トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『チコちゃんに叱られる!』コウメ太夫の生真面目さ
『チコちゃんに叱られる!』レビュー

『チコちゃんに叱られる!』最後に全てをかっさらう、コウメ太夫の生真面目さ「適任ではないのでは…」

ラストはコウメ太夫の無駄な情報でフィニッシュ!

 この日最後のテーマは、「なんでつゆは梅の雨って書くの?」という質問だった。チコちゃんが発表した答えは「カビが嫌だから」。はて、梅とカビに何か関係があるのだろうか……?

 ということで、いきなりコウメ太夫にこの問題の回答権が回ってきた。つゆ→梅雨→ウメ→コウメ太夫、という“梅”違いである。そんな、あまりにも唐突な……。結果、コウメ太夫が発した答えは「梅の時期が去ってしまって寂しいなと思って天から雨が降ってきて泣いちゃう」というものだった。言うまでもなく、間違いである。

 梅雨とは6~7月の雨の多い時期を指し、天気図に出てくる梅雨前線は、日本だけでなく朝鮮半島から中国の南方の長江の下流域までかかっている。要するに、梅雨は中国にも起こる気象現象である。というか、梅雨という漢字は中国発祥だ。そして、梅雨という字は別の漢字で書かれていたらしい。6月ごろに降る雨は、黴(カビ)をもたらす雨ということで「黴雨(ばいう)」と書いていたのだ。しかし、ただでさえジメジメしているのに「カビの雨」ではイメージが悪過ぎる。そこで、「黴(ばい)」と発音が同じ「梅」が充てられるようになった。

 こうして生まれた「梅雨」という字が日本に伝わったのは奈良時代だ。梅は古くから日本人に愛されていたし、貴族など特権階級の人たちは梅の花を観賞して楽しんでいた。事実、当時の漢詩・漢文・和歌をまとめた詩文集「和漢朗詠集」には、梅雨と書かれた詩の一節が残っている。梅は日本でも良いイメージだったため、そのまま梅雨という言葉が定着したのではないか? と考えられるのだ。

 しかし、日本では梅雨を「ばいう」だけでなく「つゆ」とも読む。これについては、2つの説がある。1つ目の説は「露(つゆ)」だ。毎日のように雨が降るこの季節。木々には水が滴り、その様子がまるで露が降りたかのように見えることから「つゆ」と呼ぶようになった、というものだ。

 そして、2つ目は「梅ぐちゃぐちゃ説」。6月頃に梅は旬を迎えるが、熟した梅はこの季節の雨風で地面へと落下し、ぐちゃぐちゃに潰れてしまう。「潰(つぶ)れる」という言葉が昔は「潰ゆ(つゆ)」と表現され、転じて「つゆ」と呼ぶようになったのでは? という説である。いや、ちょっと、いくら何でも「梅ぐちゃぐちゃ説」はひど過ぎないか……?

 そんな視聴者の気持ちを見透かしたかのように、コウメ太夫が再登場した。

「信じるか信じないかはアナタ次第。チクショー!」(コウメ太夫)

 いや、少なくとも「梅ぐちゃぐちゃ説」は信じられないよ! というか、せっかく色々教えてもらったのに、コウメ太夫登場のインパクトでそれまでの学びが一気に吹っ飛んでしまった。チクショー!

 コウメ太夫は数年前に「小梅太夫」からカタカナの「コウメ太夫」へ改名している。だから、「梅にちなんだ今回のオファーに自分は適任ではないのでは?」と悩んでいたらしい。真面目!

 ちなみに、彼が改名した理由は、占い師に「このままだとトラックに轢かれる」と言われたからだそうだ。そんな理由があったのか……。色々と有意義なことを学んだ今回だったのに、最後をコウメ太夫の情報で締めるのはなぜなのか。

 そして、今夜放送の『チコちゃんに叱られる!』はゲストが破格だ。五木ひろしと若槻千夏の2人である。五木といえば、昨夏に開催された「岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭 in 横浜アリーナ2019」にゲスト出演したことが記憶に新しい。この番組は岡村のラジオ繋がりで出演するゲストが多いようだ。五木ひろしとチコちゃんの絡みは、まるで未知数!

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

記事一覧

サイト:Facebook

てらにしじゃじゅーか

最終更新:2020/07/03 18:44
123
ページ上部へ戻る

配給映画