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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > トウガラシ名産地の珍なる町おこし
訪問ライター・清水2000の「韓国珍スポ探訪記」VOL.39

トウガラシ名産地の珍なる町おこし「天庄湖つり橋」

雄大な自然と、巨大トウガラシ

 韓国の町おこしが熱い。以前この連載でも、特産品の高麗人参を前面に押し出し、巨大高麗人参像(参照記事1)や高麗人参博物館(参照記事2)を建立するハイテンションな町を紹介したが、今回訪れるのはトウガラシ名産地の青陽(チョンヤン)郡だ。やはりというか、そこにも自称「世界で最も大きいトウガラシ」があるという。

 ソウルから高速バスに乗り2時間かけ向かった先は、青陽郡の中心地からさらに10キロ以上離れたところにある定山(チョンサン)ターミナル。山と畑に囲まれたその集落は、コロナ時とはいえ観光客が立ち寄る様子ではない。市場前も活気はなく、しんと静まっている。お昼時に適当な食堂に入ったところ、ブルーワーカーの人たちが定食をかっこんでいた。ディープな地方旅行の始まりに気持ちは高まる。

集落の目抜き通り

 その店でソモリクッパ(牛の頭部の各種部位が入った野趣あふれるスープ)を注文したところ、薬味として小皿に盛られた真っ赤なトウガラシの粉が出てきた。ちょっと舐めてみたが、これがまったく辛くない。ほのかな甘みさえあり、あまりのうまさに薬味だけ平らげてしまった。ランダムに入った店でこのレベルなのかと、トウガラシ名産地の底力を実感する。

 食堂を出て町を歩けば、ガードレールや街灯など、ところどころにトウガラシをモチーフにしたユルいデザインが。でかした、それでこそ韓国の町おこしだ。私のような通りすがりの者はワクワクしてやまないが、税金を払う町民はこの状況をどのように感じているのだろう。

町のあちこちにトウガラシが。油断できない
男の子のゆるキャラはトウガラシだが、女の子の方は、もうひとつの名産であるクコの実

 目指す「天庄湖(チョンジャンホ)」まで、バスはすぐ来そうにないのでタクシーに乗った。私が日本人だと知ると、運転手のおじさんは「こんな田舎によく来たね! 私も日本に行ったことあるんだけど~」と喜々と話しかけてくる。韓国を旅していると、研修で日本に行った運転手にたびたび出会うのだ。

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