の弁を語り始めた。
6月に再発の兆候があり、薬を投与されたが、8月に再発が確認された。
新しい薬を投与されたが、予断を許さない。体調が万全でないために政治判断を誤ることがあってはならないと思い、辞することを決めた。
悩みに悩んだが、冬を見据えて、新体制に移行するならこのタイミングしかない。佐藤のように高ぶることもなく、淡々と語った。
記者から、レガシーは何かと聞かれ、東北の復興、400万人の雇用の創出、地球儀を俯瞰する外交などと述べたが、開始から20分ぐらいで、声がややかすれてきた。口が乾くのだろう、唇を舐めるようなしぐさをする。
拉致問題や日ロ交渉に進展がなかったことを聞かれ、「痛恨の極み」といった。
総理の資質について問われると、首相という職務は一人ではできない、大事なのは「多くのスタッフや議員たちとのチームワーク」と答えたのが、安倍らしかった。
辞任は一人で考えて決めたという。憲法改正、地方創生、核兵器廃絶、IT化の遅れ、メディア対策などの質問が出たが、おざなりの答えしかしなかった。
少し怒気をはらんだいい方をしたのは、「政権を私物化したのでは」と聞かれた時だ。強い口調で「私物化をしたことはない」といい切った。
東京五輪については、私の後任がしっかり準備を進めていかなくてはいけないと、中止という考えはないようだ。
不思議だったのは、安倍の在任中に拗れに拗れた日韓関係と日中関係について、誰も質問しなかったことだ。
両国との関係は、これからの日本の命運を決めるかもしれない重要な問題である。安倍が、私のやり方は間違っていなかったというのか、至らないところもあったというのか、韓国、中国の要人たちもテレビを注視していたはずだ。
ここで何らかの謝罪のようなものがあれば、両国関係はいい方向に進むかもしれないのに、残念だった。
1時間、見続け、ノートにこうメモした。
「やはり何も成し遂げなかった人だった」
辞任を聞いた石破茂が「驚いた!」といったように、このタイミングで辞任する理由は、安倍の会見を聞いても腹に落ちてこない。
体調がよほど悪いというのは、テレビからも伝わってきたが、それなら通院ではなく、1,2週間入院して、それからでも遅くはない。
実はこういう裏があったんだと、メディアがこれから書きたてるのだろう。
突然の辞任は、次の総選挙で自民党が勝利するためではないかといわれているそうだ。かつて大平正芳首相(当時)が衆参同日選挙の最中に急死し、自民党が大勝したことがあった。
安倍が全身全霊をかけてコロナ対策を行い、志半ばで病に倒れ、辞任したことを旗印に、衆院選を戦えば勝てると読んでいるというのである。
あまりにもバカバカしい見方ではあるが、逆に見れば、そこまで安倍首相は追い込まれていたということかもしれない。
ようやく安倍政権という“悪夢”が終わったのだから、安倍の亜流政権だけは絶対つくらせてはいけない。
だが、安倍突然辞任の裏から透けて見えてくるのは、“政敵”石破茂に対する執念とも思える憎悪である。
安倍は二階に、総裁選を仕切ってくれるように頼んだ。“古狸”である二階は、安倍の意を汲み、9月半ばに、自民党の全国の党員・党友による投票はやらずに、国会議員票と都道府県連に割り当てられた票だけで行うようである。
自派の国会議員はわずかに19人しかいない石破が勝つには、圧倒的な支持がある党員・党友票が頼りだが、それをそっくり奪ってしまおうという“戦略”である。
石破はサンデー毎日(9/13日号)で、後継の決め方を問われ、こう語っている。
「国民、なかんずく党員が納得することが必要だ。自民党はずっと党員獲得運動を続けていて、党本部には『総力結集』『目指せ120万人』のポスターが大々的に張られている。私も幹事長経験者としてよくわかるが、党員獲得のセールストークは『あなたも総理が選べます』。(中略)総理は直接選べないが、自民党員なら総裁(=総理)を選べます、と言って党員を集めることが多かった。その権利が行使できないのなら何のための党員なのか、ということになる」
党員の声は世論である。それを無視して、永田町という“密室”だけで決めてしまっていいはずはない。それでは安倍政治からの決別にはならない。(文中敬称略)
【巻末付録】
まずは現代から。
「消えたあの雑誌/『スコラ』が撮った女たち――女優ヌード傑作選 水島裕子、児島美ゆき、岡江久美子」
「有栖花あか、神が宿るヘアヌード――驚異のJカップ巨乳が衝撃デビュー」
そして袋とじは「道端アンジェリカ――圧倒的人気を誇る34歳のカリスマモデル」。たしかになかなか魅せるボディである。
お次はポスト。
「日本一の美尻グラドル総選挙2020 秋山莉奈、倉持由香、蒼井まや、九条ねぎ、須永ちえり」
袋とじは「伊藤はる、ヘアヌードの旋律―-東京藝術大学の現役大学生が脱いだ!」。なかなかかわいい子だが、身長142cmとは……。撮影中に全裸でショパンを弾いたら、「美しくも淫らな音色だった」そうだが、淫らなショパンを実際に聞いてみたいね。
「なをん。(now・on)/<42>新妻のいろは・にほへと」「優香先生、教えてください」。
伊藤はる君もいいが、やはり道端アンジェリカの迫力には負けるな。よって今週は現代の勝ち!
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