メディアが報じない安倍政権と電通の癒着! 不透明すぎる「持続化給付金」受託団体の実態
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持続化給付金をめぐり、事業を受託した一般社団法人の不透明な実態が大きな問題となっている。
新型コロナウイルスの影響により、ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少した事業者に対して、中小企業には最大200万円、フリーランスを含む個人事業者には同100万円を上限に現金を支給する制度で、予算額は約2兆3000億円。
中小企業庁のホームページでは、持続化給付金の事業を受託したのは、「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」(以下、同協議会)で、契約額は769億円となっている。
同協議会は2016年に電通とパソナ、トランスコスモスによって設立。登記簿に記載された所在地は東京・築地のオフィスビルだが、この問題を追及している立憲民主党の川内博史衆院議員が同協議会を訪ねたところ、ドアに「リモートワーク中」という張り紙が貼られており、“誰もいなかった”という。このため、同協議会の実態は“幽霊会社”であり、電通への“トンネル会社”ではないかという疑惑が噴出した。
持続化給付金は150万件に支給する予定となっており、契約額769億円で換算すると同協議会に払われる1件あたりの手数料は単純計算で5万円を超えることになり、川内議員は「法外な手数料だ」と指摘した。
同議員は政府に対して、再委託費の内訳について情報開示を求めたところ、中小企業庁の那須野太・事業環境部長は「電通に再委託している」こと明らかにした。なんと、契約額769億円の97%にあたる749億円が電通に再委託されていた。
結局、持続化給付金については、実務を行っているのは電通であり、同協議会は電通がこの事業を受託するための“トンネル会社”だったのではないか、との疑惑が深まった。
ある広告代理店関係者は、「電通は2015年に発生した新入社員の高橋まつりさんが過労により自殺した事件で、労働基準監督署から労働基準法違反で書類送検され、罰金刑を受けている。この事件がきっかけで“働き方改革”が推進されるようになったほど、世の中に大きな衝撃を与えた。この事件で電通は公共事業の入札停止処分を受けた。処分期間は終わったとは言え、公共事業を電通に委託するのは問題視される可能性があり、トンネル会社を使う方法を取ったのではないか」との見方をしている。
その上、川口議員によると、持続化給付金が組み込まれた第1次補正予算が閣議決定されたのは4月7日なのに、その前日の6日には同協議会が「jizokuka-kyufu.jp」(持続化給付.jp)というドメインを取得していたというのだ。
こうした状況から同協議会と通商産業省の間には、何らかの“癒着”があるのではないかという疑惑まで浮上している。新型コロナウイルスの関連では、布製マスク(いわゆるアベノマスク)の配布でも、特定業者との癒着疑惑が浮上するなどの問題が発生している。
新型コロナウイルスによって、国民生活が危機に瀕している時に、こうした国民を救うための施策において不透明な取引が行われ、利益供与のような行為が罷り通ることは、断じて黙認してはならない。徹底的に究明して、事実関係を明らかにすべきだろう。
それにつけても、筆者が理解できないのは、川内議員が同協議会の問題について取り上げたのは、5月22日の衆議院決算行政監視委員会だ。これだけ大きな問題にも関わらず、この問題を報道したのはNHKニュースだけだった。その後、「週刊文春」(文藝春秋)がこの問題を取り上げると同時に、新聞各紙が取り上げ始める。
なぜ、新聞各紙やテレビのニュース番組では当初、この問題を黙認したのだろうか。そこには、電通に対する配慮があったのではないか。特に、居酒屋などを引き合いに出し、連日のように新型コロナウイルスの感染拡大防止のための休業要請による経営危機を取り上げ、持続化給付金を話題としている“ワイドショー”では、この問題にまったく触れていないのは何故なのだろうか。
黒川弘務検事長の接待麻雀問題といい、報道側の姿勢も問われているのではないか。
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