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『フリースタイルダンジョン』レビュー

『フリースタイルダンジョン』般若への愛(ai)を踏み続けるR-指定、MC漢との曲をサンプリングするJUMBO MAATCH

『フリースタイルダンジョン』般若への愛(ai)を踏み続けるR-指定、MC漢との曲をサンプリングするJUMBO MAATCHの画像1
『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系/AbemaTV)

 5月26日『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)は、前々回からスタートした「審査員長いとうせいこうが選ぶフリダンの歴史を変えたBEST BOUT 8選」の後編が放送された。いよいよ、BEST BOUT 8選のラストである。残るはあと2戦、果たしてどのバトルが選ばれるのだろう?

選ばれると思っていた「般若 vs peko」

 せいこうが7つ目に挙げたのは、4th season Rec6の「般若 vs peko」だった。正直、このバトルは絶対に選ばれると思っていた。Zeebra「Street Dreams」という最高のトラックの上に、最高のバイブスでライムを乗せるpeko。それまでの4戦で喉を酷使し、声が出ない状態なのに3ラウンド全てで先攻を取りに行く熱量は文句なしにカッコ良かった。般若の「晋平太に負けた俺はダサい」という言葉を聞き、首をブルンブルンと横に振って大否定するpeko。般若引退の日には涙を流していたし、ラスボスに対するリスペクトに溢れたバトルだったと思う。

 さて、BEST BOUT 8選も残るはあと1戦だ……が、ダイジェスト的に処理されたLick-Gや、MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻についても実は触れてほしかった。特に、R-指定がLick-Gにどんな印象を持っているかはすごく興味深い。それだけでなく、Lick-Gとニガリに負けた般若がSIMON JAP戦で果たした復活劇はドラマだった。だからこそ、掘り下げる価値のある連敗だったと思うのだ。

aiで踏み続けたR-指定の般若への愛

 審査委員長・いとうせいこうが最後に挙げた試合は、般若のラストバトルであり、ラスボス引き継ぎ式の意味合いも持つ「般若 vs R-指定」だ。語るべきことの多い一戦である。中でも、特に注目していただきたいのは2ラウンド目。

般若 「お前の対戦相手
    ある意味 俺は相方 松永 童貞」

 Rの相棒であるDJ松永の名前を入れることで、般若は遠回しにR-指定へのリスペクトを表明した。それにR-指定が全力で応える。

R-指定  「昭和 ブレない ブレない
      売れないとしても 俺なら媚びない
      伸びないスキルでもKREVAを超えたい
      とか思いながら 未だやる戦い
      ララバイ聞かせるにはまだ早い
      俺だってまだその姿勢見てたい
      でももう これが終えりゃ アンタはいねぇ
      だからを込めて 般若最低」

 DJ松永の名前を出されたRは、お返しに般若のライバル・KREVAの名前を入れてきた。まさにキャッチボールだ。さらに「ブレない」「売れない」「媚びない」「伸びない」「超えたい」「戦い」「早い」「見てたい」とaiで押踏し、最後の「愛を込めて 般若最低」までR-指定は徹底的に愛を込め続けた。「最低」の言葉にさえ愛が感じられるのだから驚きである。引き継ぎ式にふさわしい名勝負だったと思う。

 今回の編集がまた粋だったのだ。漢 a.k.a. GAMIの逮捕を受け、AbemaTVのアーカイブからこのバトルの映像はすでに削除済みだ。だから、番組は特別にこの試合を3ラウンドフルで放送してくれた。まさしく、永久保存版だったと思う。

JUMBO MAATCHがMC漢との曲をセルフサンプリング

 番組後半で行われたのは3代目モンスターたちによるサイファーである。勢揃いした3代目モンスターを見るのは随分久々な気がする。真っ先に触れたいのはJUMBO MAATCHだ。

「浮かんではパッと消えてくまた1人
 かなり厳しいって事 叩き込み
 それなりに名声や金も欲しいが
 成り下がりたくない風見鶏
 こだわりは通すべき
 わだかまりないよう 申すべき
 理想のまたその上を常に
 後戻りできない もう既に」

 実はこれ、太華「所信表明」からのサンプリングだ。さらに、この音源で歌っているのはJUMBOと漢 a.k.a. GAMIである。あえてこのタイミングでこの曲をセルフサンプリングする意図は何なのだろう? 意味深なメッセージを受け取り、思わず色々と考えてしまった。

 そして、やっぱりR-指定が最高だ。

「叱咤聞く 知った口聞くガキどものコメント欄に
 JITTERIN’JINNばりにプレゼント For you 死の言葉」

 40代以上にはポピュラーなJITTERIN’JINNの名曲「プレゼント」を入れ込んできたR-指定。音楽は地続きだと、しみじみ実感させてくれた。さすがラスボスだ。

 こんなライブを体験すると、やっぱりフリースタイルバトルが恋しくなってくる。ダンジョンの収録はいつ再開されるのだろう? 収録するにしても新木場ageHaの客席でソーシャルディスタンスは求められるのだろうか? バトルで戦う2人の間には透明のアクリル板が設けられるのだろうか? 妄想と心配は尽きない。ちなみに、今夜放送のダンジョンはBATTLE OF REGGAE DEEJAY全バトル一気見の予定だ。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2020/06/02 16:30
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