『美 少年』コンサートで披露されたジャニー喜多川の遺品! その鎮魂歌にジャニーズの夜明けを見た
#ジャニーズJr. #美 少年
~ジャニーズウォッチャー・岩﨑対象がジャニーズという巨大重箱の隅をつつく~
8月、ジャニーズJr.の人気ユニットがこぞってライブを行うイベント『Summer Paradise 2020』が開催された。今年は無観客で8月上旬から連日、生配信が続いたが、その大トリを飾ったのが『美 少年』のコンサートだ。
文字通りメンバー全員が美少年ばかりと評判で、ファンが急増中の美 少年だが、そのコンサートは随所に「ジャニーイズム」がほとばしっていた。中でも驚かされたのは、メンバーのソロコーナーにジャニーさんの遺品が登場したことだ。
ジャニーさんの遺品をステージに登場させたのは美 少年の岩﨑大昇。ジャニーズJr.の人気の指標ともいわれる雑誌「Myojo」(集英社)での「恋人にしたいランキング」ではまったく上位に上らない岩﨑だが、ジャニーさんの「オキニ」であったことは、ファンには知られた話。
岩﨑には高い歌唱力があり、演歌歌手のような「こぶし」の利かせ方にも定評がある。ジャニーさんは年をとってから、「最近は少年たちがみんな同じに見える」とぼやくこともあったというが、老眼が進んで少年たちの顔が見えなくなる中、聞きなれた演歌を歌える子として、かわいがられていたのかもしれない。
そんな岩﨑がコーンサートのソロ曲で選んだのが少年隊の「fin.」。CD化されていない幻の曲だ。ちなみにこの曲、正式発表はされていないが、ファンの間ではニッキ(錦織一清)が歌詞を書いたのではないかと噂されている。
ジャニーさんが演出を担当していた、少年隊のミュージカル『PLAY ZONE』が長い歴史に幕を閉じた最後の年に歌われた曲であり、歌詞も「幕が下りる」「僕は何ができただろう、消えゆく光の中」など、今歌えばジャニーさんを弔う雰囲気すら漂うバラードだ。
ステージではこの曲の前半、椅子に座って岩﨑が歌っていた。よく見ると椅子には茶色のブランケットがかかっており、これにより稽古場でジャニーさんが座っていた椅子だと判明。曲の途中で立ち上がった岩﨑が花道を歩くと、その先にはテーブルが。今年の冬に上演されていた、帝国劇場での舞台『JOHNNYS’ IsLAND』の台本がおいてある。曲の終盤、その台本は何かに導かれるように天井へ飛んでいき……。
その光景はまるで、舞台を作ることに命をかけてきたジャニーさんが、台本に姿を変えて天国へ消えていくようだった。この粋な演出に、ファンからは「大昇こそヒロム担当だ」「泣ける」「あたたかい演出ありがとう」という声があがった。(編注:ヒロム=ジャニー喜多川の本名。担当=ファンの意味)
ジャニーさん最後のお気に入りとも言われている『美 少年』。Jr.のプロデュースに精を出す滝沢秀明も大切に育成しようと奮闘している。彼らのオリジナル曲を、亀梨和也や山下智久に作詞作曲させ、古参のジャニヲタに顔を売ろうと工夫してきた。特に山下が作ってきた曲は、振り付けも非常に「今どき」。ジャニーズが元来得意としてきたジャズベースのものではなく、完全にHIPHOPに振り切っている。
ジャニーさんの魂を大事にしながら、新たな表現へのアプローチも怠らない。伝統と革新のハイブリッドを体現する『美 少年』の配信ライブに、ジャニーズの夜明けを見たのだった。
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