カップ焼きそば、“盛り”キャッチコピー競争激化!「超濃厚」「盛り盛り」…誇大広告ではないか? 疑惑の3商品を検証
#カップ焼きそば #カップ麺一行3昧
カップ焼きそば界には「一平ちゃん」や「ペヤング」、「日清焼そばU.F.O.」などの定番ブランドが多く、安定の味を求めて同じ商品を買い続ける人も多いのではないでしょうか。
しかし、各メーカーは「それホントか?」と思ってしまうような刺激的なネーミングの新商品を世に繰り出し、固定ファンのみならず新規の購入者を獲得しようと躍起です。キャッチーな文言で私たちを魅惑してくる商品名は、盛り過ぎてはいないか。誇大広告がないか、しっかりと検証していきたいと思います。
「一平ちゃん 夜店の焼そば 超濃厚ソース」は、本当に“超濃厚”なのか?
ひとつめは、明星食品から2020年2月17日に発売された「明星一平ちゃん 夜店の焼そば 大盛 超濃厚ソース」(230円/税別)。定番カップ焼そばブランドですが、パッケージをご覧いただければ分かるように、この商品では「超濃厚ソース」をこれでもかというほど大々的に謳っていますね。ソースの濃さは通常商品の「123%」で、からしマヨにからし粉が「3倍」入っていることも記載されています。
もともと濃いめなソースの「一平ちゃん夜店の焼そば」ですが、これは果たして「超濃厚」と言えるほど濃い味になっているのでしょうか。
濃さ「123%」というソースは、いつもの「一平ちゃん夜店の焼そば」と比べて重量があり、濃度の高いソースが入っていました。量だけではなく味も濃厚で、かなり甘いのも特徴的です。ソースと合わせた麺はいつもより黒ずんでいて、これは味も見た目も確かに「超濃厚」と言って良さそうです。
さらに、からしマヨにはいつもの「3倍」のからし粉が入っているそう。3倍すごいのは赤い機体なのが定説ですが、今回は真っ黄色です。これ、マヨネーズじゃなくて練りからしなのではないかと思うレベル。練りからしチューブからこれが出てきても驚かないくらい、とにかく黄色いです。ただし、いつもより甘濃いソースを合わせると辛味がだいぶ阻害されてしまい、辛さ3倍とまでは感じられませんでした。
ただ、濃厚なソースであるのは間違いなく、特にソースの甘みが「超濃厚」でした。ただし、からしは3倍というほど辛くはなく、さらに言うとソースやからしマヨでコストが力尽きたか、具はあまり充実していませんでした。
むしろ「超濃厚」を食べたことで、いつもの「一平ちゃん夜店の焼そば」が、ソースとからしマヨのバランス、そして具のボリューム感などいかに優れた商品なのかを改めて実感できました。ダテにロングセラー商品ではありません。
「マルちゃんごつ盛り盛りソース焼そば」の“盛り盛り”は、実際どれくらいの量なのか?
続いては、東洋水産から2020年4月17日に発売された「マルちゃん ごつ盛り盛り ソース焼そば」(オープン価格/筆者は171円で購入しました)です。「ごつ盛り」シリーズ10周年記念商品ということで、かなり気合が入っていそうな赤いパッケージデザインですね。通常の「ごつ盛り ソース焼そば」でも130gと麺量多めなのに、この商品では「200g」に増量されています。
商品名で「盛り」を2重にするからには、肝心の中身もガッツリ盛ってもらわないと名前負けです。本当に「盛り盛り」なのか、試してみましょう。
カップの中身は、麺が2段重ねになって入っていました。麺量は200gなので、ひとつ100g。普通サイズのカップ焼そばの麺量が100gなので、2倍ということになります。まさに「ごつ盛り盛り」。盛ってますねぇ。ちなみに、かの有名な北海道のソウルフード「やきそば弁当」の超大盛バージョン「でっかいやきそば弁当」と同じ形状、サイズです。
さて、盛っているのは麺だけではありません。いつもの「ごつ盛り ソース焼そば」に入っているからしマヨネーズが7gなのに対して、今回はその倍!「14g」も入っています。マヨラーにも嬉しい仕様は、さすが盛り盛りと言ったところ。
もともと「ごつ盛り」シリーズに入っているキャベツはそれほど多くないのですが、今回の商品はその「2.5倍」以上のキャベツが入っています。実際に比較してみれば、その差は一目瞭然。いやはや、とことん盛ってきますね。
大盛がウリの商品の中には、麺量が増えることでソースとのバランスが悪くなってしまい、「いつもと味が違うじゃないか!」と残念なことになる場合もあるのですが、この商品にはそんな違和感はまったくなく、いつも食べている「ごつ盛り ソース焼そば」の味を堪能できました。ちょっと甘めのソースとからしマヨネーズの組み合わせがクセになります。美味しくて量が多くて、そして安い。コスパ最強です。
というわけで、「ごつ盛り盛り」の名に恥じぬ素晴らしい盛りっぷりでした。他所でこんなに盛っているのは、90年代の伝説のバラエティ番組『夢がMORI MORI』(フジテレビ系)くらいでしょう。今回の商品は「ごつ盛り盛り盛り」でも良いくらいでした。
「日清焼そばU.F.O.ペロリ」の“ペロリ”とは、どういう意味なのか?
最後にご紹介するのは、日清食品から2020年4月13日にリニューアル発売された「日清焼そばU.F.O.ペロリ」(各125円/税別)。超定番カップ焼そば「日清焼そばU.F.O.」シリーズの一商品で、「かつお節香るだしソース」と「柚子香る鶏しおだれ」の2種類がラインナップされています。
濃いものを食べたいけれど濃すぎるのはちょっと嫌という女性に向けた商品で、「食べたい気分に、ペロッと満足」をコンセプトにしているとのこと。とはいえ、本当に「ペロリ」といけるのか。さっそく検証していきます。
両味とも、かつおだしを効かせたソースを使用し、麺にタピオカ粉を使用してプリプリした食感なのが特徴となっています。UFOのソースと言えばスパイスを効かせた濃い味という印象がありますが、「ペロリ」の2品は魚介の旨味を感じさせる、やさしい味わいとなっています。
さらに、大ブームとなったタピオカ(粉)が麺に練り込まれていることで、弾力ある食感で箸が進みます。なるほど確かに、どちらの味も「ペロリ」と食べることができるライトなカップ焼きそばでした。特に「かつお節香るだしソース」は、同じソース味ながらいつものUFOとは違うあっさり味な魅力があります。
ちなみに、通常の「UFO」が193円(税別)であるのと比べるとだいぶ安価ですが、麺量もいつもの100gから「65g」へとかなりダイエットしています。気になるカロリーや脂質も抑えられ、精神的にも「ペロリ」と食べやすくなっているわけです。
「超濃厚」「盛り盛り」「ペロリ」の検証を終え
「明星 一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 超濃厚ソース」「マルちゃんごつ盛り盛りソース焼そば」「日清焼そばU.F.O.ペロリ」と、いずれもキャッチーな商品名のカップ焼そばでしたが、検証の結果、これら3商品の看板に偽りはないことが判明しました。
ただし、斬新な名前に実力も伴う商品だからと言って、それぞれのカップ焼そばブランドのオリジンを超えたというわけではありませんでした。伝統と革新の商品を、食べ比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
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