渋谷区職質問題をきっかけに知ってほしい──在日クルド人ドキュメンタリーが映し出す“日本の難民”
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『NEWSな2人 ~日本が抱える「移民・難民問題」を直撃~』(2019年)
さまざまなドキュメンタリーを観たが、日本では難民申請をしても0.2%の人しか認定をされないことや、その中でもシリア人などは認定されることがあっても、なぜクルド人だけが認定されないのか、まだわからない部分が多かった。しかし、バラエティ番組『NEWSな2人』という意外な番組で、それを端的に知ることができた。
番組では2回にわたって日本で暮らす外国人がフィーチャーされていた。その第一回ではクルド人がおよそ1200人住んでいるという埼玉県蕨市にNEWSの小山慶一郎と加藤シゲアキが向かい、実際のクルド人の住民に話を聞く。そこに登場するクルド人男性・ネネットさんは、「難民を認めないのなら、なんで難民条約にサインしたんですか?」と憤る。
2018年のデータによると、ドイツでは5万人以上の難民を受け入れたが、日本では1万人が難民申請をしたものの、40人しか認定されていないという。ネネットさんは、入管で過ごし、パニック障害により仮放免になるも、その後は、仕事もできず、県外に出ることもできず、日本で生まれた子どもには国籍もないことを語る。そして、他の国の難民はわずかながら申請が通っているのに、クルド人はひとりも認められていないと訴える。
こうしたクルド人の状況に疑問を持ったNEWSの二人が、このことに素直に驚き、国際弁護士の清原博のもとを訪れる。清原弁護士は、「日本とトルコって友好国なんです」「クルド人がトルコ政府から迫害受けて困ってますよね。じゃあ、日本政府が保護してあげましょうと認めてしまうと、トルコ政府のやってることを批判していることになるんですね」と語り、だからクルド人を難民認定することはおそらく難しいのだろうと政治的な背景について説明していた。
これらのことは、テレビのドキュメンタリーやバラエティ番組を通して知り得た一部のことに過ぎないが、こうした背景を少しでも知れば、渋谷で起こった一件に関しても、なぜそのようなことが起こっているのかを、そして、日本に外国人にとって理不尽な現状があることを少しは理解できるのではないだろうか。
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