新型コロナ、警察官が考える「特に感染リスクに注意を払うべき勤務環境」とは? 飲酒運転チェックも危険性
#警視庁 #新型コロナ
警視庁は8月21日、「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を公表した。これは警察職員が新型コロナ感染防止を行なうためのものだが、すでに現場の警察官からは「実施は難しい」との声が上がっている。
マスク、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンスなどなど、新型コロナの感染を防止するために、個人や企業は様々な取り組みを行っている。こうした中、警視庁も“遅ればせながら”感染防止対策に乗り出した。
8月18日現在、警視庁では51人の職員が新型コロナに感染していることが確認されている。しかし、警察職員は他の業種には見られない特殊な職業でもあり、新型コロナの感染リスクが極めて高いにもかかわらず、感染防止対策を取りづらいのが現実だ。
警察活動の中では、不特定多数の人と極めて近い距離で接することが多く、「密閉・密集・密接」のいわゆる“3密”を避けるのが難しい。そこで警視庁では、「法執行の最前線」「公私にわたる集団行動」「留置施設」という3つの類型を「特に感染リスクに注意を払うべき勤務環境」としている。
その上で、「飛沫感染のリスクを伴う警察活動」と「接触感染のリスクを伴う警察活動」を洗い出し、その感染対策を検討した。
「飛沫感染のリスクを伴う警察活動」は、対象者との身体的距離が近いこととし、例として以下のようなものを上げている。
・取調べ室
・各種の届出や相談の受理
・交通違反の指導取締りで違反者を警察車両の後部座席に乗車させて事情を聴取する場合
・事件の関係者をパトカー等に同乗させて警察署に任意同行する場合
・飲酒運転の取締りに際し、警察官が運転者の酒臭を直接確認する行為
・留置施設では、取調べの出し入れや面会の立会い、食事・入浴の提供、車両による護送等
このほかにも、警察官の職務執行が2人一組で行われることが多いことや、警備現場で行われる部隊行動、当番制度で交代する職員同士が業務や装備品を直接引き継ぐ行為などは、「職員同士の身体的距離が近いもの」としてあげられている。また、「職員の大きな発声」といった行為も含まれている。
「接触感染のリスクを伴う警察活動」としては、例として以下のようなものを上げている。
<対象者の身体に接触するもの>
・被疑者の逮捕
・身体捜検
・指掌紋やDNA型鑑定資料の採取
・留置、送致等
・泥酔者、傷病人、精神錯乱者等の保護、救助活動、仲裁
・職務質問
例えば警視庁では、年間約400万件の拾得物を受け付け、約240万件の返還、引渡し手続を行っているが、拾得物のひとつひとつをいちいち消毒するのは困難だ。
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