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『チコちゃんに叱られる!』レビュー

『チコちゃんに叱られる!』上目遣いの岡村隆史に、「守ってあげたい」の感情は湧き上がるか?

『チコちゃんに叱られる!』上目遣いの岡村隆史に、「守ってあげたい」の感情は湧き上がるか?の画像1
NHK『チコちゃんに叱られる!』

 5月29日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは榊原郁恵とDA PUMPのISSA。チコちゃんから「邊土名くん」と本名で呼ばれるISSAは、今回が番組初登場だ。

 この日、番組が取り上げたのは以下の3つのテーマだった。

・なんできつねうどんに油揚げがのってるの?
・洗濯物の生乾きのニオイってなに?
・なんでお願いするとき上目使いするの?

質問を理解していない榊原郁恵の愛らしさ

 チコちゃんから「なんできつねうどんに油揚げがのってるの?」と質問され、「なっ、なんで!?!」と、まさにきつねにつままれたような顔になるISSA。答えに窮した彼に代わり、回答を買って出たのは郁恵だった。

郁恵 「きつねさんはお揚げさんが好きだって言うじゃないですか。なので、揚げが乗ってるのは……きつねうどんなのよ!」

チコちゃん 「いや、まあそうなんですけど。郁恵ちゃん、鬼の首を取ったように言われましても(苦笑)。それがなぜおうどんに乗ることになったのか?」

郁恵 「きつねがなぜ好きなのか? きつねと揚げの関係でしょ?」

チコちゃん 「いや、違うの、違うの。揚げときつねはもう解決してます、大丈夫です」

岡村 「なんで乗るようになったかですよ、郁恵さん(笑)」

 質問を理解していない郁恵。相変わらずの愛らしさだ。ちなみに、チコちゃんが発表した答えは「お客さんが勝手に乗っけて食べたから」だった。

 詳しく教えてくれるのは、大阪の心斎橋近くで明治26年に創業したうどん店の3代目・宇佐美芳宏さんだ。

「油揚げをのせたおうどんはいろいろ諸説あるみたいですけど、先々代の(創業者の)宇佐美要太郎が、甘辛く炊いたお揚げをおうどんに乗せたのが初めと聞いております」(宇佐美さん)

 江戸時代には油揚げを意味する「信田」というそばやうどんがあったり、具にねぎと油揚げが使われていたり……といった記録が今も残っている。しかし、これが現在のような甘辛く煮た油揚げのきつねうどんだったかは定かではない。ただ、大阪の人たちに聞くと、現在のきつねうどんは宇佐美さんの店から生まれたものと認識されているようだ。

「おじいさんの要太郎が江戸時代に創業の『たこ竹』というお店に奉公しておりましてね」(宇佐美さん)

 初代の宇佐美要太郎は10歳から「たこ竹」というお寿司屋さんと、「たこ竹」が営んでいたうどん屋に奉公していた。つまり、寿司店が運営する傘下のうどんチェーンで働いていたと捉えるとわかりやすい。要太郎はここでうどん作りを叩き込まれるが、ある時、そのうどん屋が閉店してしまう。これを機に要太郎は独立し、自らうどん屋を開店した。まさに120年後の現在、宇佐美さんが継いでいるお店だ。

 では、どのように油揚げを乗せたきつねうどんが生まれたのか? 1893(明治26)年 の大阪は、具のない「素うどん」、煮たシイタケやかまぼこなどのかやくが入った「しっぽく」、餡でとじた「あんぺい」、卵でとじた「けいらん」、うどんが入った茶碗蒸し「小田巻き」などが主流。味にうるさい大阪の町で新しいお店を開くには、看板となる新しいうどんの開発が急務だった。

 要太郎が店を出した船場は商人の町。商売繁盛のご利益があるお稲荷さんを信仰する人が多く、稲荷神社は「こんこんさん」と親しまれていた。要太郎は「自分もお参りしていこう」と稲荷神社にお参りをし、そのときに見つけたのがお供え物の稲荷ずしだった。

「お揚げさんは縁起がええ言うて寿司屋には稲荷ずしがある。ほんなら、うどん屋にお揚げさんがあってもええかもなあ」(要太郎)

 早速、要太郎は寿司屋「たこ竹」の稲荷ずし用の油揚げをアレンジ。うどんの揚げとして美味しく食べられる油揚げの味付けを考え出した。要太郎は当初、甘辛く煮たお揚げをうどんとは別にし、魚のすり身の天ぷらと共にうどんとは別皿で出していた。結果、甘辛いお揚げの味は労働者の多いこの町でウケた。評判は上々だ。

 そしてある日、1人のお客さんが甘辛く煮たお揚げをうどんの中に落としてしまった。「せっかくの出汁の味が甘くなるし、甘く炊いたお揚げも味が薄まって台無しになる」と、新しいうどんと交換しようとする要太郎。しかし、構わずにうどんを食べた客は「メチャメチャ美味いがな」と大満足! あっさりとした上品なお出汁に甘くてまったりとしたお揚げのコクはベストマッチだったのだ。こうして、甘辛いお揚げが乗った新しいうどんが誕生した。

 当初、この新しいうどんは「こんこんさん」と呼ばれていたが、これがいつどのように「きつねうどん」に変わっていったかは不明である。

「それね、ちょっとようわかりませんけど。まあ、きつねのほうがピッタリしたんちゃうかな? どっからどう変化したかわからないです。まあ、大阪のことやからそんなんどうでもええ」(宇佐美さん)

 ちなみに、一般的に「きつね」は油揚げが乗ったうどんやそば、「たぬき」は天かすが乗ったうどんやそばを指す。しかし、大坂では「きつね」と言えば油揚げが乗ったうどん、「たぬき」と言えば油揚げが乗ったそばを示すことが多いそうだ。麺がうどんかそばかの違いだけで名前が変わる。たぬきそばを注文したのにお揚げがのっていたら、東京の人間は驚いてしまうな……。

 さらに、京都では甘辛く煮ていない刻んだ油揚げをのせたのが「きつね」、それを餡でとじたのを「たぬき」と呼ぶことがあるらしい。地域差があり過ぎて、もう覚えきれない。

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