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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > “解説”することで生き残るアンガ田中
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

裏技か、正攻法か? “解説”することで生き残る、アンガールズ田中というポジション

おぎはやぎ・小木への金言「世の中のほうが変わってきてるっていうことを、気付き始めなきゃいけない」

おぎはやぎ・小木への金言「世の中のほうが変わってきてるっていうことを、気付き始めなきゃいけない」

 6日の『ゴッドタン』(テレビ東京系)でも田中は解説をしていた。

 この日放送されていた企画は「勝手にお悩み先生」。売り出し中だったり伸び悩み気味だったりするタレントを招き、まだ本人すら自覚していない悩みを田中が勝手に発表・解説する企画だ。今年1月の放送に続き、今回が第2回目の放送となる。

 その分析は相変わらず鋭い。たとえば、NG無しとオーバーリアクションで注目されてきた西野未姫の現状を、田中はこう解説する。

「鈴木奈々ちゃんは天然なんだけども、西野さんって養殖なわけなんですよ。がんばって鈴木奈々の背中を追ってるわけで。そうなるとやっぱどうしてもやりすぎ感が出ちゃって、やりすぎ感が先立っていくうちに、ウザいとかうるさいっていうほうが先行して炎上しちゃう」

 また、情報番組でのコメントがしばしばネットで炎上するおぎやはぎの小木に対し、田中はこう言う。

「小木さんのスタンスっていうのは昔から何も変わってないんですけども、世の中のほうが変わってきてるっていうことを、小木さんももう気づいてると思うんですけど、気付き始めなきゃいけない」

 田中によると、小木は情報番組などで常識的な意見の逆をいく”逆張り”のコメントをする。そのコメントはときに毒を含んでいるが、番組内では相方・矢作の「小木、言い過ぎだぞ」というツッコミがあるため収まっている。しかし、ネットニュースに矢作はいない。だから小木のコメントはときにネットニュースに取り上げられ炎上してしまう。ひとまず、もう少し逆張りコメントを減らしてはどうか。もう少し歳を重ね”おじいちゃん”になったら、同じ逆張りでも世間から許容されたりするのだから――。

 もちろん、こういう”解説芸”と呼べるようなものは、田中の専売特許ではない。というか、最近はそういう解説系の企画が、特に深夜の”どバラエティ”と呼ばれる番組ではひとつの柱になっているようにも感じる。お昼の帯番組でのそつのない立ち居振る舞いや、ロケ番組での細かな技術を、ときに自虐も交えながら振り返ったりとか。なんだかお昼やゴールデンの副音声を深夜にやっている感じもする。

 田中はそんな企画の常連で、その解説はいつでも共演者を唸らせ、笑わせる。

 何が彼の観察眼を養ったのか。田中は自分自身も解説する。

「僕はもう、キモカワキャラのチヤホヤされるキャラから、キモキャラのクソミソに扱われるキャラまで全部やったので、いろんな場所でポジションを取っていかなきゃいけなかった。そういううちになんとなく(身につけた)特殊能力ですかね」

 田中は解説する。解説することで生き残る。加えてリアクションも健在だ。『逃走中』でのその姿はなんだか裏技を披露しているようだったけれど、それは裏でもなんでもなく、今のテレビでは正攻法なのかもしれない。

飲用てれび(テレビウォッチャー)

関西在住のテレビウォッチャー。

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いんようてれび

最終更新:2021/09/21 10:41
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