大河ドラマ『麒麟がくる』登場人物の所作が“韓流ドラマ”みたい? “座り方”の歴史的背景を紐解く
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『西郷どん』でも間違えていた「座り姿勢」問題
ときどき、朝廷での最高の礼装である束帯(そくたい)をまとった高貴なキャラが、帝の前で正座してしまっているシーンを「大河ドラマ」で見ることがありますが、これも過剰演出です。
あそこは絶対に楽座でなければならないのですが、演出・考証のミスというより、楽座という座り方の知識がない一般視聴者には、まるであぐらをかいているように見えてしまうのであえて楽座ではない座り方にしている……という配慮かもしれません。
余談ですが、『西郷どん』(2018)で、帝に拝謁する束帯姿の徳川慶喜(松田翔太さん)が正座していたときの違和感は、(筆者にとっては)いまだに覚えているくらいの衝撃ではありました。
さて、『麒麟がくる』の毒殺シーンにお話を戻すと……帰蝶の悪い予感は的中、マムシの道三の毒牙にかかった夫はグェェと苦しみ、絶命してしまいましたね。
帰蝶はこのとき、10代半ばの少女です。明智への淡い思いはあったようですが、本当の恋も知らないうちに政略結婚させられ、その夫を実父に毒殺され、未亡人に……って、さすがは乱世。けっこうなハードライフです。
帰蝶=後の濃姫は有名なわりに、明智光秀以上にデータが残されていません。信長に嫁いだ後、最期はどうなったかもよくわかっていないくらいなのですね。
なので、それ以前のことはもっと霧の中といえるでしょう。例の毒殺シーンを思い出してください。
斎藤道三が“鼻歌”まじりにお茶のお点前をして、「どうぞ」と差し出した茶の中には想像通り、毒が混入していて……というシーンですが、そもそも帰蝶が土岐家の当主・土岐頼純に嫁いでいたのかどうかも不明なんです。もっと言えば「父に夫を毒殺され……」という背景も、あったかどうかは不明です。
それはともかく、「大河」の劇中では辛酸をなめまくって未亡人となった帰蝶が、今度は織田信長(染谷将太さん)に嫁ぐことを決心するところで総集編第1回は終了でした。しかも思いを寄せていた明智の口から「”嫁げ”と言ってほしい」と。
川口春奈さんが、運命に翻弄される帰蝶を好演なさっていますね。幼馴染(という設定)の明智に心惹かれているのがわかる繊細な演技が、見ていて切ないです。史実ではよくわからないことが多いキャラだからこそ、せめて今年の「大河」では幸せに長生きしてもらいたいと思ってしまいました。
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