『チコちゃんに叱られる!』最後に全てをかっさらう、コウメ太夫の生真面目さ「適任ではないのでは…」
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手品の定番曲「オリーブの首飾り」の末路で連想される布袋寅泰
この日2つ目のテーマは、「何で手品の時に“♪チャラララララーン”って曲、つまりポール・モーリアの『オリーブの首飾り』が流れるの?」という疑問だ。確かに、マジックと言えばあの曲か、Mr.マリックが使う“♪ドゥッドゥッドゥッドッドゥドゥ~”の曲(Art of Noiseの「Legs」)のどちらかが思い浮かぶ。
詳しく教えてくれるのは、日本奇術協会名誉会長・松旭斎すみえ先生のアシスタントを20年以上務めたベテラン手品師・花島けいこさんだ。曰く、あの“♪チャラララララーン”という曲を手品のBGMとして使用したのは松旭斎先生が初めてで、元は70年代にヨーロッパで流行ったディスコナンバー「EL BIMBO(エル・ビンボ)」という楽曲だそうだ。でも、実際に曲を聴くと、マジックで使われたそれとはかなり印象が違う。アゲアゲなナンバーだし、歌詞がちゃんと付いているのだ。
手品で実際に使われたのは、「EL BIMBO」のカヴァーとなるポール・モーリアの「オリーブの首飾り」である。「EL BIMBO」発売翌年の1975年にポール・モーリアがアレンジを加え、曲名を変えて再販したという流れだ。アゲアゲなディスコナンバーだった原曲をアレンジ、日本で約12万枚以上を売り上げるスマッシュヒットになった「オリーブの首飾り」は、見事にポール・モーリアの代表曲となった。
花島けいこさんの姉弟子である花島世津子さん曰く、松旭斎先生は1975年頃からあの曲を使っていたらしい。たまたま車のラジオから「オリーブの首飾り」が流れてきて、それを聴いた瞬間に「おしゃれだ!」とピンときたそうだ。すぐに彼女はBGMとして同曲を採用し、そこから「オリーブの首飾り」は日本中に広まった。
つまり、「オリーブの首飾り」=手品のBGMというイメージは、日本限定なのだ。てっきり、世界のマジック界で重用される曲だと思っていた……。
ところで、「オリーブの首飾り」はどうしてここまで定番として根付いたのだろう? 当時の松旭斎先生は、やすしきよしやレツゴー三匹と肩を並べるほどの売れっ子で、テレビに出演することも多かった。そして、ステージでは毎回この曲をBGMに使用していた。すると、他のマジシャンもこぞって「オリーブの首飾り」を使うようになり、瞬く間に浸透。手品の曲と言えば「オリーブの首飾り」というイメージが完成していったのだ。
しかし、浸透し過ぎた。バラエティ番組でも「オリーブの首飾り」が頻繁に使われ始め、この曲をかけるとお客さんが笑い出すという事態に至ったのだ。なんか、江頭2:50が使い出してから妙なイメージが付いた布袋寅泰の「スリル」みたいだな……。
この状況に悩んだ松旭斎先生は、「オリーブの首飾り」を封印する。しかし、別の楽曲をBGMに使用しても、どうもしっくり来ない。やはり手品にはあの曲調が一番ピッタリだろうと、再び元の「オリーブの首飾り」をBGMに戻したそうだ。
今や、見る側も「オリーブの首飾り」では笑わないはずだ。それどころか、あの曲を聴くとマジックを楽しむスイッチが自動的に入ってしまう。幸せな着地点だと思う。
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