大阪・吉村府知事の”イソジン発言”放送した『ミヤネ屋』の罪──「薬機法違反」を指摘する声も
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大阪府の吉村洋文府知事と大阪市の松井一郎市長は、4日に大阪府庁で行われた記者会見において、「ポビドンヨード」を含むうがい薬に新型コロナウイルスに対する”効果”が確認されたと発表した。
この会見を在阪局・読売テレビが制作する『情報ライブ ミヤネ屋』は『速報 大阪共同会見“コロナ治療”「効果期待の薬」注目発表』とキャプションをつけた上で生放送。2時間後には薬局の店頭からイソジンなどのポビドンヨードを含むうがい薬が売り切れ状態になり、メルカリなどのフリマアプリ等で転売が始まっている。
吉村府知事は会見で「ウソみたいな本当の話」と切り出し、「薬事法上、効能を言うわけにはいきませんが、コロナに効くのではないかという研究が出たので紹介」と前置きした上で、イソジンなどの”第三類医薬品”の話をしたわけだが、この段階でも”薬機法”(吉村府知事が語るところの薬事法は2014年に薬機法に名称が改定されている)の第66条に違反するのではないかとSNS上で医師や薬剤師が声を挙げている。
「薬機法の第66条は簡単に言ってしまえば、『医者・薬剤師含めてどんな人でも医薬品・医薬部外品などの効能、効果で嘘や誇大化したことを言ったり広告したりしてはいけない』という法律です。今回の場合、記者会見という場で『コロナに効く』としてイソジンなどうがい薬の商品を商品名がわかる形で陳列した上で、パッケージに書かれた効能以上のことを言っているわけですから、薬機法に違反していると判断されてもおかしくないでしょう」(医療系ライター)
この薬機法第66条に違反した場合、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」を課されることもある。
「つい最近も福岡県の健康食品メーカー並びに広告を作成して展開した代理店にも逮捕者が出たばかりです。今回の場合も吉村府知事のみならず”あたかも効能があるように放送したメディア”にも適用される可能性はありますね。つまり、『ミヤネ屋』に累が及んでもおかしくはないでしょう」(医療系広告代理店スタッフ)
大阪府の知事の会見とあらば、もちろんどんな内容であれ報道の義務は生じるだろう。しかし、その報道の仕方については議論の余地がありそうだ。
吉村府知事は会見で「買い占めはしないでください」とも言っていたが、前述の通り薬局やドラッグストアからうがい薬が消失し転売サイトへ。第三類医薬品に当てはまるうがい薬は転売がまたしても薬機法で禁止されているにもかかわらず、出品者も購入者も後を絶たない。
また、“ヨード液を使ったうがい”と“水うがい”と“うがいをしないグループ”を比較したところ、ヨード液を使ったうがいのグループでは”風邪にかかる確率”はうがいをしないグループとそう違わなかったという研究結果や、ヨード液を長期期間使用することで甲状腺機能への障害が起こるリスクやアレルギーも医療従事者から指摘されている。
こうした混乱を受け吉村府知事は5日、自身のツイッターを更新。「誤解なきよう申し上げると、うがい薬でコロナ予防効果が認められるものではありません。重症化を防ぐ効果の検証はこれからです」とツイートしたが、会見で「コロナに効く可能性がある」という言い方をしたことに間違いはない。まだ検証の余地があるならば、記者会見で発表するのは時期尚早だったのではないかという声も相次いでいる。
吉村府知事の会見に同席した大阪はびきの医療センター・次世代創薬創生センター長の松山晃文医師は「患者を治すわけではなく、人にうつしにくくなる。(ウイルスが)肺に落ちなくなるので、重症化も防げる」と言っていたが、果たしてその真偽は……。
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