吉本興業、浅井企画、マセキ芸能社…お笑い事務所が施す“手厚い芸人支援”の裏事情
#松本人志 #吉本興業 #お笑い芸人
徐々に通常運転に戻りつつあるとはいえ、今なお新型コロナウイルスの影響をもろに受けているエンタメ界。特に若手芸人にとっては死活問題である。
「テレビに出られない芸人たちは、ライブや営業が収入減となるわけですが、それらが全て飛んでしまった。無収入となっている芸人は腐るほどいます」(お笑い関係者)
そんななか、所属芸人にお見舞金や支援金を出すお笑い事務所もある。
「浅井企画は、所属する芸人やタレント約120人に“お見舞金”を出したそうです。金額は不明ですが、仕事がなくなった若手芸人にしてみれば、本当にありがたいことだったでしょう。また、マセキ芸能社も多くの所属芸人に支援金を出しました。こちらも金額は不明ですが、どうやら1回だけではなかったようで、結婚して子供がいる芸人には、多めに出たとのこと。芸人の状況に応じて、それに見合った支援をしていたということでしょう」(同)
お笑い業界最大手の吉本興業も、自社で運営する劇場の出番がなくなった芸人に対し、本来支払われるはずだったギャラの半分を支給した。さらに、同社所属のダウンタウン松本人志は、コロナの影響で生活苦となった芸人に対し、無利子で1人あたり上限100万円の貸付を行うことを宣言した。
「今後本人が詳細を明かすことないでしょうが、松本さんの融資話は、ポーズでもなんでもなく、ガチです。一部では“オモロイやつ”というのが貸付の条件だとも報じられていましたが、それも照れ隠しみたいなものでしょう」(同)
“芸人ファースト”な芸能事務所が多いのは、一体どうしてなのだろうか。芸能事務所関係者はこう話す。
「一番大きいのは、お金に困って、怪しげな仕事に手を出させないためですね。それこそ2019年、吉本の闇営業騒動もありましたが、ああいう事態に陥ったら、支援金を出すよりも、事務所が大損をしてしまう。芸人を守ると同時に、事務所を守るための支援金でもあるんです」
また、ここ数年のお笑い界のシステムも関係しているようだ。
「吉本はもちろんですが、ほかの事務所も、以前に比べて所属する芸人が増加傾向にあります。というのも、今の時代は誰が売れるかわからない。それまで完全に無名だった芸人でも、ひとつのきっかけで大ブレイクすることがよくあるんです。
裏を返せば、事務所が戦略的にプッシュしたところで、それがハマらないことも多い。その結果、お笑い事務所としてはいろいろな芸人をできるだけ多く所属させておいて、そこから“下手な鉄砲”方式で誰かがブレイクするのを待つ、という形になっているんです。だから、少額でもいいから支援金を出して、多くの若手芸人をつなぎとめておきたい、ということでしょう」
芸人1組が大ブレイクすれば、巨額の利益が舞い込んでくる。その見返りがあるならば、多くの芸人を抱えるリスクも大したことないのだ。
「吉本の場合は、自社劇場での出番にギャラが発生しますが、他事務所の場合、事務所主催のライブは基本的にノーギャラ。事務所ライブしか仕事がないみたいな芸人については、多く抱えていても、そこまでコストは掛からないんです。そういう意味でも、もっと所属芸人を増やしたいという事務所も多いと思います」(前出・芸能事務所関係者)
お笑い第7世代の台頭で、再び盛り上がっているお笑い業界。近い将来、今以上に若手芸人の数が膨れ上がることとなるかもしれない。
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