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週刊誌スクープ大賞

「GoToキャンペーン無残なり」アベノマスク同様の失態で、安倍政権のバカさ加減が露呈

 新潮が小池百合子都知事追及の手を緩めない。

 今週は、新宿区の感染者数を調整弁にしていると報じている。

 だが数字に弱い私には、よく分からない。新宿区の感染者数がおかしいというのだが、説明するだけの能力がない。そこで、大阪大学の核物理研究ンセンター長である中野貴志教授の言葉を書き写して、読者の判断に委ねたい。

「日ごとの新規感染者数のばらつきも、東京全体より新宿区のほうが大きいのに驚きます。数字が自然にばらつく際は、母数が大きいほうがばらつきも大きくなる。それが自然の確率なのに、まず新宿区のばらつきが大きすぎる。また東京都の値は揃いすぎている。平均が約150人だった4月中旬の東京の感染数推移を見ても、前日との差が30人を超えて乱高下する日が何度もあったのに、最近の東京都の感染者数はまるで階段のように推移しています。一方、同じ時期、新宿区は感染者が2名という日が2週間のうちに2回もある。真の感染者に占める新宿区民の割合は急激には変化しないので、何らかの介入なくして偶然にこんなことが起きる確率は、10億分の1にすぎません」

 いかがだろう。お分かりいただけたかな。

 ところで、「コロワイド」という外食チェーンがある。蔵人金男(72)というのが会長だそうだ。1977年に逗子市に「手作り居酒屋 甘太郎」というのを開業して、その後、経営不振に陥った店を次々にM&Aして事業を拡大してきたという。

 最近話題になったのは、「大戸屋」を乗っ取ろうとして、「大戸屋」側が反発すると蔵人は、株式公開買い付け(TOB)をすると発表したのだ。

 この蔵人会長は、言動の激しさなどで知られ、部下を「さ、今後どう生きて行くアホ共よ」といって憚らない。

 新潮は「独裁者の金字塔的『アホ伝説』」といって憚らない。そのアホが、ではない蔵人会長が、この騒動のさなか、M資金話に騙されていたというのだから、笑える。

 6月11日、神奈川県警は詐欺容疑で3人の男を逮捕した。彼らはM資金(GHQの経済科学局長だったマーカット少将の頭文字で、GHQや皇室の隠し財産といわれるが、架空のもの)から2800億円の資金を提供できると蔵人と接触、交渉費用などの名目で1億3000万円を騙し取ったほか、トータルで31億5000万円も、このホラ話を信じた男から引き出していたというのである。

 この男、犯人が逮捕されて、警察に「名前を出さないでくれ」と頼みに来たという。

 これが蔵人会長だそうである。どうやらこの巨額なカネは、彼の個人資産の中から払われたようで、株主総会などで報告する義務はないようだが、経営者としては失格であろう。

 こんな人間の下で働く社員たちが気の毒だ。「アホオヤジ」といって辞めるわけにもいくまいからな。

 さて、文春が追及しているフジテレビの『テラスハウス』やらせ事件だが、今回は、番組のスタッフからも証言が取れた。その人間がこういう。

「問題は悪質な“やらせ”が横行する撮影現場で出演者の人権がないがしろにされていたことです。花ちゃんが過呼吸になった悲惨な光景が今でも目に焼き付いて離れません。どうしてあの時カメラを止めなかったのか……」

 自殺した木村花の49日法要が7月10日、都内の霊園でひっそりと行われた。法名は「紫月陽花信女」。アジサイが好きだったという。

 過呼吸になった花が階段を降りたところで倒れ込んだ。現場は騒然となったが、撮影は再開されたとスタッフは話している。

 この番組は、男女6人の共同生活をただただ記録したものだったはずだ。チーフプロデューサーの松本彩夏もウエブ媒体の取材に対して、「こちらの主観がなるべく入らないように、カメラをできるだけ動かさないようにしています」と答えている。

 だが、カメラは常に修羅場を抑えようと動き回っていたのだ。SNSで炎上してナンボ。それが現場の実態だったようだ。

 花の母親は、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会に申し立てるという。

 やらせといえば、週刊女性が、フジテレビの日曜日にやる『ザ・ノンフィクション』でもヤラセがあったと告発している。

 私はこの番組が好きで、録画して見ている。この中に、「マキさんの老後」という人気シリーズがあった。ジョンはレズビアンで、マキはゲイの「老年」ではない中年カップルだ。

 何回か見たが、暗くて陰鬱になるので、そのうち見なくなった。

 マキが、「とにかく“ケンカしてください”と言われるんです。ケンカするまで帰ってくれないから早く帰ってほしくてケンカをしていましたね」

 マキは、生活費として10万円入れているのに、「たった2万円しか生活費を入れずに威張っているオカマとして放送されたんです」

 究極のやらせはこんな具合だ。

「年越しのシーンで言い合いになった際に私がワインボトルを割ったように演出されました。ガチャーンという効果音がはめ込まれていたんです。もちろん私はボトルを割っていません!」(マキ)

 こんな番組がノンフィクションであってたまるか。私が知っているだけでも、いくつものやらせがあったように思えるシーンがあった。ときには面白いものもあるだけに残念だが、フジは、きっちり調べて、番組内で謝罪をすべきである。

 ところで、安倍の始めようとしている「Go Toキャンペーン」の評判がすこぶる悪い。

 コロナ感染拡大が止まらないのに、なぜ、この時期にやらなくてはいけないのか、感染者が一番多い東京からくるのはやめてくれ、受け入れ態勢が整わない。地方の首長だけではなく、市民たちや観光業者からも非難の声が上がっている。

 当初、8月の終わりごろというのが、なぜ、7月22日からと早まったのか? 安倍ベッタリの新原浩朗経産省局長と、森友学園改ざん問題で安倍に忠誠をつくし、事務次官に出世した財務省の太田充主計局長(当時)が破格の1兆4000億円の予算をぶんどった。

 初めは経産省が全てを握るはずだったが、キャンペーンの事務局を一括して電通の幽霊会社に委託しようとしたが、批判が巻き起こり、国交省、農水省に担当を振り分けたという経緯もある。

 観光業界のドンである二階幹事長が蠢き、さらに、菅官房長官が、子どもも大人も確実に休める7月23日からの3連休を割引対象とすると主張し、前倒しになったそうである。

 菅は、感染拡大防止と経済活動の両立を唱えているようで、これが成功すれば、政権の支持率アップが見込めると、安倍も期待を寄せている。一時不仲が噂された2人だが、今はピッタリだというから、政界は一寸先は闇だ。

 腑抜けの野党を横目で見ながら、安倍は着々と解散・総選挙の時期を探っているようだが、私は「Go Toキャンペーン」は成功しないと思う。

 新しい生活習慣なんぞはクソくらえだが、飲食店に人が戻らないように、今、多くの日本人は旅行に行きたい気分にならないと思う。

 第一、真夏に京都の炎天下をマスクを着けて歩いたら熱中症で死ぬぞ。コロナを生き延びて、熱中症や脳梗塞で死んだら何もならん。そんな巨額なカネを使うなら、もう1回、一人20万ずつ配ってくれないかな。扇風機回して、読書に飽きたら昼寝して、夜は出前に鰻でも取るから。

 やはり「GoToキャンペーン無残なり」である。少しは観光にいってもらって、見かけだけでも景気がよくなったかのように見せたかった安倍官邸だったが、地方の知事たちから総反撃を食らって、実施はするが、東京都民は地方へ旅行に出掛けてはならない、地方から東京へ来てはいけないとせざるを得なくなってしまった。

 アベノマスクと同様の失態だが、今度のは予算額が巨額な分、官邸のバカさ加減が並大抵ではないと、国民全部に知らせてしまった。

 これも先に書いた、蔵人ケースと同様といっていいだろう。一強などとおだてられ、いいなりになるバカとアホを侍らせ、世間も見ずに、頭で考えたろくでもない計画を、批判する人間はおろか、今はやめておいた方がいいですよという人間さえ周りにいなくなってしまった。

 これで見て取れるのは、安倍の焦りである。少しでも景気をよく見せかけて、9月頃には解散総選挙を目論んでいるから、巨額な血税を湯水のように使ってでも早くやりたいのだ。

 ところがここへきて、東京の感染者は増え続けている。東京者が地方へ物見遊山に出掛ければ、「コロナが来た」と石を投げられるかもしれない。冗談じゃねえ、こちとらだってそんな気分にはならねえよ。今晩はこれから銭湯へでも行って、温泉気分を味わうとしようか。

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