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『家、ついて行ってイイですか?』“覆水盆に返らず”を体現する2人の女性 金髪美少女「るるか」さんと、過ちを犯した占い師「ぴんく」さん

『家、ついて行ってイイですか?』覆水盆に返らずを体現する2人の女性 金髪美少女「るるか」さんと、過ちを犯した占い師「ぴんく」さんの画像1
『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)公式サイトより

 8月5日放送『家、ついていってイイですか?』(テレビ東京系)を見て痛感したのは、「覆水盆に返らず」は真理だということだった。復縁を望んでいるのに叶わない家族とカップル、2組の現実が浮き彫りとなった。

復縁を乞う元カレと富士急ハイランドに遊びに行く「るるか」さん

 6月のある日、富士急ハイランドで遊んでいたのは女性1人&男性2人の3人組だ。このグループの関係性が凄かった。女性の年齢は18歳で、名前は「るるか」さん。2人いる男性の内の1人は、自動車教習所でるるかさんと仲良くなった22歳の若者で、もう1人は4日前にるるかさんと破局したばかりの31歳の元カレである。女性&元カレ&教習所仲間という、超異色のパーティだった。

 特に、この内の2人のルックスが目を引く。ピンクのTシャツにオーバーオールを着たるるかさんの髪の毛はゴールドである。

「高校は卒業してないんです。高2の半ばで辞めちゃいました。髪の毛を染めたから『坊主にしろ』って言われたんですけど、やらなかった」(ルルさん)

 一方、元カレの仕事は土木建築業だそう。手の甲にはよくわからないタトゥーが入っており、会話中に見える口内は前歯がない。

この2人が別れた理由は何なのか? まず挙げられるのは、るるかさんの多忙な日常だ。昼は配管工として働き、夜はキャバクラに勤務中だそう。一方の元カレは、るるかさんに一途だ。2万円で指輪を購入し、プレゼントしようと計画していた。しかし、るるかさんは「出かける」と言って聞かなかった。キャバクラのお客さんとの約束があったのだ。

「『仕事とプライベート、どっちが大事?』って聞いたんですよ。そしたら『お金が欲しいから仕事が大事かな』って言われて、そこで『それは遠回しに別れたいの?』って言っちゃったんです」(元カレ)

 この会話が引き金となり、2人は別れた。年齢差のあるカップルで、年上彼氏のほうが「俺と仕事のどっちが大事?」と年下彼女を問い詰める構図。正直、頼りない。るるかさんは指輪を受け取らず、自ら別れを切り出した。しかし、元カレのほうは今も復縁する気まんまんだ。

「女から(別れを)切り出したら、あんまり戻ることはないんじゃないかな」(るるかさん)

 やはり、見た目で人を判断してはいけなかった。るるかさんはしっかりした考えを持っている。しかも、若いのに。過去の恋愛に引きずられず、すでに未来を見据えているのだ。さらに、顔立ちも綺麗。新しい彼氏は、きっとすぐ見つかるだろう。2万円の指輪でプロポーズを試みる、13歳年上の男にこだわる必要はないかもしれない。

ただ、別れたばかりの元カレと一緒に遊園地へ遊びに行くモチベーションだけは解せなかった。どうして、そんなことをするのか?

「一緒に富士急に行ったのは、仲直り。話がしたい。『友達に戻るならいいよ』って感じ」(るるかさん)

 恋人という関係性は、すでに解消した。しかし、性愛を満たす目的は共有したままなのか。そんなふうに、筆者は勘繰ってしまっていた。人を見た目で判断するのは良くない。そうじゃなかったようだ。覆水盆に返らずである。

酒浸りの占い師・ぴんくさんの人生の選択

 終電後の下北沢駅で、番組スタッフは千鳥足の女性に声をかけた。今年50歳になる彼女の名前は「ぴんく」。職業は占い師だ。1つ疑問がある。占い師はどのような流れでスピリチュアルな能力を身につけるのだろう?

「(きっかけは)10年前です。細野晴臣さんと教授(坂本龍一)の舞台を見に行ってたら、(ステージの)後ろにモヤモヤモヤって煙が立って。煙が徐々に人の形になって、それが忌野清志郎さんだったんです。清志郎に『君、見えるんだね』って言われて、私にそんな力があったんなら『じゃあ、占い師になろう』って」(ぴんくさん)

 テレビ東京なのに、番組内容が『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)みたいになっている。にわかには信じられない話だ。しかし、そうして占い師になったとぴんくさんは言い張るのだ。

 かつて、ぴんくさんは売れっ子だった。テレビに出演することもしばしば。きゃりーぱみゅぱみゅを占ったこともあるという。当時の顔写真を見せてもらうと、若い頃の彼女はかなりの美人である。全盛期の浜崎あゆみのようなのだ。しかし、時が過ぎ、今は当時から14キログラムも太ってしまった。まるで、別人だ。理由は、お酒。この日もスタッフに声を掛けられる前に、テキーラを8杯も飲み干したという。

 酒に溺れる日々には理由がある。現在は独り身のぴんくさんだが、以前はご主人と2人の息子さんがいた。幸せな家庭生活を送っていたのだ。当時のぴんくさんはモテた。ある日、偶然入ったバーでマスターから熱烈なアプローチを仕掛けられ、彼女は不倫沼にハマってしまった。

「(浮気相手を)好きになりすぎちゃって、離婚したらもうちょっと仲良くなれるのかなと思って。子どものことを考えられないくらい、盲目だったんですよね……」(ぴんくさん)

 そして、ぴんくさんは家庭を放り出した。

「タイムマシンがあるんだったら帰りたい。元旦那さんにしたら、奥さんが不倫して逃げちゃったって話じゃないですか。後悔、めっちゃしてますよ。『君がしたことは一生許せないことだから、心の傷は深いんだよ』って言われた。元旦那さんのことは……実は、まだ好きなんです。許してもらえないですよね、勝手に(家を)出ておいて。再婚はできないですよね」(ぴんくさん)

 たった1度の過ちを悔やみ、涙するぴんくさん。「占い師は自分を占えない」とよく言うが、本当である。

「後悔ですよ。後悔してるから、こうやって飲んじゃう」(ぴんくさん)

 ぴんくさんのご長男は、現在24歳。近々、彼女と籍を入れて結婚するという。ぴんくさんは息子さんから結婚式に招待された。招待状を見ると、直筆メッセージが書き込まれていた。

「母さん。いろいろあったけど、ステキな人に出会っていてとってもハッピーな人生です。俺らの子は1番に抱っこしてほしいな。大きくなったら一緒に遊んであげてね。これからもよろしくな」

 過去の写真と比較すると、容姿がまるで別人のぴんくさん。老いたし、太った。正直、いい歳のとり方はしていないと思う。今のままのペースで飲み続ければ、数年後はもっと悪く変わってしまうはずだ。でも、ぴんくさんは「孫に会いに行きたい」という新たな夢を抱いたばかり。だから、お酒の量を少しでも減らしてほしい。

「覆水盆に返らず」は、真理である。1度の失敗が命取りになることだってある。でも、誰だって間違いは犯すだろう。だからこそ、幸せの優先順位を見誤らず、これからの人生を生きていってほしいものだ。占い、不倫、離婚、酒、孫、清志郎……今までのぴんくさんの人生は、情報が渋滞しすぎだったのだ。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2020/08/13 13:13
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