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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『フリースタイルティーチャー』輪入道が“意思表明”

『フリースタイルティーチャー』輪入道が思いの丈を叩きつけた。『ダンジョン』の過去と未来が同居する“意思表明”

ラップをする芸人に面白い人はいない?

 『ダンジョン』のヒリヒリした空気に惹かれた視聴者からすると、『ティーチャー』の生暖かい空気にはコレジャナイ感を覚えると思う。バラエティ適正のある輪入道が芸人に弄られた場面に悲しみを覚えたファンもいたかもしれない。一方で、「チャンス・ザ・ラッパーを聴いて育った」というゆりやんのボケ(チャンス・ザ・ラッパーはゆりやんより年下)を誰も拾わないという、ツッコミ不在の問題もいきなり初回で露呈した。

 難しい課題だ。ラッパーが真面目にヒップホップ教育に取り組むだけでは番組としてつまらなくなりそうだし、芸人が前に出過ぎると趣旨がぶれてアレルギーが出そうだ。唯一の望みはBUDDHA BRANDファンとして有名なたくみの存在なのだが、現時点では彼もまだうまく機能していない。結果的に、ラップとお笑いを愛する層が逆に見たくなさげな番組に仕上がってしまっているのだ。

 皮肉なのは、『ティーチャー』直前に日テレで放送された『ウチのガヤがすみません!』の内容だ。番組内で槍玉に上がったのは、チョコレートプラネットの松尾駿だった。友人の依頼でYouTubeチャンネル「ニートtokyo」に出演した松尾がラッパーに扮する動画が「鬼スベリしている」と攻撃されたのだ。責められた松尾は、「芸人でラップやってて面白い人はいない!」と開き直った。『ティーチャー』の初回放送日に、なんてゲンの悪い……。

 正直、芸人特有の茶化しとヒップホップカルチャーの掛け合わせに相性の悪さを感じたのは事実だ。松尾の言う通りである。何だったら芸人じゃなく、『ハイスクールダンジョン』(AbemaTV)出演中の高校生や、J-POPアーティストにヒップホップを仕込むほうがストーリーは生まれる気がする。ラッパーの代理戦争として、勝負論もスポイルされないだろう。今のままだと、伝説の『フリースタイルダンジョン』がよくある深夜バラエティに落ちぶれたという印象しか受けないのだ。

KダブシャインのBLM講義に胸熱!

 番組冒頭でZeebraは「ヒップホップというカルチャーのいい部分を教育したい」と思いを語った。その役割を大きく担うのは、「ミッドナイトHIP HOPアカデミー」なるコーナーである。ヒップホップの文化や歴史的背景を教えるという趣旨の講義で、初回のテーマは「Black Lives Matter」だった。講師を務めるのはKダブシャインだ。

Kダブが地上波でBLMの話をしている……よく考えると凄い話! テーマがBLMというのも初回講義として不足はない。しかも、授業中にかかったBGMはパブリック・エネミーの「Fight The Power」だった。純粋に胸が熱くなる。このコーナーに関しては、もっと尺を長くしてもいいと感じた。てっきりヒップホップの名曲や名盤を紹介するコーナーだと予想していたので、いい意味で驚きだった。

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