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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > フジロック中止、苦渋決断の背景

フジロックがついに開催中止に! ギリギリまで開催調整…苦渋決断の背景

フジロックフェスティバル ’20公式サイトより

 国内最大の夏フェス「フジロックフェスティバル ’20」が正式に中止となることが決まったようだ。

 今年は、コロナ禍の影響で次々とフェスやイベントの中止が発表となっている中で、フジロックは一部出演アーティストが発表され、チケットの先行販売も行われていただけに、「なんとかフジは……!」と開催を願う声も多かったが祈り届かず、残念な結果になってしまった。

「5月22日に日経新聞が、『中止が発表された』とする記事を電子版に配信し、ネット上で大騒ぎになりました。その後、記事は未完成の予定稿が誤配信されたものだと判明しましたがこのときあたりから、ファンの間では『さすがに無理だろう……』とあきらめムードが漂いはじめました。最近はむしろ、公式の中止発表はいつになるのか、という声が大半でした」(毎年フジロックに通うファン)

 誤配信とはいえ大手新聞から中止発表が出たものの、公式からはなかなか発表がない中でファンはやきもきしていたが、運営側でも苦しい調整が行われていたようだ。

「今年のフジロックに関しては、本当にギリギリまでなんとか開催しようと、運営側や各レーベルも努力してきたんですが、新型コロナウイルスの影響で、出演に難色を示すアーティストが多いことが大きな要因となりました。まず、海外勢は物理的にビザが発給されなかったり、できたとしても長期間隔離されたりするので、さすがにスケジュールが取れず、来日が困難です。中には『それでも、俺たちは行くぜ!』と前向きに検討してくれていたバンドもいたんですが、アーティストのエージェントが止めた場合もありました」(音楽レーベルスタッフ)

 国内アーティストも年内のライブ開催が絶望的という観測も出ている中で今夏、フジロックだけが決行することはかなり難しかったようだ。

「フジ中止を決断した背景には、先行して5月15日に、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』が中止を発表したことも要因になっていると思います」(同)

 日本の老舗夏フェスであるフジロックには根強いファンがついており、生きがいにさえなっている人もいる。音楽業界もメインビジネスのライブが開催できず苦しい状態の中で、さらにチケット代の返金などに追われることになる。

 「フジには熱いファンがいるので、チケット代の返金を求めない人がたくさん出るかもしれません。続かなくなって困るのはなによりファンですからね」(前出のフジロックファン)

 このコロナ禍で奔走した運営やレーベルのスタッフには敬意を評しつつ、なにか良い形でエンタメ業界が盛り上がるきっかけが欲しいものだが……。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2020/06/04 22:00
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