オードリー・若林「いまの時代にピッタリよ」 芸人と客の新たな“ソーシャルディスタンス”の萌芽
#お笑い #千鳥 #星野源 #若林正恭 #テレビ日記
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(5月24~30日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。
オードリー・若林「ソーシャルディスタンス開けないと、そういう人たちとは」
25日に放送された音楽番組『おげんさんと(ほぼ)いっしょ』(NHK総合)。そこで、”おげんさん”に扮した星野源は言った。
「おげんはとにかくハグがしたいの。みんなと会ってハグしたりしたら、私たぶん泣くわ」
あらゆる番組でコロナ対策が図られている昨今。この番組の収録も、リモートで行われていた。ただ、画面に星野らの生身の姿はない。4分割されたリモート風の画面に映っていたのは、彼らに似せた2頭身のかわいい人形だった。本人たちが実際に行ったリモート上のやりとりを、人形で再現する形でお送りされていたようだ。
この期間中、リモート収録で放送された番組をさまざま見たけれど、人形を導入した番組は初めて見た。デジタルとアナログの協働。人形劇を長く手掛けつつ、最新の放送技術の開発にも勤しむNHKならではだ。
また、星野がお母さん(おげんさん)に、高畑充希がお父さんに、藤井隆が長女になり、架空の家族を演じながらトークしたり歌ったりするこの番組。人形ではなく生身だったら、カツラを被った出演者が背景が殺風景だったりするリモートの画面に並んでいたとしたら、その虚構性は担保できなかったのかもしれない。本物の偽物は手間がかかる。
そんな誰とも直接交わらずに収録された番組の最後に、人形姿の星野は「とにかくハグをしたい」と言った。
一方で、26日の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で、オードリーの若林は語った。
「ホントにもう、距離開けなきゃ駄目。今の時代にぴったりよ。ソーシャルディスタンス開けないと、そういう人たちとは」
いつもはゲストを招いてトークをするこの番組。この日はコロナ対応で、オードリーの2人だけでお送りされた。で、若手芸人から寄せられた質問に2人が答えていたのだけれど、宮下草薙の宮下からの「芸人がカワイイともてやはされることについてどう思いますか?」との質問への回答の中で出てきたのが、上の言葉だ。
若林いわく、自分も昔「カワイイ」と言われていた。ネタで春日に近づくだけで「キャー」と歓声があがっていた。当時の自分はそんな反応に「腹わたが煮えくり返って」いたという。ラジオで「そういう人はいらない」とコメントしても、「カワイイ」という反応はむしろ増えていった。で、そういう人とは距離を開けないと駄目。いま振り返ると、ああいう反応は邪魔だったなと思う。
「(10年前のことだけど)いまも邪魔だったなー、と思う。同じ熱で」
引き離されると距離を詰めたいと思う。ハグをしたいと思う。でも、適度な距離以上に詰めてこられると離れたいと思う。邪魔だなと思う。何でもほどほどがいいけれど、そのほどほどが難しい。緊急事態宣言が全国的に解かれたすぐ後だからだろうか、余計にそう思う。
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