PANTAの先祖は甲賀忍者、父親はCIAだった!? ロック史に残る「頭脳警察」伝説が明るみに
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「頭脳警察」が伝説化した2つの事件
ーーロック界の生きた伝説であるPANTAさんに、数々の伝説の真相をお聞きできればと思っています。1970年5月、「頭脳警察」として「日劇ウエスタンカーニバル」に出演したPANTAさんはステージ上でオナニーをしてみせる「日劇事件」を起こし、この事件がきっかけで「頭脳警察」は超過激なバンドとして伝説化していくことに。
PANTA 演奏前の楽屋で他のバンドメンバーたちと話していて、盛り上がっちゃったんだよ(笑)。渡辺プロが日本で洋楽を広めるために「日劇ウエスタンカーニバル」を始めたわけだけど、渡辺プロ所属のバンドが優遇されていると。けしからん、ライブをぶっ潰してやろうと。単なる悪戯ですよ。渡辺プロには申し訳ないことしたなと思ってます。
ーー1969年3月、ドアーズのジム・モリソンがステージ上でオナニーする真似をして逮捕されていますが、ジム・モリソンを意識しての行動だったんですか?
PANTA ジム・モリソンがやっていたことは知っていたけど、意識はしてなかった。別に政治的な意味も哲学的な考えもあってやったわけじゃないんだよ。今回のドキュメンタリーで、俺にけしかけたのが、当時ワイルドワンズ だった加瀬邦彦さんだと初めて分かった。「頭脳警察」の次がフォーリーブスだったから、近くにジャニー喜多川さんもいたはずなんだよね。その場にジャニーさんもいたら、「YOU、やっちゃいなよ!」と言ったんじゃないかな(笑)。本番直前にトレイに行ったら、ショーケン(萩原健一)が「PANTA、本当にやるの?」と尋ねるしさ。そうなると引くに引けなくなるよね。会場にいたカメラマンがたまたまステージ上の瞬間を撮って、その一枚が「平凡パンチ」のグラビアになってさ。写真はいい感じにブレてて、自然なぼかしになってた(笑)。
ーー慶應大学の三田祭では「はっぴいえんど」らと共演するはずが、「頭脳警察」が1時間にわたってステージジャックした「三田祭事件」も有名です。「頭脳警察」がステージを占拠したために、「はっぴいえんど」は1曲しか演奏できなかった。「はっぴいえんど」に対して、思うところがあったんでしょうか?
PANTA いやいや、そんなのはないよ。後から分かったことだけど、慶應大学の学園祭の実行委員が「はっぴいえんど」や「はちみつぱい」を呼んで、実行委員に反発するグループが「頭脳警察」をねじ込んだみたいなんだよ。学内の派閥争いに、巻き込まれてしまったらしいというのが実情。俺たちが大学に着いたら、「頭脳警察」が演奏する時間はもうないと言われて、仕方ないから駐車場に向かったんだよ。そうしたら、ドラマーのTOSHIが「このまま帰るのかよ?」と言い出すからさ(苦笑)。それで踵を返してステージに上がったら、ヘルメットを被った親衛隊がバッとステージの四方を固めて、次に演奏するはずだった「はっぴいえんど」を上がれなくしてしまった。当時の学園祭は荒れていたから、実行委員がバンドごとに親衛隊を用意してくれていたんだ。当日は「はいちみつぱい」も出演する予定だった。後日、「はちみつぱい」の鈴木慶一が仲介してくれて、「はっぴいえんど」の細野晴臣さんと和解したよ。それが2018年。鈴木慶一が「三田祭」を再現したライブで、同じステージにも立ったしね。
ーー学園祭のライブは、今とはまるで違う雰囲気だったんですね。
PANTA 「頭脳警察」の演奏が終わったと同時に電源室が爆破され、それをきっかけに機動隊がなだれ込んできたこともあった。ステージ上での殴り合いとかも日常茶飯事だったし、俺もその頃はブーツにナイフを忍ばせていたしね。毎日が事件の連続だった。先日、独協大学で中東史のゼミに呼ばれたんだけど、ゼミが終わったあとに女子大生たちと一緒にお茶して楽しかった。「こんなキャンパスなら、よかったのになぁ」なんて思ったりしてね(笑)。
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