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日刊サイゾー トップ  > わらび餅抹茶ラテはヒットの予感
コンビニ新商品「Tuesday Morning Reviews」#4

コンビニから“ネクストタピオカ”飲料が続発! 「わらび餅抹茶ラテ」は吸うとぷるんと崩れる食感でヒットの予感

「コンビニの新商品はいつ並ぶのか?――それは火曜の朝である」

 1年間に5000品超の新商品が並んでいる日本のコンビニエンスストア。「バスチー」のように大ヒットするものがある一方で悲しいかな、日の目を浴びずに消えていくものが山ほどあるのもまた現実だ。本コラムでは、火曜朝に発売されるコンビニ新商品を独断と偏見でチェックし、そのポテンシャルを予測。また、ひっそりと消えていくコンビニ新商品を記録しておくのが「Tuesday Morning Reviews」である。

 なおこのレビューは、流通アナリスト・渡辺広明氏と主夫リーマン・テキパキオ氏の私見たっぷりな辛口対談によってお届けします。

◇ ◇ ◇

テキパキオ(以下パキオ):コンビニの売り場を観察していると時々「誰が買うんだ!?」って思う商品ありますよね。

渡辺広明(以下渡辺):新商品は話題にならないと生き残れませんから、消費者にそう思わせることができて、やっと最初のハードルをクリアしたということなんです。

パキオ:確かにそれはわかります。たとえば、ペヤングの「豚脂MAXやきそば」(5月18日発売)なんて、「背脂の次は豚脂かよ」と思いながらそこそこ売れると思うんです。一方で、話題にもならずに消えそうな新商品もありますよね。

渡辺:ありますね……。今週は「そんなドリンクを探してきてください」とパキオさんにお願いしましたけど、どうでした?

パキオ:まずはファミリーマート限定で26日に発売されたばかりの「アサヒ KOMBUCHA」(税込み162円)です。まず、KOMBUCHAって聞いたら昆布を砕いたあの味を想像するじゃないですか? 僕は料理するときに割と調味料として昆布茶を使うので家に置いてありますけど、果たしてペットボトル飲料として需要があるのかはなはだ疑問だったので買ってみたわけですが……。

渡辺:全然、昆布と関係なかった(笑)。衝撃だよね、KOMBUCHAがお茶を発酵させてつくる植物性の発酵ドリンク、それも微炭酸だなんて。

パキオ:はい。ラベルに「近年、海外でも注目されている発酵ドリンクです。砂糖を加えた紅茶を酢酸菌、酵母などで発酵させており、フルーティーな香りが特徴です」と書いてあるのに、「昆布どこいった?」と思い込んでいるもんだからなかなか理解できませんでした(笑)。

渡辺:若い女子に聞いてみたら、ロサンゼルスやハワイからブームに火がついて、美肌、ダイエット、エイジングケアなどの効果が期待できるから海外セレブが夢中になっていると教えてくれました。つまり、海外でヒットしたものを日本に持ち込んだパターンというわけです。

パキオ:女性向けのドリンクだと思ったので、妻にも試飲してもらって感想を聞いたんですよ。「ハマればおいしいのかもしれないけど、162円は高いから買わない。美意識高いOLさんが飲みそう」と言っていました。味は飲むお酢の炭酸割みたいな感じでした。

渡辺:そうだね。KOMBUCHAという飲み物がまだごく一部にしか認識されていないからファミマとアサヒが先行者利益を取れるかもしれない。美容感度の高い女性は「普通のKOMBUCHAより安いし、コンビニで買えるなんてありがたい」と言っていたからね。とはいえ、ファミマの店頭に並べるだけでKOMBUCHAが市民権を得られるとも思えないから、しれっと消えそうではある(笑)。

パキオ:市民権とか難しく考えずに、価格で勝負したとみられるのが、ローソン限定で19日に発売された「サンガリア 糖類ゼロラムネサワー」(350ミリ税込み100円/500ミリ税込み128円)です。

渡辺:パキオさんの得意なお酒ジャンルだ。それにしても安いね~。普通の500ミリペットボトルのドリンクより安いなんてびっくり!

パキオ:ええ、注目すべきはそこですよ。僕が買いに訪れた店舗ではこのラムネサワーのすぐ横にサントリー「-196℃ストロングゼロ ガツーンとサイダーサワー」が並べられていて、こちらは350ミリl缶が税込み155円、500ミリ缶が税込み210円なんです。何がすごいかって、サンガリアの500ミリ缶を買ったほうが、サントリーの350ミリ缶より27円も安い。ラムネとサイダーという些末な違いなんてのんべえは気にしませんからね。間違いなくサンガリアに流れる。で、後悔する……。

渡辺:どういうこと?

パキオ:糖類ゼロ、着色料ゼロ、プリン体ゼロを推しているみたいなんですが、人工甘味料(アセスルファムK、ステビア)の味が強すぎるし、鼻に残るアルコールくささも僕には無理でした。

渡辺:でも「サンガリア 糖類ゼロラムネサワー」って2019年に続いての販売だから、ある程度の人気を見込んでのはずなんだけどね。そういえばローソン×サンガリアの組み合わせだと、アルコール度数12%の「スーパーストロング」もあったよね?

パキオ:はい。確か〝時短酔い〟をキャッチフレーズにしていましたが、僕はそれもダメでした。もともとストロング系チューハイが好きでない人に12%の缶チューハイなんてダメ押しすぎますから。というか強いお酒を飲むときは缶チューハイじゃなくて、ウイスキーとか焼酎ロックがいい!

渡辺:RTD(Ready To Drink)市場における缶チューハイは伸びる一方で、コンビニ限定ならある程度のロットを販売できるから、味より価格重視が成り立つのかもしれません。

パキオ:最後はセブン-イレブンが珍しく22日(金)に順次発売した「わらび餅抹茶ラテ」(税込み213円)と「タピオカさくらラテ」(税込み213円)です。

渡辺:前者は守山乳業、後者は東京めいらくと製造元が別々なんだね。

パキオ:どちらも税抜きだと198円で絶妙な値段設定だと思いました。容器の底にごそっとわらび餅が鎮座しているんですけど、ストローで吸引するとうまく崩れるようになっていて食感が楽しい。あと抹茶ラテそのものは甘くなくて、ぷるぷるしたわらび餅に黒蜜的な甘さがあっておいしかったです。「タピオカさくらラテ」も悪くはないんですけど、入っているのがこんにゃくタピオカなんです。今回のタピオカブームで流行したのは割と大粒でもちもちっとした食感じゃないですか?

 それと比べるとこんにゃくタピオカは噛んだら潰れるじゃなくて弾けるようにプリプリしているわけです。その意味では、真のタピオカ好きからは支持は得られないと推測しました。あ、でもピンク色のタピオカの見た目はかわいかったかな(笑)。リピート購入するならわらび餅ラテだけど。

渡辺:なんだか最後だけフォローしてる気がするけど、まぁいいか。すべてがヒットするわけじゃない。残酷だけどそれが新商品の運命だからね。                                                                                        

【今日のまとめ】

・「KOMBUCHA」は昆布茶にあらず、海外セレブに人気の微炭酸発酵ドリンク

・ソフトドリンクよりも安いサンガリアチューハイおそるべし

・「わらび餅ラテ」はヒットするかも!?

渡辺広明(流通ジャーナリスト)

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浜松市出身。2児の父。マーケティングアナリスト、日本唯一の流通アナリスト、コンビニ評論家、流通ジャーナリスト、約730品の商品開発に携わるマーケター、元コンビニバイヤー、元コンビニ店長、現コンビニアルバイター、「浜松市やらまいか大使」(観光大使)など、さまざまな顔を持つ。フジテレビ『Live Newsα』レギュラーコメンテーター『ホンマでっか⁉TV』レギュラー評論家として活躍する他、スポーツ紙「東京スポーツ」に連載を持ち、ニュース・ワイドショー・新聞・週刊誌・ラジオなどのコメント・講演会・アドバイザリー・顧問業などでも幅広く活動中。趣味は「ドラゴンズ熱烈応援」「時折フルマラソン」「発展途上国の教育支援(ガーナ・ラオス)」。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(KKベストセラーズ)

わたなべひろあき

テキパキオ(ライター)

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都内に住む30代サラリーマン。小学生のとき、母親の手伝いで料理に目覚め、兄の夜食を作るようになる。大学時代にはカジュアルイタリアンの厨房でアルバイト。就職後は自炊することがなかったが、3年前にアーティストとして働く妻と結婚して家事全般を担当。猛スピードで掃除洗濯をこなす様子から妻に「テキパキオ」と名付けられる。PB食品の食べ比べがスーパーの売り場徘徊が趣味。蛇口とシンクを磨くのが好きで、行きつけの飲み屋の閉店作業に加わりがち。

Twitter:@@tekipakio

てきぱきお

最終更新:2020/06/01 16:42
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