『チコちゃんに叱られる!』初リモート収録、石川さゆりのピュアな質問とペットのリクガメ
#ウエンツ瑛士 #チコちゃんに叱られる! #石川さゆり
6月19日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)は、新型コロナウイルスの影響でリモートでの初収録となった。ゲストは、MCの岡村隆史と大河ドラマ『麒麟がくる』で共演中の石川さゆりと、Eテレの『天才てれびくん』出身でNHKはホームとも言えるウエンツ瑛士である。ちなみに、石川のブログによると、今回のリモート収録は5月22日に行われていたようだ。
それにしても、同番組のCG班は芸が細かい。チコちゃんの目の奥で反射する映り込みにもきっちり手が加えられており、仕事の丁寧さには脱帽する。リモート収録でチコちゃんの顔のアップは激増したが、ドンと来いという感じだ。
今回、番組が取り上げたのは以下の3つのテーマだった。
・なんで犬の名前といえばポチなの?
・カメの甲羅ってなに?
・なんで眠くなると目をこするの?
西洋にかぶれすぎて生まれた犬の名前「ポチ」
まず最初のテーマ「なんで犬の名前といえばポチなの?」で回答者に指名されたのはウエンツである。どうやら、彼は見当が全くつかないよう。「考えたこともなかった!」と絶句している。同感だ。確かに、どうして「ポチ」なんだろうか? チコちゃんが発表した答えは「聞き間違いを聞き間違えたから」だった。う~ん、よくわからない……。
犬に「ポチ」という名前が付き始めたのは、明治維新の頃からだそう。外国人が多く住んでいた横浜から、日本の犬の世界でも文明開化が始まった。江戸時代後期、日本の犬の飼い方といえば、地域や長屋単位で放し飼いで犬を飼う里犬文化が主流だった。そのため、誰が見てもわかるように白い犬は「シロ」、黒い犬は「クロ」、斑点模様の犬は「ブチ」など、犬の名前は見た目で付けられていた。
日本の犬のほとんどはそれまで番犬として飼われていたため、よく吠える習性があった。特に外国人にはよく吠えたらしい。結果、「うるさい犬を何とかしてほしい」と日本政府にクレームが寄せられる。それらの声を受け、政府は「畜犬規則」を制定した。犬は飼い主の住所と名前を書いた名札を付け、個人で飼うことを義務付ける新法律である。これを機に、日本人は犬をペットとして飼う楽しみを初めて覚えた。また、外国に憧れた日本人たちは、犬の飼い方も西洋を真似し始める。犬と一緒に散歩したり、見た目とは関係ない名前を付けるようになったのだ。
ところで、「ポチ」という名前はどこから来たのだろう? 見知らぬ犬を呼ぶとき、犬の毛色を言いがちな日本人。中でも、最も多いのはブチ柄だった。だから、「ブチ、ブチ」と犬に声をかける。これが聞き間違いの発端だ。ブチ柄は、英語で「Patch(パッチ)」と言う。だから、日本人が口にした「ブチ」が、イギリス人には「Patch」に聞こえてしまった。その証拠に、当時作られた和英辞典を読むと「Buchi(ぶち)=patches」と解説されている。
さらに、ここからもう1つ間違いが起こった。イギリス人が言った「バッチ」を、今度は日本人が「ポチ」と聞き間違えたのだ。まさに、聞き間違えの相乗効果! このようにして「ポチ」という言葉が誕生したと推測される。「ブチ」→「パッチ」→「ポチ」という流れだ。いや、鈍い人が揃った伝言ゲームじゃないんだから……。
そういえば、明治時代初期は犬に「カメ」と名付ける人も多かったらしい。外国人が飼い犬に「come here」と呼んでいるのを、日本人が「カメや」と聞き間違えたのが理由とのこと。いずれにせよ、日本人は西洋にかぶれ過ぎだろう。
些細な聞き間違いから生まれた「ポチ」の名が全国に広まったのには理由がある。文部省が作った最初の小学生向け国語教科書にポチという犬が出てくるのだ。1886(明治19)年に作られた『読書入門』に、利口な犬、素直な犬の代表としてポチが登場している。そして、1901(明治34)年には、『はなさかぢぢい』の歌にポチが登場する。<うらのはたけで、ぽち が なく しょうじきぢいさん、ほったれば、おおばん、こばんが、ザクザクザクザク>という歌詞がそれだ。
さらに、1910(明治43)年発行の東京朝日新聞掲載“犬の名前ランキング”では、「ポチ」が堂々の1位(15票)を獲得! しかも、6位の「ポーチ」(7票)と7位の「ボチ」(6票)は、明らかに「ポチ」から発生した名前である。凄い勢い! ……っていうか、聞き間違いをそのまま掲載した辞典製作者の仕事ぶりはいかがなものか? 現代なら完全に炎上案件だ。
ちなみに、2019年「飼い犬の名前ランキング」の1位はココ(942票)で、「ポチ」はなんと圏外(33票)だ。
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