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『フリースタイルティーチャー』ラッパー×芸人の新スタイル成功なるか? “イカ天”的『ダンジョン』の功罪とメッセージ

イカ天的『フリダン』の功罪と、後番組『フリースタイルティーチャー』への不安

 最終回でZeebraは「MCバトルの番組としては凄くいい形でできたと思っているけれど、HIP HOPというカルチャーの良い部分が伝わらなかったという指摘もあった」と発言、番組を総括した。

 正直、功罪はある。ただ、カルチャーのキャッチーな部分を抽出、世間へ届けるコンテンツに昇華したという意味で『フリースタイルダンジョン』は大成功だった。賛否あった『三宅裕司のいかすバンド天国』(TBS系)がブームを作り、ブランキー・ジェット・シティやたま、BEGINといった優秀なバンドを輩出した構図に似ている。表層的だったとしても、そこから深くジャンルを掘り下げる人材は必ず生まれる。

 さらに、すでに伝説と化していた般若のバトルを復活させ、最高到達点とまで呼ばれるR-指定のフリースタイルを堪能できる番組でもあったのだ。これが有意義じゃないわけがない。

 さて、問題は今後だ。今夜から『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)なる新番組がスタートする。KEN THE 390、DOTAMA、TKda黒ぶち、輪入道らラッパーたちと、レイザーラモンRG、石田たくみ(カミナリ)、紺野ぶるま、ゆりやんレトリィバァらお笑い芸人がタッグを組み、総当たり戦のMCバトルで優勝チームを決めるという内容だ。「ヒップホップの一側面しか伝えていない」という指摘を受けての後番組なのに、またしてもフリースタイルバトルをテーマに据えている点が気になってしまうのだが。

 何より心配なのは、芸人とHIP HOPの掛け合わせだ。プロのラッパーのバトルでさえ不発に終わることがあるのに、芸人同士のフリースタイルで面白くなるか? と疑問に思ってしまう。「ここで名を上げてやろう」とチャレンジャーが野心をむき出しにしたから、ダンジョンは熱を帯びた。でも、芸人同士だとバトルがただの遊びにしかならない不安があるのだ。

 とは言え、お笑い芸人とフリースタイルの親和性は意外に高い。番組を見ないうちに不安要素ばかり挙げるのも良くないだろう。数週経ってから判断を下すのがフェアだ。

 振り返ると、『フリースタイルダンジョン』は5年も続いた。地上波として明らかに異質の番組だったのに、凄いことである。業界への貢献度の高さは疑いようもない。「ほとぼりが冷めたら復活するのでは?」と予想する人も中にはいるようだが、果たして。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2020/07/07 18:06
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