「あいつここだけ牛革じゃねぇかなって」アンタッチャブル柴田が再び叩いた山崎の肩、ボケとツッコミの相互作用
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ブラックマヨネーズ・吉田「あのときはネタとかっていうよりも、僕ホンマに病んでたんで」
ブラックマヨネーズ・吉田「あのときはネタとかっていうよりも、僕ホンマに病んでたんで」
ところで、考えてみると面白い話だ。何がって、柴田が語るアンタッチャブルの漫才の作り方が。
ツッコミのセリフは自分で事前に考えておくが、それに合うボケのセリフは空白にしておく。何を言うかは相手に委ねておく。本番で相手が空白部分を埋めたとき、決めておいたワードでツッコむ。
このとき、ツッコミのセリフは自分で言っているのだろうか? 相手に言わされているのだろうか?
同様のネタの作り方は、11日の『やすとものいたって真剣です』(朝日放送)で関西の姉妹漫才師、海原やすよ・ともこも語っていた。
ボケ役のともこいわく、ネタを作るときは「ツッコミは書けへん。やすよの好きなように言ってもらったほうがいいなと思うから」。ツッコミ役のやすよは、ツッコミは空欄になった台本にセリフを埋めていく。そうやって台本を作るものの、最終的にはB5用紙1枚にまとめられた箇条書きになるそうだ。そういえば、アンタッチャブルの漫才の台本も箇条書きらしい。
また、同番組にはアンタッチャブルが優勝した翌年にM-1を制したブラックマヨネーズも出演していたけれど、彼らのネタ作りも似たようなものらしい。
「俺こう言うけど、どう? みたいな。だから(M-1で優勝した)2005年のネタ作るんは、30分、40分とか……ちょっと言い過ぎたかな、2時間ぐらい」(吉田)
さらに吉田は語る。彼らがM-1で優勝したのは2005年。その後のM-1を見ると「このコンビ、あのときの俺らの感じ入れてきてるな」と感じることがあるらしい。しかし吉田は、自分たちに似た漫才を見ても「あ、まだやな、ブラマヨほどではないな」と思う。
「どこで思うかっていうたら、ホンマにこいつのセリフじゃないやろとか」
ブラマヨの漫才は、吉田の病的なまでに考えすぎる言動に小杉がツッコむ形をとっている。けれど、吉田は当時の自分は決して”病的”ではなかったと語る。
「あのときはネタとかっていうよりも、僕ホンマに病んでたんで。心臓がなんで動いてんのかわからへんかったし」
舞台に立っていたのは“病的”なボケ役を演じる漫才師ではなかった。吉田いわく「ホンマに病んでた」人間だった。
このとき、ボケのセリフは自分で言っているのだろうか? 自分の中の何かに言わされているのだろうか?
言っているのか、言わされているのか。手練の漫才師たちの多くは、自分ではコントロールが難しい何かに自分を投げ出し、能動性と受動性の間に立ちながら、言葉を生み出しているのかもしれない。その不安定にも思えるやり取りが不安定に見えないのは、やはり相方と積み重ねた時間ゆえだろうか。
「その牛革はお前が長年叩いて作った」
今田にそう言われた柴田は、嬉しそうに笑った。
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