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週刊誌スクープ大賞

安倍政権を支持しない国民が6割超え、不祥事やコロナ対策のお粗末さが次々と露呈

 ところで台湾の李登輝元総統が亡くなった。享年97。日本統治時代の台湾で生まれ、京都帝国大学(現京都大)に学んだ。日本が好きで、日本語も達者だった。彼は台湾に総統直接選挙を導入し、初代の総統に就任して民主化を推し進めた。

 だいぶ前になるが、私は1度だけ、李登輝にインタビューをしたことがある。台湾の総統選挙の雑誌取材班の団長として、彼の自宅で会った。ほとんどが日本語だったが、込み入った話になると中国語になる。訳してくれたのは同行した週刊現代の近藤大介だった。

 背は高く大らかで、大局から台湾の将来を語れる人だった。大人(たいじん)というのはこういう人のことである。

 戸田ツトムが亡くなった。まだ69歳だ。毎日新聞の誌面を刷新したことで知られる有名なグラフィックデザイナーである。

 私が週刊現代の編集長になった時、表紙はもちろんのこと、記事ページからグラビアまで、彼に現代の完全リニューアルを頼んだ。水曜日と木曜日は編集部に詰めてもらって、特集のレイアウトもやってもらった。毒々しい誌面がすっきりしたが、週刊誌の持つ迫力は失われなかった。

 ITについての知識と技術は、当時の最高峰の一人だった。優しい人で、私の無理難題を、「やってみましょう」と嫌な顔もせず見事に実現してくれた。Web現代時代も、彼の青山のオフィスへ行って、相談に乗ってもらった。あの笑顔にもう会えないのかと思うと寂しい。

 さて、ALS患者、林優里(51)を死に至らしめた「嘱託殺人容疑」で、京都府警が大久保愉一(42)と、共犯の山本直樹(43)を逮捕した。林は、同志社大を卒業後、アメリカに留学して建築を学び、帰国後、都内の設計事務所に勤務していたが、ALSを発症してしまった。

 これだけの経歴を残している女性が、動けず、飲食も独りではできず、ヘルパーに24時間介護を受ける辛さは、私などが想像できるものではない。

 次第に、死を望むようになっていった彼女は、「ドクターキリコになりたい」とツイッターで発信し、安楽死をさせることを謳っていた大久保と、ツイッターのダイレクトメッセージで連絡を取り合うようになった。

 彼女から、合計130万円が、共犯の山本の口座に振り込まれていたという。新潮で、20年以上も神経系の難病を患い、両足や手首から先は動かせないユーザーネームくらんけは、スイスで安楽死を受ける権利を獲得したそうだ。そのくらんけは、大久保が100%悪いとは思わないという。

「しかも、林さんは生きることに絶望していた。ふたりの気持ちを考えたら、先生を有罪にしてしまって本当にいいのでしょうか」

 難しい問題である。新潮がいうように、安楽死をタブーにして、議論さえ封じる日本では、いずれ同じような事件が起こる可能性はある。コロナで死が身近に感じられる今こそ、安楽死について議論を始めるいい機会なのかもしれない。

 新型コロナウイルス感染拡大が止まらない。7月31日に発表された感染者数は1301人で、東京は463人である。

 東京都医師会は30日、会見を開いて、感染拡大防止に向けて国が金銭的な補償を伴う休業要請を行い、応じない場合は罰則を適用できるよう特別措置法の改正を政府に求めた。

 バカなことをと、私は思う。それでなくとも、警察権力を使って感染者を多く出している歌舞伎町のキャバクラやホストクラブを取り締まろうという考えを、菅官房長官が口にし始めている。

 こんなどさくさに、権力側に都合のいいように特措法を改正したら、今以上に国民の手足を縛ることになる。論議はコロナが終わってからにするべきだ。

 そのコロナについて、最近は恐怖を煽る『モーニングショー』(テレ朝系)派よりも、恐るるに足らず派が多くなっているようだ。現代では、「日本のコロナは他の国とは違う」「日本だけが生き残るかもしれない」と謳えば、新潮は「実は3人に1人は感染済み!」だから恐れる必要はないと説く。

 もちろん、文春がいうように、致死率3%台は「大いに恐れる数字である」(文春)ことは間違いないし、コロナに罹ると辛い後遺症が残るといわれるから、単なる風邪の一種と考えることはできない。いつもいうことだが、正しく恐れることだ。

 三浦春馬ロスが治らない。30歳で死を選んだ彼は、心の中にどのような闇を抱えていたのか。文春と新潮が闇の核心に迫る。

 文春で、三浦と親しい関係にあった知人がこう明かしている。

「そこ(自室に残された三浦の日記=筆者注)には『死にたいと考えた』『どう死ぬべきか』といった自身の死ついての考え方が長々と綴られており、遺書というべき内容です。これを読めば彼がいかに思い詰めていたかが、よく理解できます」

 死について突き詰めて考えたのは、8月15日に放送される予定のドラマ『太陽の子』(NHK)で、太平洋戦争末期、神風特攻隊の一員だった石村裕之役を演じたこともあったからではないかと、その知人は見ている。

 病のため一時帰郷した石村は、仲間が次々に死んでいく中で、引き延ばされた自分の命と向き合い、家族には何事もないかのように振る舞った。三浦は“遺書”でこう書いているという。

「散る運命を背負いながら、家族の前では気丈に振る舞おうとする気持ちを考え、胸が痛んだ」

 三浦は、18年にイギリスへ短期留学をするが、その前後から、自身の生き方に疑問を持ち始めたそうだ。そして彼に“事件”が起こる。

「僕の人間性を全否定するような出来事があり、たちまち鬱状態に陥り、自暴自棄になった」そうだ。

 人間性を全否定とは何を指すのか。なぜそれが死を考えるまでに彼を落ち込ませたのか。

 文春も新潮も、そこに家族、特に母親との関係の悪化を指摘している。

 小学生の頃に母親が離婚し、母親が通っていたホストクラブのオーナーと再婚する。三浦が二十歳の誕生日を祝ってもらったのは土浦市内のカラオケスナックだったが、その頃の家族関係は良好だったという。

 だが7年ほど前、事あるごとに相談を持ち掛けていた学校法人を運営する母方の大叔父に「助けてください」といってきたそうだ。大叔父は、三浦が「プレイベートでトラブルが起きた」といったという。

 新潮はプライベート=母親との問題だとして、芸能関係者のこんな証言を紹介している。

「稼ぎは母への仕送りに充てるなど、三浦自身の金銭感覚はしっかりしていて、購入したSUVは10年ほど乗り続け、服もあまり自分で買わず、“貰ったモノなんです”と言って、スポンサーから提供されたものを愛用していた。放蕩することもなく、“土浦に戻って、町工場でも何でもいいから人目につかないところで普通に生きたい”って漏らすことすらあってね。何度も芸能界から抜けようとしていたけど、母親からこの家はどうなるのといった説得を受け、思いとどまってきたようです」

 さらに新潮は、母親は息子が小さい頃からマルチまがいのハーブティーの販売に熱を上げていて、息子が有名になると「春馬も飲んでいます」を売り文句にして、友人たちにも購入を持ち掛けていたと報じている。

 そうしたこともあったのだろうか、母親には携帯の電話番号も教えず、断絶した状態だったという。

 頭から死が離れなくなった頃に、実父と20年ぶりに再会したと、文春が報じている。心臓の緊急手術を受けて助からないかも知れないというので会ったという。先の“遺書”にはこう書いてある。

「母と離婚した理由を教えてくれた」「実父との再会が人生を見つめ直し、自分と向き合うきっかけを与えてくれた」

 先の知人が、実父との交流が三浦の人生の転機となり、それまでは義父の名字だったが、約3年前に籍を抜き、三浦姓に改称したそうだ。

 新潮で、一家を知る地元住民が、「(三浦がauのスマホのCMに出てから=筆者注)それまでは田舎の素朴な奥さんという風情だったのに、会う度に着るモノも変わり、仕立ての良い服を着るようになった」と語っている。

 息子が芸能界で成功すると、親がパラサイトして、稼いだカネを我がもののように浪費するという話はいくらでもある。だが、それを苦にして息子が自殺するというのは聞いたことがない。

 母親との関係が三浦の心に暗い影を落としていたのは間違いないようだが、そこから自死を選ぶまでには、さらなる何かがありそうな気がする。

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