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Tuesday Morning Reviews #15

セブンイレブン先行発売「メロンパン ハッピーターン味」は粉不使用で中毒性なし!

セブンイレブン先行発売「メロンパン ハッピーターン味」は粉不使用で中毒性なし!の画像1
フジパンの新挑戦「メロンパン ハッピーターン味」

  1年間に5000品超の新商品が並んでいる日本のコンビニエンスストア。本コラムでは、流通アナリスト・渡辺広明氏と主夫リーマン・テキパキオ氏が火曜朝に発売されるコンビニ新商品を独断と偏見でチェックし、そのポテンシャルを予測する。

テキパキオ(以下パキオ):パンの売れ行きが鈍る夏ですが、面白い商品が出ましたよ。

渡辺広明(以下渡辺):そうなんだ。こう暑い日が続くと「パンが食べたい」って気持ちはわいてこないけど。

パキオ:みんな大好き「ハッピーターン」(亀田製菓)とコラボした「メロンパン ハッピーターン味」(税込み124円、フジパン)がセブン-イレブンで先行発売されています。

渡辺:おお、コンビニのパン売り場で、プライベートブランド(PB)じゃなくてナショナルブランド(NB)が採用されるのはいまどき珍しい! しかも見た目も本物のハッピーターンみたいなパッケージだね。

パキオ:この鮮やかなオレンジ色だけで、ハッピーターンだと認識できますから、すごい訴求力だと思いませんか?

渡辺:確かに。おにぎりやお菓子、カップ麺などでは有名ブランドとのコラボ商品が当たり前になっているけど、パンの棚にもこうした商品が並ぶとは非常に興味深いです。

パキオ:フジパンのホームページにも気合が入った説明が書いてありましたよ。開発期間はなんと2年。五輪イヤーだったはずの今年、「日本をパンで応援したい!」という思いから国民的おせんべいのハッピーターンとのコラボが決まったそうです。またハッピーターンの購入者の60%が女性で、中でも40代女性が多いという点で、メロンパンの購入者層と同傾向であることも追い風になったとか。

渡辺:う~ん、ちょっと厳しいことを言うと、このメロンパンはリピーターを狙っている商品ではなくて、そもそも物珍しさで1回買う人を対象にしていると思います。だからこそ、ハッピーターンはみんながどこかで食べたことがあるので、「食べてみようか」とチャレンジする確率が高くなるわけです。

パキオ:なるほど。それにこの見た目だったらつい手を伸ばしちゃいます。

セブンイレブン先行発売「メロンパン ハッピーターン味」は粉不使用で中毒性なし!の画像2
図解。

渡辺:だとしたら、せめてハッピーパウダーは使用してほしかったよね。

パキオ:はい。僕も食べながらパッケージを読んでいたら、「ハッピーパウダーは使用していません」という注意書きを見つけて、パンが喉に詰まりそうなほど驚きましたもん!

な、なんだって~!?

渡辺:大真面目に言うことじゃないかもしれないけど、ハッピーパウダー不使用ならもはやハッピーターンとはいえないんじゃないかと。我が家の子供たちは「ハッピーパウダー使っていないなんてありえない。パウダー使ってないのに、よくロゴ使わせてもらってるね」と僕以上に辛辣なこと言ってましたよ。

パキオ:そうなんですよ。ハッピーターン愛好家にとってはハッピーパウダーこそ命。それをわかっていたからこそ、亀田製菓だって「パウダー250%ハッピーターン」とかジャンキー向けの商品を出していたのに、なぜこのコラボでパウダー不使用だったのかはめっちゃ謎なんです。実際に食べてみると、メロンパンにサンドされているクリームだけ「なんかハッピーターンっぽいかも」くらいの印象なんですよね。メロンパンとしてはごく普通においしいんですけど。

渡辺:やっぱりパウダーが足りていないんだよ。僕が半分食べて「もういいや……」となったのも、パウダーが入っていないからだと思うし。ただ批判するばかりじゃなく、こういうパンを作ってみようと思った開発者の発想はすばらしいと思う。突飛な発想なくしてヒット商品は生まれないからね。

パキオ:そこは同感です。渡辺さんが最初におっしゃっていたように、コンビニのパン売り場に、フジパンとしてのNB品を陳列させたのは、すごいことですよね。なお9月1日からはセブン以外でも発売が予定されています。

渡辺:ほかの注目商品にもサラッと触れておこうか。ローソンの「モーニングオルジュ チーズクリーム2個入」(税込み150円)はなかなか見つからなかったけど、ナチュラルローソンらしい健康とおいしさを兼ね備えたパンだね。朝食需要が高まっている今だからこそ、こうしたこだわりを持った〝朝専用〟は面白いと思いました。

パキオ:はい。食パンが強いとはいえ、ナチュローのブランパンは大ヒットでしたしね。僕が見つけたのは秋らしいお芋を使ったスイーツ。ファミマの「香ばしいクッキーのクリームサンド(安納芋)」(税込み138円)です。サクサクのクッキーと、芋のクリームがマッチしていてちょっとしたおやつにとてもいい。ローソンの「サクバタ」もそうですが、要冷蔵のクリームサンドは結構流行しているみたいですね。

渡辺:うん。これからは冷蔵ケースもきちんとチェックしていかないとダメだね。

【今日のまとめ】

・フジパンの「メロンパン ハッピーターン味」は面白いが、中毒性が足りない
・ハッピーパウダーなくして〝口福〟なし
・朝食需要の高まりで〝朝専用〟のパンが登場するかも!?

 

渡辺広明(流通ジャーナリスト)

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浜松市出身。2児の父。マーケティングアナリスト、日本唯一の流通アナリスト、コンビニ評論家、流通ジャーナリスト、約730品の商品開発に携わるマーケター、元コンビニバイヤー、元コンビニ店長、現コンビニアルバイター、「浜松市やらまいか大使」(観光大使)など、さまざまな顔を持つ。フジテレビ『Live Newsα』レギュラーコメンテーター『ホンマでっか⁉TV』レギュラー評論家として活躍する他、スポーツ紙「東京スポーツ」に連載を持ち、ニュース・ワイドショー・新聞・週刊誌・ラジオなどのコメント・講演会・アドバイザリー・顧問業などでも幅広く活動中。趣味は「ドラゴンズ熱烈応援」「時折フルマラソン」「発展途上国の教育支援(ガーナ・ラオス)」。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(KKベストセラーズ)

わたなべひろあき

テキパキオ(ライター)

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都内に住む30代サラリーマン。小学生のとき、母親の手伝いで料理に目覚め、兄の夜食を作るようになる。大学時代にはカジュアルイタリアンの厨房でアルバイト。就職後は自炊することがなかったが、3年前にアーティストとして働く妻と結婚して家事全般を担当。猛スピードで掃除洗濯をこなす様子から妻に「テキパキオ」と名付けられる。PB食品の食べ比べがスーパーの売り場徘徊が趣味。蛇口とシンクを磨くのが好きで、行きつけの飲み屋の閉店作業に加わりがち。

Twitter:@@tekipakio

てきぱきお

最終更新:2020/08/23 13:10
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