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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『チコちゃん』「汚物は“滅菌だ~!!」
『チコちゃんに叱られる!』レビュー

『チコちゃんに叱られる!』かの名ゼリフ「汚物は消毒だ~!!」より「滅菌だ~!!」の方が非道である学術的理由

スワンボートの2代目がバカ売れしたしっぽの妙味

 続いてのテーマは、「なんで日本中の池や湖にスワンボートがあるの?」という質問。回答者に指名された野々村は「童話の描写で湖に白鳥が浮いているイメージに強い憧れを抱いたから」と答えたが、これは不正解で、チコちゃんから「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られてしまった。いや、野々村だけにここは「ボッシュート」と言ってほしかった……。ちなみに、チコちゃんが発表した答えは「良夫(よしお)がしっぽをつけたから」である。良夫って誰? 野々村には残念だが、この問題は絶対正解しないやつだ。

 詳しく教えてくれるのは、ボート製造会社で会長を務める砂賀良夫先生。実は、スワンボートを生み出したのはこの砂賀さんなのだ。第二次ベビーブームに沸いていた昭和49年(1974年)、家族で楽しめるボートは大盛況だった。この頃、町のボート製造会社で専務を務めていた砂賀さんは子どもたちが喜ぶボート作りに励んでいた。当時は手漕ぎボートだけでなく、免許が無くても乗れた小型のエンジン付きボートが子どもたちの間で大人気だった。しかし、ボート事故が後を絶たず、法律が改正されることになる。こうして水辺からエンジン付きボートが消え、利用者もまばらになってしまった。というか、制限があるとは言え、昔は免許無しでエンジン付きボートが運転できたのか! ゆるい時代だ……。

「これでは商売にならない」と四苦八苦した砂賀さんは、当時流行っていたある物に目をつけた。この頃の陸上の観光施設では、サイクリングの自転車が盛んだったのだ。「同じように足で漕げるボートがあればいいのでは?」と、砂賀さんは自転車のように足で漕ぐボートを開発する。デザインは会社近くに飛んできた白鳥にインスパイアされ、白鳥型の足漕ぎボートに。即ち、スワンボートが誕生したのだ。

 しかし、このスワンボートは売れなかった。その後、何十回と白鳥を観察した挙げ句、2年後の昭和58年に2台目となる改良型スワンボートが完成。どこを改良したかというと、スワンにしっぽを付けた。すると、今度はボートがバカ売れ! しっぽを付けただけなのに、嘘みたいだ。でも、見比べると2代目のほうが明らかに可愛らしい。初代はボートの先頭に白鳥の首を付けただけに見えるけど、2代目はボート全体で白鳥のようなのだ。しっぽを付けたことで背中の曲線のリアリティが増しているのも大きい。ちょっとしたデザインの変化って大事なんだな……。

 スワンボート誕生からおよそ40年が経つ。なんと今も、あの頃と変わらぬ姿のスワンボートが一つひとつひっそりと手作りで製造されているそうだ。

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