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HIKAKIN、はじめしゃちょー、そしてグーグル頼み?――YouTuberビズの覇者UUUMの“ホント”の財務

有名タレントが参入――ライバルは芸能プロ

有名タレントが参入――ライバルは芸能プロ

HIKAKIN、はじめしゃちょー、そしてグーグル頼み?――YouTuberビズの覇者UUUMのホントの財務の画像3
通期業績見通しに対する進捗率: 連結売上高260億円が通期の計画だが、20年5月期第2四半期までの進捗率は42%と当初の計画を下回っている。芸能人の参入やTikTokなどの動画配信サイトの台頭により、アドセンス収入のさらなる減少が懸念される。

 だが、囲い込みどころか、UUUMに所属する人気YouTuberたちの離脱が急加速している。昨年9月、チャンネル登録者数200万人のヴァンゆんが老舗芸能事務所太田プロに移籍、さらに今年2月にはチャンネル登録者数544万人の大食いタレント木下ゆうかも離脱を発表するなど、離脱の連鎖に歯止めがかからない状況なのだ。

「芸能界でも独立は話題になりますが、ここにきて『あの人気YouTuberもUUUMからの離脱を検討しているようだ』といった類いの噂話は耳にします。UUUMでは、契約するYouTuberの動画に表示される広告による収入(アドセンス収入)を一括して受け取り、それを各YouTuberに分配しています。専属YouTuberに対して80%を支払い、残りの20%が同社の収益となっている。芸能事務所も同様のやり方で収益を得ているのですが、その見返りとして、所属タレントを売り出すための先行投資をするし、基本的には会社がテレビ局やイベント会社などに対して営業を行っています。ところが、スマホさえあれば誰もが新規参入できるインターネット動画ビジネスでは、そもそも事務所に所属するメリットは、芸能ビジネスと比べても圧倒的に少ない。もちろん、UUUMと専属契約を結んでいることで、有名企業とのタイアップ動画の仕事が舞い込んできたりする可能性はあります。けれども、そのような案件が回ってくるのは、ほんの一握りの人気YouTuberだけです」(前出・IT業界専門誌記者)

 さらに、UUUMの脅威になりつつあるのが、大手芸能事務所のネット動画ビジネスへの参入だ。今年3月、ソニー・ミュージックエンタテインメントは同社の音楽制作のノウハウを活用したYouTuberの育成およびマネジメント事業に本格的に参入することを発表した。サザンオールスターズや福山雅治らが所属するアミューズもインターネット動画ビジネスを強化している。今年3月、同社所属の俳優・佐藤健は公式YouTubeチャンネルを開設。20年3月末時点、初動画の再生回数は700万超、チャンネル登録者数も138万人を突破している。  また、インターネットテレビ「AbemaTV」やアメーバブログなどを提供するサイバーエージェントもタレントのYouTube参入をサポートする新規事業を開始している。

 UUUM所属のはじめしゃちょーは、今年1月「日本経済新聞(電子版)」のインタビュー取材に対して、このようにコメントしている。

〈最近は芸能人の参入も多くて。あまり見ないですが、俳優の水嶋ヒロさんがおにぎりをつくる動画は見ました。動画の内容も変えていかなきゃ、と思っています〉

 さらに、記者から「変えていくとは?」と質問されると、 〈単純に、素人がおにぎりつくるより芸能人の方が見られる。なので僕はネタ、映像で勝負。実際に面白ければ引き続き見てもらえる。芸能人のネームバリューを超えられるものをつくれるかどうか。越えるしかない〉と危機感をあらわにしているが、現状を打破するような斬新なアイデアは出せていないと、前出のIT業界専門誌記者は指摘する。

「昨年末に、はじめしゃちょーは極楽とんぼの加藤浩二をゲストに招いた動画をアップしました。その再生回数は300万を超えましたが、結局のところ芸能人頼みであることは否めない。以前、彼は、ゴルフクラブのシャフトをへし折る動画が大炎上して活動休止したことがあったけど、巨大なグミをひたすら食べたり、スライムで満たした浴槽に入ったり、体を張った実験企画が大きな話題となり今のポジションを築くことができた。ただ、そういう『体当たりでやってみました系』の企画は素人でも簡単にまねできるし、現在のYouTube上にはたくさんあって飽和状態。また、上場企業であるUUUMはコンプライアンスの順守が求められるため、それも足かせとなっています。実際、UUUM所属のYouTuberたちの動画再生数は、いま全体的に減少傾向にあるんですよ。それは、視聴者に飽きられているからだと思われます」

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