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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 先端テックの「自分らしさ2.0」

先端ビューティーテックがもたらす「自分らしさ2.0」意識高すぎてついてけないコスメの時代はもう終わった!

イメージ画像/出典:oldtakasu

 

 キレイになりたいという思いは世界中の人が持つ普遍的な願望だ。ただ、実際にぴったりのコスメや服を探そうとすると、途端に大きな障壁が目の前に現れる。今や世界中の商品がオンラインで手軽に買える時代。情報も氾濫している。自分に合う商品を探し、出会うために多くの時間と労力を割かなければならない。キレイは一筋縄ではいかないのだ。また、悩める女子たちの切実な思いを代表するような次のような意見もある。

「ネットのおすすめなどは自分にとっては値段が高すぎる。デパートの美容部員さんは基本に素敵な方たちで、綺麗だし見ているだけでいい気持ちになります。だけど、話を聞いてもメイクへのモチベーションや知識が違いすぎてついていけないことが多いんです」(都内在住/20代女性)

 実はそんなさまざまな思いや悩みを解決すべく、最先端技術を取り入れた「ビューティーテック」(ビューティーとテクノロジーを合せた造語)が次々と登場している。化粧品メディア大手・アイスタイルが運営するビューティーテック専門メディア「BeautyTech.jp」で、編集長を務める矢野貴久子氏は言う。

「近年、美の欲求をサポートしてくれるビューティーテックの発展は著しいものがあります。例えば、ARメイクやAI肌診断。世界中で開発やサービスが展開されていますが、長い時間を割いたり、お店に出向かなくとも、手元にあるスマートフォンだけで、すぐに自分に合ったコスメをオススメしてくれるまで機能が拡張しています。しかも、自分のデータがどんどん溜まっていくことで精度が高まる仕組みを備えています」

 矢野氏はそれらビューティーテックが、美に対するひとつの大きな目標を実現しようとしていると説明する。その目標とは、「パーソナライズ」である。もっと分かりやすく言えば、「自分に最適な商品やキレイになる方法を機械が教えてくれる」というものである。

「顔の形を分析して、メイクだけでなくファッションコーディネイトまでオススメしてくれたり、肌の調子をスマートフォンで読み取ると自分だけのカスタマイズされた化粧品が提供されるというようなサービスもあります。実際は試行錯誤も多いのですが、着実に実用化が進んでいる印象です。一方で、自分の顔の形や肌を分析した後に、趣味やセンスの合う専門家やインフルエンサー、もしくは他のユーザーと繋げてくれるマッチングサービスも登場しています。またそう遠くない将来、インターネットにつながって、持ち合わせのコスメをチェックしてくれるIoT化粧ポーチなども出てくるでしょう。いずれも、パーソナライズコスメをサポートしてくれるビューティーテックとして注目しています」

 ブランドや企業が目標とするパーソナライズは、女性たちの立場に立った際には「自分らしさの追求」と言い換えることができる。ビューティー業界の動向を見守る矢野氏は、世界中の女性がより自分らしさを追求する雰囲気が昨今強まってきていると分析している。

 「これまでは『痩せている』『肌が白い』など美に一定の基準がありました。女性たちもその基準を理想像として美を追求してきた。しかし近年では、自分らしくあること、もしくは自分を自分の理想に少しバージョンアップすることが美の基準となり、女性たちもそれを求めるようになってきています。テクノロジーはその自分らしさを探すパートナーとして、商品やサービスに溶け込んでいくでしょう」

 自分はいつでもそこにいるが、いざ自分らしさとなると案外説明するのが難しい。またさらに一歩進んだ「自分らしさ2.0」を探すとなると苦労もひとしおだ。そんな時、先端ビューティーテックが横でそっとアドバイスしてくれるような世界がもうすぐ訪れようとしている。

河 鐘基(ジャーナリスト)

リサーチャー&記者として、中国やアジア各国の大学教育・就職事情などをメディアで発信。中国有名大学と日本の大学間の新しい留学制度の設置などに業務として取り組む。「ロボティア」「BeautyTech.jp」「Forbes JAPAN」など、多数のメディアで執筆中。著書に「ドローンの衝撃 」(扶桑社新書) 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」 (扶桑社新書)、共著に「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」 (光文社新書)など。

Twitter:@Roboteer_Tokyo

はじょんぎ

最終更新:2020/06/21 16:16
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