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週刊誌スクープ大賞

永田町では安倍首相を引きずり下ろす“下剋上”が! 「迎撃ミサイル」の停止はその象徴に

 ところで「俯仰(ふぎょう)天地に愧(は)じざる生活」という言葉がある。二葉亭四迷の「予が反省の懺悔」のなかにあるという。意味は、心や言動にやましい点がない生きざまだそうだ。

 宝島社の『文豪の凄い言葉づかい辞典』というムックを衝動買いしたなかにあったのだが、さすると、今の安倍首相は、「俯仰天地に愧じる生き方」ということになる。

 そのおこぼれをもらって生きている政治屋、役人、電通、パソナは「安倍の爪牙(そうが)=忠実な臣下」に堕しているということになる。

 文春が、電通と省庁との癒着構造は、エネルギー分野にもあると報じている。それは「環境共創イニシアチブ」だそうだ。いかにもという名称である。

 総務省が所管するマイナンバーポイント事業を、ここを通して、電通が業務のほとんどを再委託されているというのである。

 ここは2011年2月に設立されたが、当初から経産省・資源エネルギー庁の補助金事業を中心に手掛けてきて、ここの事業だけで7000億円を超える額が交付されているそうだ。

 2013年に発覚した東日本大震災の復興予算流用問題で、経産省の予算を管理していたのもここだったという。

 当時は、従業員のほとんどが電通からの出向者だった。持続化給付金事業で問題になっている「サービスデザイン推進協議会」(サ協)とここの2つは同じような仕組みだが、電通側はそう思われるのを嫌がっているという。

ここは赤池学が代表理事だが、赤池に代表理事を打診したのがサ協の平川健司なのだ。平川という男、両方に絡んでいて、経産省の中小企業庁長官の前田泰宏とベッタリなのである。

「電通に莫大な公金が流れ込む不透明な構図が霞が関に広がっていないのか、検証が必要だ」(文春)。検証すれば、間違いなく電通と官僚、それに群がる政治屋どもにつながるに違いない。

 さて、河井克行容疑者から現金を受け取ったことを認めて、三原市の天満祥典市長が辞意を表明した。金額は合計150万円。そのほかにも、30万円を「安倍さんから」といわれて河井から受け取ったと繁政秀子町議が認めている。

 河井夫妻の公選法違反は間違いないようだが、そのカネは、自民党から2人に流れた1億5000万円が使われたに違いない。それを指示した安倍首相の責任は徹底的に追及されなければならないこと、いうまでもない。

 さて、今週の第1位も文春である。もはやジャーナリズムの世界では文春一強が定着したようである。だが、安倍一強はもろくも崩れ始めたようである。

 永田町では安倍首相とその側近たちを引きずり下ろす“下剋上”が始まった。

 その象徴が、河野太郎防衛相が「迎撃ミサイルシステム」の停止を、安倍に相談せず独断でしたことだろう。

 安倍首相は、河野から「私はやりたくありません」と聞いて、驚きを隠せなかったといわれる。

「陸上イージスの導入を撤回すれば、ミサイル防衛を根本から見直さなければならない。政府には導入によって、イージス艦乗組員の負担を軽減するねらいもあった。さらに米側とは契約済みだ。撤回すれば『バイ・アメリカン(米国製品を買おう)』を掲げるトランプ大統領の怒りを買う恐れもある。

『河野さんも外務大臣やったんだから、状況は分かってるよね?』。首相は河野氏が口にした問題の大きさを示すように念押し」(朝日新聞DIGITAL 6月25日 5時00分より)したといわれる。

 だが、河野は安倍のいうことに耳を貸さなかった。河野が停止する理由として、迎撃ミサイルを打ち上げた際、切り離したブースター(推進装置)を演習場内に落とすことができず、周辺に被害が及ぶことが判明したことと、それを改修するには、約10年、2000億円にも及ぶ時間とコストがかかるということだった。

 だが、文春の中で元海将で金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授がいっているように、迎撃ミサイルを撃つのは、「核ミサイルが撃たれて、その核爆発を止められるか否かの瀬戸際の時です。モノが民家に落ちる危険と比べることには意味がない」という意見に頷けるところもある。

 さらに、米国側と約1800億円で契約済みであるため、それをどぶに捨てることになりかねない。それでも河野が決断できた背景には、文春が入手したディープスロートからの「A4版2枚のペーパー」に書かれた衝撃的な“事実”があったからだというのである。

 昨年3月下旬に防衛省外局の防衛整備庁職員が輸入代理店の三菱商事社員らと共に、アメリカのロッキード・マーチン社を訪れていた。彼らがその後に提出した報告書には、「LRDR(長距離識別レーダー)自体には射撃管制能力はない」と書かれていたというのである。

 先の伊藤教授によれば、射撃管制能力というのは迎撃ミサイルを目標に誘導する能力で、イージス・アショアはレーダーと、目標へ自らの武器を誘導する“神経”が一体化しているそうだが、その肝心かなめの神経がないというのだ。そのために、追加で莫大な費用をかけて別システムを組み合わせる必要がある。いわば欠陥商品なのだ。

 しかし、この報告書は、当時、防衛大臣だった岩屋毅を含めた防衛省上層部には届いていなかった。当時の深山延暁防衛装備庁長官は文春に対して、「それってもうイージス・システムじゃないじゃん! そんな報告があった記憶はない」と驚きを隠さない。

 ふざけた話である。そもそもこれは、防衛省から要求したものではなく、安倍首相がトランプ大統領に押し付けられ、仕方なく引き受けることになったのだ。

 無用の長物に莫大な血税をつぎ込んだ責任は、間違いなく安倍首相にある。安倍や安倍の周辺が、この報告書を何らかの形で“隠蔽”したと考えても、無理筋ではないだろう。

 だが安倍首相は、トランプが再選されない可能性が高くなってきたことと、この配備停止を大義名分にして解散を目論んでいるといわれているそうだ。無知蒙昧とはこういう人間を指す言葉である。

 私の好きなタイプではないが、石原慎太郎がPRESIDENT(7/17号)でこういっている。

「今の日本の政治家はほとんどが幼稚です。歴史を知らないからです。(中略)みんな姑息で、その場その場で一時しのぎの自己満足や自己暗示に終始しています」

(文中敬称略)

【巻末付録】

 現代から。

「夏の眼福ハプニング-暑さは人を無防備にする」「ちとせよしの-100cmの『ちとパイ』-『有村架純そっくり』で人気」「桃尻かなめ、京娘のGカップ・ヘアヌード」

袋とじは「福田明日香、完全未公開ヘアヌード-幻のカットを独占掲載」。この中ではやはり福田明日香がいいね。

 次はポスト。

「川口春奈、国民的女優の白肌-大河ドラマ出演女優が歩んだ大人への階段」

前半の袋とじは「川島なお美、55万人が買ったヘアヌード-デジタル版で完全復活!」。懐かしいね。

後半は、「90年代が生んだナイスバディ四天王-すごいカラダのオンナたちがふたたび 撮影・山岸伸/細川ふみえ、水谷ケイ、江口ナオ、横須賀昌美」

袋とじは「なをん/しゅはまはるみ、カメラを止めないで!」

「古河由衣、あなたの愛人になりたい-愛人にしたいグラドル総選挙1位」「Honey・Trap・何が愛なのか(11) 染谷有香」。やはり川島なお美が「眼福」だね。何度見てもいい。

 よって今週の合併号対決は、ポストの勝ちだ!

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/06/30 21:00
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