PANTAの先祖は甲賀忍者、父親はCIAだった!? ロック史に残る「頭脳警察」伝説が明るみに
#映画 #インタビュー #ロック #PANTA #頭脳警察 #zk/頭脳警察50 未来への鼓動
凄すぎ!! PANTA家ヒストリア
ーーPANTAさんはアクション時代劇『下忍 赤い影』(2019年)に忍者集落の長老役で貫禄たっぷりに出演していました。『zk』の中でもさらりと語られていますが、PANTAさんは忍者の家系だった?
PANTA 子どもの頃に、親父から「九字」の切り方を教わりました。「九字」は、修験者や忍者が集中力を高めるために「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前」と唱える呪文のこと。「九字だけは覚えておけ」と真面目な顔をした親父から教えられた。実家には古い重箱なんかもあったしね。うちの家紋は「九曜星」なんだけど、これは甲賀流忍者の本家・望月家と同じなんだよ。うちは多摩だったから、諏訪出身の望月家の傍流なんだろうけど。実家の近くの狭山湖には諏訪神社があって、その奥には徳川家康公を祀った権現さまもあった。幕府方の忍者だったんじゃないのかな。多摩地区は「新選組」などに参加した浪士が多かった土地。うちの祖先は京都へ勤王の志士を討ちに行って、消息を絶ってる。はっきりした確証はないけど、そう考えたほうがロマンがあっていいよね(笑)。
ーー忍者にまつわる思い出はありますか?
PANTA 子どもの頃だけど、大事にしていた方位磁石を草むらで失くしたことがあって、それで「臨、兵、闘、者、皆……」と「九字」を唱えてから草むらに手を突っ込んだら、手に方位磁石が入っていたことがあったなぁ。「九字」のお陰か、偶然なのかは分からないけどね。「頭脳警察」を再結成してからだけど、ライブの前にメンバーが手のひらに「の」の字を書いて呑んでいたから、「よし、これから魔除けの呪文やるか」とみんなで円陣を組んで「九字」を切ったこともあるかな。「ロックンロール!」って叫ぶよりはいいじゃない。
ーーPANTAさんのお父さんは、所沢の米軍基地に勤めていたそうですね。ネット上で「PANTAの父親はCIA局員だった!?」という説を見かけますが、実際はどうなんでしょうか?
PANTA 俺はそう思っている。CIAの正式な局員じゃないにしても、CIAに関係する仕事をしていたのは確か。うちの親父は米軍の輸送課の課長だったんですよ。ベトナム戦争が激しくなると、親父は相模原の補給廠に異動し、家には暗号文がいろんなところにあり、畳の下には油紙に包んだ危ない物もあった。米軍戦車の輸送を阻止する学生運動に参加したことがあるんだけど、家に帰ったら親父から「CIAを甘く見るな!」とどやされた。一体、どこの親が「何をやってんだ」じゃなくて「CIAを甘く見るな」と子どもを怒るんだよ。そんな親いないよ。それである時、ふと親父に「今、何をやってんの?」と尋ねたら、「うん、ラオスを担当してる」と答えたわけ。実はこれは言っちゃいけないことだった。
ーーベトナム戦争に隣国のラオスは表向きは関わっていないことになっていました。
PANTA そう、ラオスには米軍は存在しないはずだった。でも、実際はラオスでも補給路をめぐる戦闘は起きていた。米軍とは名乗れないから、「エア・アメリカ」という民間企業の名前でやっていたわけ。「エア・アメリカ」の職員は、みんなCIAだったんだよ。うちの親父がラオスを担当していたということは、「エア・アメリカ」の仕事に関わっていたということでしょう。「エア・アメリカ」はクリスチャン・ベール主演映画『戦場からの脱出』(2006年)でも触れられていたけど、クリント・イーストウッドが主演・監督した『グラン・トリノ』(2008年)はすごく面白かった。イーストウッドは難民家族と仲良くなるんだけど、難民家族はラオスから来たモン族なんだよ。モン族はベトナム戦争で米軍に協力したために、ラオスにいられなくなって米国に来たわけ。だから、ラオスを担当していた親父は何者だったんだということだよね。親父には3回くらいそのことを訊いたんだけど、はっきりとは答えず、最後に「CIAはどこにいるか分からないから、すごく気を遣った」とだけ話してくれた。本当はね、家族にもラオスのことを話しちゃいけなかったはずなんだよね。
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