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『フリースタイルティーチャー』レイザーラモンRGの“あるある”ディス、カミナリたくみがスパーリングで覚醒! 頭角表すラッパー芸人たち

『フリースタイルティーチャー』レイザーラモンRGのあるあるディス、カミナリたくみがスパーリングで覚醒! 頭角表すラッパー芸人たちの画像1
『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)

 7月28日に『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)が放送された。総当たり戦のMCバトルまで、あと残り2週間である。そろそろ、ティーチャーによる四者四様の指導もディープな内容へ差し掛かってきた。

RGの池袋“あるある”ディス「福しんっていう中華料理屋ありがち」

 ゆりやんレトリィバァを担当するTKda黒ぶちは、MCバトルにおける準備の大切さについて説いた。

「僕はあえて即興に重きを置いていたんですけど、結構反省する部分がある。やっぱり、戦略。相手とどう戦うか? っていうのをある程度固めないとなって思いました」(TK)

『ティーチャー』では、ネタの仕込みまで教えるのか……。ネタラッパーは対戦相手にとってツッコミどころになり得るが、“瞬間最高トップオブザヘッド”TKはあえてこの戦法を推奨した。さらに注目は、MCバトルのノウハウを記したTK作のマル秘ノートである。今回はノートの一部が紹介されたが、その内容がかなり興味深いのだ。

「100%準備しても45%くらい当日に出れば良い方 200%準備して120%出すくらいの気持ちで!!」

「先攻の戦い方 1ターン目 話題をこっちから作る、振る、こっちの土俵に乗せる意識 相手のツッコミを意識したボケをする(そのツッコミを予想してボケを配置する) アンサーが無い分、思い切って好きなRAPする いきなり突拍子も無いことを言う」

 実用的な虎の巻である。正直、全部読みたい。どうか、公開してくれないものだろうか……。このコンビは、ゆりやんのラップセンスも素晴らしいが、TKの教え方がうまいと思う。

 レイザーラモンRGを教える輪入道はゲストに焚巻を呼び寄せ、RGに実戦経験を積ませた。舞台は池袋で営業中のショップ。焚巻といきなりのMCバトルである。

「焚巻さん ずっと見てた フリースタイルダンジョンで
 俺は焚巻さんとここでバトル出来る事に とても光栄だ」

「ラッパーとして俺は池袋のあるある
 絶対今から4小節の中で言う
 池袋のあるある この周辺
 福しんっていう中華料理屋ありがち
 福しんっていう中華料理屋他では見ない
 池袋だけのOnly One」

 性格が優しいRGは相手をディスることが苦手のようだ。だから、真正面からではなく、あるあるを下敷きにディスるしかない。確かに、福しんは「池袋ローカルか?」と思うほど池袋周辺に密集している。あるあるを言いつつ、同時にローカル色をディスったRG。こういう攻め方は彼ならではだ。

 気になるところもある。バトル中、RGは焚巻を「焚巻さん」と呼んでいた。もしかして、総当たり戦でも“さん付け”で戦うつもりだろうか? 正直、違和感を覚えてしまう。あと、リズム感がないのも引っかかる。耳馴染みが悪く、ラップが上達していないように聴こえてしまうのだ。バイブスを高めたRGのラップそのものはぶっ飛んでいるので、余計にもったいない。

 紺野ぶるまを担当するDOTAMAの今回の講義は、他のラッパーの分析だった。ホワイトボードを使うDOTAMAの姿は、まるで東進ハイスクールである。

「(カミナリの)たくみさんは、声量が大きい。KEN THE 390さんはアンサー力。ド頭でアンサーを返し、それで自分のラップのペースに持っていく。たくみさんの個性とKENさんの武器を合わせると、1発目にデカイ声で返してきて日和らせてから自分のペースへ巻き込んでいく可能性がある」

「ゆりやんさんは(日本テレビ『女芸人No.1決定戦THE W』の)チャンピオンじゃないですか。これを使ってくる可能性があります。“私は女芸人で日本一獲ってる。あなたはどうなの?”って」

「(RGは)まあ、あるあるネタをやってきますよね。RGさんは凄い優しい人だから、攻撃してくるのかなあ?」

 DOTAMAの分析力が凄い。各チームを実際に偵察し、リポートにまとめたのかと思うほど完璧だ。ただ、膨大な情報の詰め込みを義務付けられたぶるまは少し萎縮していたように見えた。このスパルタ指導は果たして彼女に合っているのか? DOTAMA&紺野ぶるまペアの仕上がりが出場チームの中で一番気になる。

カミナリ・たくみが覚醒

 今回の『ティーチャー』のハイライトは、KEN THE 390カミナリ・石田たくみペアだろう。ケンザは掌幻をゲストに招き、たくみにスパーリングを体験させた。以下はたくみのバースだ。

「お前 まなぶくんじゃねぇぜ 掌幻
 お前の手のひら 幻
 俺はど突くから現実の手のひら おめぇとは訳が違うぜ」

「何だ?そのネックレス 【コンプラ】が着けるやつだな
 10年早ぇ 来世で着けろ」

 なんとこのバトル、圧倒的スキルでたくみが勝ってしまった。相手を容赦なくツッコむ芸風はMCバトルにそのまま活用できるし、ツッコミの人だからディスのワードセンスもいい。MCバトルと普段の芸が、たくみはちゃんと地続きなのだ。あと、グルーヴ感もある。経験者だからか? さらに、知識も備わっている。「お前の手のひら まぼろし」とは、掌幻が2016年にリリースしたアルバム『てのひらまぼろし』からのサンプリングだ。パーフェクト! 強いし、面白かった。正直、普段のカミナリの漫才より面白いと感じたほど。現時点では、たくみが1番優勝に近いと思う。

 もちろん、誰かがここから飛躍的に進歩する可能性もある。ティーチャーの指導力の見せどころだろう。それぞれを個性付けすると、ノウハウのTK、バイブスの輪入道、分析のDOTAMA、アンサー力のケンザといったところか。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2020/08/04 17:26
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